東名と新東名を使い分けてドライブを楽しむ

今や全国各地に広がる高速道路のなかでも、東名高速道路(以下 東名)は最も交通量が多く、日本を代表する路線ではないでしょうか。

東名は一般車もさることながら、物流のための大型トラックや高速道路路線大型バス、観光大型バスなどの大型車も、他路線にくらべてとても多く利用しています。

東名を補完するために、東名とは異なる思想で設計された新東名高速道路(以下 新東名)が11年前に開通しました。新東名は、東名とくらべて直線が多く、最高速度が120kmの区間が多く、所要時間も短くなりやすいです。

私は新東名が開通している区間でも従来の東名を走行することがあります。あえて東名を走行するワケとはなにかお話ししていきます。

東名は景色の変化が楽しめる

  • 東名では富士山、海の景色、そして山の中では地形を楽しめる

高速道路を利用すると走行中にみえる景色は楽しみの一つです。しかも高速道路によっては、走行前から楽しみと思えるレベルの絶景といえる箇所もあります。

新東名は運転しやすさを追求しているため、直線が多く、山岳地帯を迂回せずトンネルが多い構造になっています。一方東名は地形に沿って道路がつくられていますので、トンネルが少なく、さまざまな景色を見ることができます。

特に静岡県「富士IC」〜「清水IC」では駿河湾の景色、名古屋方面から東京方面へ向かう下り線では、富士山を正面に見ることができます。

新東名の下り線「新清水IC」や「新富士IC」近郊で富士山の景色を見ることができますが、周辺の景色と合わせて楽しむという点では、東名の方が私は好きです。

新東名は直線とトンネルが多く楽しくない

  • 1968年4月初区間開通、1969年5月全線開通

日本で高速道路が初めて開通したのは1963年7月の名神高速道路(以下 名神)「栗東IC」〜「尼崎IC」です。それから3年後の1968年4月に、東名の初区間が開通しました。リニューアル工事は実施されているものの、基本的に開通当初の道路形状で現在も運用されています。対して新東名は、初区間開通が2012年4月のため最新の建設技術が使用されています。

東名は地形に調和する設計をしているのに対して、新東名は運転し易さを追求した設計になっているため、東名はカーブや起伏が多めの構造で、新東名はカーブや起伏がほとんどない構造になりました。

そのため多くの方が東名よりも新東名を選択したいと思うはずです。高速道路マニアは、あえて東名のカーブや起伏の多い構造を走行して、楽しさを求めることもあります。

新東名はカーブや起伏が少ないため、最高速度が高く、夜間は真っ暗なため緊張感が高くなり、疲労がたまり運転の敵ともいえる眠気がおそってきやすいです。時間に余裕がある時は、東名を走行するのもアリだといえます。

東名のSA・PAは各箇オリジナル性がある

  • 浜名湖SAから眺めることができる浜名湖の景色

東名、新東名のサービスエリアやパーキングエリアは他路線と比較すると充実しています。

新東名のサービスエリアの施設はどこもきれいですが、代表格である愛知県岡崎市に所在地を置く「岡崎SA」は、東海3県内では最大級の規模をほこり全国的に有名です。

東名は、路線が古いことからSA/PAの施設が古いです。しかし安価で美味しい食堂もあったりします。一方で昨今施設のリニューアルが随所で行われ、新東名に負けない充実さをほこるところもあります。また、「富士川SA」は富士川と富士山、富士市の街並、「牧之原SA」は茶畑の風景、「浜名湖SA」は浜名湖の風景を眺めることができ、高速道路における癒しスポットになっています。

サービスエリアの好みは、個人によってさまざまありますが、東名の方が特徴のあるSA/PAがあるため、私はあえて東名を利用することがあります。

道路形状や雰囲気を理解して上手く使いこなす

  • 東名下り線 富士川SAの景色も一見の価値あり

東京から名古屋まで移動する場合は新東名を利用するドライバーが多いと思いますし、おすすめします。

鉄道旅の場合は、誰もがローカル線と特急を上手く使いこなしていますよね。東名と新東名も同じように、両方のメリット、デメリットを理解して上手く使いこなしてみたいですね。

例えば、静岡県や愛知県東部には魅力的なスポットが多いので、東名を利用して立ち寄ってみるのもおすすめです。ナビが新東名を選択したからでなく、自ら東名を選択して走行していただければと思います。

のっぴードライブログ

(テキスト・写真:のっぴー、編集:GAZOO編集部)