GAZOO写真教室 20限目 アングルについて再確認しよう ~クルマをかっこ良く撮りたい!こそっとスキルアップ!~

今回はクルマをかっこ良く撮るアングルについて、もう一度考えてみようと思います。

正面・横・後ろからのアングル

写真1
写真1

まずは皆さんもクルマを買う時に、一番重要視する部分だと思う正面のアングル。写真1のアングルは、クルマの顔の良さを際立たせるアングルです。この角度で一番重要なのは真正面から撮ると言う事です。簡単そうに見えるのですが微妙にズレてしまい、シンメトリーではなくなると台無しになってしまいます。正面から撮るポイントは、赤丸で示した通りミラーとタイヤです。ドアミラーのステイが左右均一であるか、もしくはFタイヤの内側に見えるRタイヤの幅が同一か。この2点がシンメトリーを見極めるポイントです。

写真2
写真2

写真2の真横のアングルは、凹凸の多いクルマの撮影に向いています。例えばプレスラインの多いC-HRやRC Fなどが代表格と言えるでしょうか。真横の撮影のポイントは、タイヤの見え幅です。遠近法が働くので、奥側のタイヤは手前のタイヤの内側に見えてきます。このタイヤの見え幅を揃える事で、真横の位置を決めます。このアングルも、少しズレただけで、なんとなく座りの悪い写真になってしまうので、注意が必要です。

写真3
写真3

写真3のリアビュー、これも正面と同じようにシンメトリーにしなければなりません。ここでのポイントも、ミラーやタイヤの見え方です。外点に注意して、撮影してください。

斜めのアングル

写真4
写真4

正面から真横までの間に、大きく分けて2パターンのアングルが存在します。まずは写真4のアングル。このアングルは9対1から8対2と呼ばれるアングルで、Fタイヤの間にRタイヤが見えるアングルです。個人的には一番好きなアングルで、迫力を演出しながらクルマのフォルムも見えるアングルです。

写真5
写真5

写真5は、7対3から6対4のアングル。FタイヤとRタイヤの間に、奥のタイヤが見えるアングルです。このアングルはクルマ全体のフォルムが分かりやすく、クルマの説明をするのに向いているアングルと言えます。

写真6
写真6

斜めからのアングルで注意したいのが、写真6のアングルです。このアングルは、FタイヤとRタイヤが同一線上にきてしまっています。こうなってしまうと、タイヤが3本しかないように見えてしまい非常に不安定な写真になってしまいます。この点に注意して、斜めのアングルの撮影をしてください。

写真7
写真7
写真8
写真8

写真7、8は斜めアングルのリアバージョンです。このアングルはリアにボリュームのあるクルマに向いているアングルです。撮影時に気をつける点は、基本的には斜め前のアングルと同じです。

写真9
写真9
写真10
写真10

写真9、10はステアリングを切って、ホイールを見せるパターンです。ドレスアップしたクルマや少し動きを出したい時に有効です。ここでの注意点は、ホイールを見せたいからと言ってステアリングを切りすぎない事です。目安としては、切りきった後半周くらいステアリングを戻す程度が良いと思います。

写真11
写真11
写真12
写真12

最後に余談です。全てのデザイナーに共通した話ではありませんが、あるカーデザイナーがデザインを決める最後に写真11、12のようにクルマを置くそうです。そして立った状態(写真11)と、中腰になった状態(写真12)でデザインを確認するそうです。そして、そのアングルから見たクルマがかっこ良ければ世に出すそうです。ですから、ちょっと上から見た、このアングルが一番クルマらしいという言い方もあるようですね。

(写真・テキスト:折原弘之)

折原弘之

F1からさまざまなカテゴリーのモータースポーツ、その他にもあらゆるジャンルで活躍中のフォトグラファー。
作品は、こちらのウェブで公開中。
http://www.hiroyukiorihara.com/

[ガズー編集部]

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