学生たちと共に、クルマをもっと好きになる/ネッツトヨタ兵庫レーシングチーム vol.2 ~86/BRZ Race現場レポート~

(レポートの続きです)
次に、実際にレースの現場で学んでいる学生さんたちにお話を伺ってみました。86/BRZ Raceは一般の方も参加できるカテゴリーということで、普段わたくしが取材させていただいているSUPER GTやスーパーフォーミュラとは雰囲気が全く違いますが、やっていることは当然同じ。クルマ開発にフィードバックできることもあるだろうし、ドライバーの命を預かっているのも同じですよね。

そんな真剣なシーンの中に、時折スタッフのみんなと笑顔で談笑したりする非常に微笑ましい光景を目にしました。ほのぼのして、しっかり撮り逃してますが、「一緒」という感じがすごーく好感を持てました。そういう雰囲気を作ってあげる事は、スタッフの懐深い、そして有能な部分が出ていると感じます。エンジニアのみなさんやメンテナンスガレージとしてチームのマネージメントに参加しているキムインターナショナルさんたちの努力もあると思います。

具体的に、彼らがここへ来た経緯は、トヨタ神戸自動車大学校の3年生全体にメカニック体験に行きたい学生を募り、今回は希望者が多かったとの事で、抽選で選ばれた方がお二人現場にいらしたそうです。もうね、息子目線でしか彼らを見られなくて、我が家の愚息にどうだった?と、心配しすぎて過干渉なお母さん丸出しでお話させていただきました。

●金沢淳司くん
――― まず体験を終えてどうでしたか?

金沢:
サーキットに来た時は、実際のレースに関わるという事で非常に緊張しましたが、優しいエンジニアの方たちからさまざまな作業を教えてもらったので、楽しかったです。

―― SUPER GTではなく、このカテゴリーにした理由は

金沢:
SUPER GTはかっこいいのですが、普段関わっているクルマとは、若干かけ離れているのと、きっとレーシングカーは技術力が問われるのかなと思ったので、身近なこちらのクルマかなと思いました。また、このカテゴリーは6日間という長いスパンで参加させていただくので、より学べるというのが魅力でした。それと、販売店の方がスタッフとして居るので、お話を聞く事が出来るのかなと思って、それがこれからのヒントになると思い希望しました。

―― こどもの頃から、やっぱりクルマが好きでしたか?

金沢:
幼稚園の頃はF1レーサーになりたいと思っていました。その後、SUPER GTでは脇阪寿一さんとかテレビで見ていたので、そこからハコ車に興味が移り、クルマを作りたいと思うようになりこの学校へ入学しました。将来は、クルマの開発をしたいです!

●大城正雄くん
――― 体験を終えてどうでしたか?

大城:
沖縄生まれでモータースポーツに関わる機会がなく、生まれて初めてサーキットに来たのですが、本当のレースに携われるのがうれしかったです。貴重な体験をさせていただきました。SUPER GTとかフォーミュラに行っている学生もいますが、クルマに関する企業の秘密が多い分、クルマに触ることできないので、こちらのカテゴリーなら普段やっていることに、より近いと思い参加しました。トップカテゴリーは、それはそれで作業を間近で見られるという魅力は当然あると思うのですが、自分はクルマに触りたいという気持ちの方が強かったですね。

このカリキュラムは、学校で習う教科書ベースの基本の事も大事ですが、それを実践でいかに活かせるかがカギで、作業の時に習った事が出て来なくて…。でも、この現場であらゆる事を体験できました。自分の引き出しの少なさにも気づき、学校では学べないことが沢山あるんだなとも思いました。早くみなさんのようにスムーズに動くことが出来たらいいなあと思いますね。しかし、参加して一番に思ったのは、ドライバーさんの命を預かっている事と、ドライバーさんに気持ち良く乗ってもらうのは、自分などメカニックのスキルにかかっているという事でしたね。
――― 将来の夢は何ですか?
大城:
こどもの頃、機械を触るのが好きだったので、航空整備士になると思っていたのですが、身近で触れるものが良いと思いクルマに興味を持ち始めました。お金を稼ぐことでクルマを触るより、違うカタチで携わりたく、整備士を目指しこの学校に入学しました。高3でギリギリの時に、友だちがこの学校のパンフレットを持っていて、ビビッと来て最後のオープンキャンパスに行って決めました。将来は、いつか沖縄でモータースポーツを広めたいと思っています。その為に、良い経験の一つになったと思います。

将来有望な若者たちは、とても大人でしたね。自分が同じ学生時代は、こんなにしっかりしていたかしらと思いながらお話を伺いました。既にお二人は、将来のビジョンが見えているみたいです!ありがとうございました!

まず自分たちがクルマの魅力を理解しないといけない、あらためてクルマと向き合うことをモータースポーツから見出したネッツトヨタ兵庫レーシングチーム。学生さんたちと、思い描くものを共有していく事は、素敵ですね。このカテゴリーの盛り上がりは、ますます加速しちゃいますよ。もっともっとご自身たちでモータースポーツ、楽しんでください!

お話を伺うたびに、いちいち言葉の一つ一つに感激したレースウィーク。生の言葉を現場で聞くと響きますね。伝えるこちらも頑張らなくてはいけませんね。そんな自分もパワーをもらう現場でした。また必ずお邪魔しますね!ありがとうございました!

(写真:折原弘之・大谷幸子 / テキスト:大谷幸子)

[ガズー編集部]

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