やっぱりカラダが反応しちゃうクルマたち ~初代スプリンタートレノ&80スープラ~

こちらもTGRFで、脊髄反射したクルマたちです。見過ごせないのです。100台あれば100通りの個性、見て来いとカラダが反応します。そして、同じものがたくさんあると幸せになる“同じものフェチ”の私には、スープラ軍団の列が胸アツなのでした。それでは、どうぞ!

初代スプリンタートレノで登場は、静岡県富士市在住のワタナベさん。初代スプリンターに乗ろうと思ったのは、やはり原点のクルマに乗ってみたいという強い思いだったそうです。これちょっとわかる気がしません?惚れれば惚れるほど、本質が知りたくなる…、その人が知りたくなる、嗚呼大好き!そんな心理…。

ワタナベさんのこれまでの所有歴は、ジウジアーロ(デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ)デザインのスズキセルボ(スプリンターもジウジアーロのデザインによるもの)からAE82(カローラFX-GT)、GX71(チェイサー)、AE86(トレノ、レヴィン)を2台乗り継ぎスプリンターにたどり着いたそうです。このラインナップは、あの時代をしっかり追いかけ、好みのクルマの逃す事なくお乗りになった感じでしょうか。もうね、懐かしさしか込み上げて来ません…。世代がバレてしまうのは内緒にしていただくという事で…。

そして、沢山乗り継いだ最後に大切な1台を残し、普段使いの足を別途所有とのことで、現在は普段はタントが足がわり。スプリンターは、もっぱらサーキットを走ったり、オーナーズクラブのツーリングに使用しているそうです。さりげに書いておりますが、サーキットを走ったりツーリングというのは、お仲間がいたりという意味で、非常にうらやましいですね。

排気量を1750ccにパワーアップし、TE71(通算4代目カローラ)の前期のミッションを装着しました。しかもAE86用のクイックシフトも装着。ミッションを変えた関係で、シフトレバーの位置が多少後ろに下がっているワタナベさん仕様。排気量をあげても力不足を感じたのか、ボンネットとトランクはFRP製に変更してありました。そして、リアのデフをそっくり交換、AE86のホージングに交換することで、リアブレーキをディスク化しています(ノーマルのリアはドラムブレーキ)。発売後40年以上経つ旧車に乗るのは、大変ですよねという印象でしたが、ワタナベさんは一通りやってしまうと楽なものですとあっさり。自分色に染めてしまえば、問題も難なくクリアという事ですね~。

今後のことを聞いてみると、ニコニコしながら「クルマは今のままで十分、この状態を維持するだけですね。パーツのストックもそこそこ有るし、無い物は作ってもらいますからまだまだ乗るつもりですよ」とのこと。トレノレビンの原点のクルマを天塩にかけあとは、パーツの耐久性が愛情を遥かに越えて行ってくれることを祈るのみですね!

次に平成6年式の80スープラで登場は、東京のゼフィールさん。とにかくスープラにぞっこんです。スープラ乗り憧れの70と80のスープラを同時期に所有したこともあるほどのスープラフリーク!70乗りの愚息がこれを聴いたら大変なことになりますが、そんなゼフィールさんのこだわりポイントは、トヨタのスポーツカーのフラッグシップであること!そして2JZ-GTEエンジンと日本初のゲドラグ製6速ミッションを搭載していること!

2JZ-GTEエンジンは、2997cc直列6気筒DOHC、ツインターボ。ノーマルでも280psを発揮する最強と呼ばれる高出力エンジン。出力だけなら同じ馬力のエンジンは存在しますが、チューニング次第では1000ps超も可能なため最強のエンジンと言われています。ミッションに関しては、日本初の6速MT、英知を結集したミッションです。その最強エンジンに、ミドルサイズのタービンを装着し推定520psを絞り出しています。タービンを交換したことで、ノーマルで感じたパワーの段付き感が解消、低速から高速まで、トルク感が増しスムーズな加速感を得ることができたそうです。

外装もフロントバンパーは、TRDで3000GTっぽく見せ、残りのエアロはアブフラッグのゼフィールでドレスアップ。ホイールはウエッズにしています。
なんともグラマラスで、スポーツカー然とした80スープラは人を惹きつける魅力に溢れていますね。座った時がまた良いそう。確かにスープラの運転席は、計器類に囲まれコックピット感が高く、それはまるで、戦闘機のコックピットに収まった印象に近いのかもしれないですね。そのことを「車との一体感が強い」という言葉で表現してくださいました。中々、こってりです。

最後に、今後もスープラには乗り続けるつもりのゼフィールさんからこんな言葉をもらいました。「好きなクルマに乗ることで、仕事も頑張れるしリフレッシュもできます。しかし、メーカーでヘリテージプログラムみたいな物を作ってもらえたら、あと10年は長く乗れるんだろうなと思いますね。そういうことをする事で、ひいては自動車文化の活性化にもつながると思うんです。ぜひ考えてもらいたいですね」という言葉をいただきました。

納得!車検を通すのも大変ですよね。クルマ自体は、年を重ねても良いものは良いから、簡単には手放せません。最後まで添い遂げようというオーナーさんでいっぱいなはず。メーカーが良いクルマを作ってしまったが為に、今もこうして人気は衰えずな訳です。いつか何かしら良い手立てが見つかると良いのですがね。

TGRFやメーカーのファン感謝際的なイベントには、こうして貴重なクルマが出没。何気に名所があちこちに出来ちゃいます。一気にたくさんの名車を見られるというのは、なかなかないですね。また機会があれば、駐車場は是非顔を出してみたい場所。取材も非常に楽しかったですよ、みなさん彼女の説明にニコニコなんですもの。早朝の寒さもすっかり忘れた取材でした。ありがとうございました!

(写真 折原弘之)

[ガズー編集部]