GAZOO写真教室 2限目 クルマをかっこ良く撮りたい!こそっとスキルアップ!
2時限目の今回は、「真横とシンメトリーの出し方」と「ステアリングを切って撮る理由」の二本立てです。
まず、真横の写真の撮り方ですが、フロントグリルと、リアハッチの見え具合で真横かどうか判断する方がほとんどだと思います。それも間違いではないのですが、遠近法を使うことでより簡単にクルマの中心から撮ることができるのです。
例えばまっすぐな道を撮影すると、遠くになるほど道は細く写ります。つまりクルマのホィールベースは左右同じ長さですから、写真に撮ると、車幅分だけ手前のホィールベースの方が奥のホィールベース長く見えるのです。
それを踏まえた上で(作例1)の写真をみてください。奥のタイヤが前後輪共、手前のタイヤの内側に見えています。これが遠近法を使った正しい真横の写真なのです。ですから真横の写真を撮ろうと思ったら、奥のタイヤが手前のタイヤの内側に見えるように撮影してください。
- (作例1)
次にシンメトリーですが、これも意外に難しい写真です。撮影ポジションが、自分の頭1個ずれるだけで、シンメトリーにならないからです。(作例2)と(作例3)の写真を見比べてみてください。
- (作例2)
- (作例3)
パっと見には、両方とも正面の写真に見えます。ですが(作例3)の方は若干右にずれてしまっています。先ほどと同じく遠近法を使えば後輪は前輪の内側に見えているのですが、この2枚はその条件をクリアしています。しかし(作例3)の写真は頭1個分右から撮っていますので、右のドアノブが見えてしまっています。
20cm前後撮影ポジションがずれただけで、シンメトリーは成立しません。クルマの正面をシンメトリーで撮ろうとした場合、僕はドアミラーの見え方で判断しています。ドアミラーの付け根の見え具合が、シンメトリーを意識する上で、一番わかりやすい指標になっています。
最後にステアリングを切った状態での撮影の話です。ステアリングを切って撮影する時には、そうしなければならない理由があります。(作例4)と(作例5)の写真を見てください。
- (作例4)
- (作例5)
(作例4)は右にステアしているため、ホィールが見えてきています。(作例5)は左にステアしているためタイヤのトレッド面が見えています。この説明だけでも察しがつくと思いますが、単純にホイールを見せたい場合とタイヤを見せたい場合の差です。このクルマは、ノーマルなのでイメージしにくいかもしれませんが、インチアップしたホイールを見せることでドレスアップ感が増します。幅の広いタイヤを見せた場合は、タイヤの存在感が増し迫力のある写真になるはずです。そして斜め後ろから撮るとリアタイヤが存在感を出し、フロントホイールがドレスアップ感を感じさせてくれると思います。
- (作例6)
- (作例7)
最後に質問を受けたのでお答えしようと思います。クルマを撮る場合どちらを向けるのか?との質問でしたが、わかりやすくGTマシンの写真で説明します。僕がクルマを撮る場合、必ず左向きにして撮影します。理由は単純で、ロゴの流れです。英語カタカナに関わらず、横書きにすると文字は左から右に書かれていきます。つまり左側を撮影すれば、スポンサーのロゴなどが車のフロントからリアに流れていきます。この方が当然自然だからです。しかし、このことに決まりごとはありません。撮りたい方向で撮っても良いかと思います。
(写真、テキスト 折原弘之)
折原弘之
F1からさまざまなカテゴリーのモータースポーツ、その他にもあらゆるジャンルで活躍中のフォトグラファー。
作品は、こちらのウェブで公開中。
http://www.hiroyukiorihara.com/
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
GAZOO写真教室
1限目 クルマをかっこ良く撮りたい!こそっとスキルアップ!
2限目 クルマをかっこ良く撮りたい!こそっとスキルアップ!
3限目 流し撮りにチャレンジしてみよう! ~クルマをかっこ良く撮りたい!こそっとスキルアップ!~
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