70号車・庄司雄磨選手、最終戦を待たずしてクラブマンシリーズチャンピオンに輝く! ~86/BRZ Race現場レポート~
2015年からプロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズの2クラス制になって開催されているTOYOTA GAZOO Racing 86/ BRZ Race。2018年シーズンは8大会9戦で競われている。9月22日(土)、23日(日)に第8戦となるツインリンクもてぎラウンドが開催され、クラブマンシリーズは最終戦を待たずに歴代4人目となるチャンピオンが誕生した(シリーズ表彰は、最終戦鈴鹿に実施予定)。
新チャンピオンに輝いたのは、70号車・庄司雄磨選手!初戦の鈴鹿サーキットラウンドこそポイントを獲得できなかったものの、第2戦のスポーツランドSUGOラウンドから今回の第8戦まで着実にポイントを積み重ねて来た。特筆すべきは、第3戦のオートポリスラウンド以降の優勝3回、2位3回という圧倒的な強さ。これが最終戦を前にシリーズチャンピオンを奪取した要因だ。
庄司選手は、参加型カテゴリーで経験を積み、スーパー耐久からプロフェッショナルのカテゴリーのSUPER GTにまで参戦している大阪トヨペットのチーム「OTG MOTOR SPORTS」からエントリーしている。チームは、この 86/BRZ Raceのプロフェッショナルシリーズに、服部尚貴選手や吉田広樹選手といった国内外トップカテゴリーでも活躍してきた選手を起用。実績も話題も常に多いチームだ。
庄司選手は、まず「今シーズンは、タイヤも含めて素晴らしいパッケージをチームに用意してもらい、開幕戦の鈴鹿では予選で失敗してしまい結果を残せませんでしたが、第2戦以降からは思うような走りもみせることができチャンピオンを獲得できました。本来なら第8戦のツインリンクもてぎで勝って決めたかったですが、完璧なクルマを用意してもらったチームに感謝しています」とコメント。
では、マシンの差がないワンメイクレースの中で、ここまで圧倒的な強さを見せられた要因はどこにあるのか?聞いてみた。「今シーズンは、途中までプロフェッショナルシリーズと同じモデルのタイヤを履いていました。そこでチームメイトとなる服部選手や吉田選手と走行データを比べることができ、ブレーキの踏み方やクルマの動かし方を勉強できました。服部選手と自分の走り方を比べられる環境は、素晴らしい経験になりました」と。これは、やはりこれまでのチームの経験値、チーム力を感じる。プロドライバーとデータを直接比較することでウィークポイントも分かり、今シーズンの快進撃に繋ったようだ。
現在25歳の庄司選手に、これまでの経歴を聞いてみると、「14歳から18歳までレーシングカートで戦っていましたが、金銭面の問題もあって21歳までモータースポーツ活動は休止していました。その後、吉本大樹選手と出会ってマレーシアで行われていたジュニアフォーミュラのレースを紹介してもらいスポット参戦しました。1週間で5レースも開催される大会で、そこで結果を残せたので吉本選手がOTG MOTOR SPORTSに繋いでくれて、2016年からクラブマンシリーズにスポット参戦させてもらえるようになりました」。決して順風満帆のレーシングドライバー人生を歩んできたわけではないようだ。
また、庄司選手は今シーズンからFIA-F4選手権に参戦しているが、自らがマシンのメンテナンスを行いながらシリーズを戦っている。メカニック兼任のドライバーだ。
「学生のころに二級整備士免許を取りました。メカニックとしてレースに携わったのは昨年のFIA-F4選手権からで、FIA-F4でも86/BRZ Race でもチームメイトの菅波冬悟選手のマシンを担当しました。自分でマシンを触るようになって、よりクルマの構造を理解しながらドライビングしています。ドライバーとメカニックの両立は時間の面などで簡単ではありませんが、現在はFIA-F4のサーキットに入る前と後のメンテナンスを行っています」。
自らでメンテナンスを実施しているFIA-F4選手権では思うような結果を得られていないようだが、このカテゴリーで培ったドライビングテクニックは活かせているといい、二足のわらじは大変かもしれないが、何か得ているものがあるのは確かと言えよう。
若者が金銭面で活動を諦めないといけないシーンは、これまで沢山見て来た。しかし、諦めずにいた時に訪れる“チャンス”を活かすことで、次に繋ることは多い。この業界は小さいけれども、しっかり見ていてくれる熱い人は沢山いるのだ。チャンス…、その時がいつ訪れるかは誰にも分からない。彼は、吉本選手がキーマンになったようだが、今後の活躍に期待がかかるドライバーの一人と言える。
(テキスト:真鍋裕行・大谷幸子 / 写真:真鍋裕行)
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