助っ人大活躍と固唾を吞んで見守った名勝負 ~SUPER GT開幕戦岡山~

スーパーフォーミュラに引き続き、トップカテゴリーが開幕!スーパーGT開幕戦に行って参りました。若さ爆発は、スーパーフォーミュラ同様こちらでも盛り上がっておりますが、予選決勝と驚愕な戦いが展開されました。では、振り返ります。



〇設営日

設営日から晴渡り気持ち良いレースウィークとなりました。トランスポーターにバラエティな車種。じっくり見て回る時間のあるのが設営日。少し寒いかなというのは、気にせいにしましたが、日が落ちてから一気に冷えました。何年サーキットに通ってるんだか。学習しなさいと毎回思います。記念撮影なども開幕らしい光景です。

ゼッケン「1」STANLEY NSX-GT、チャンピオンカーのエントリー、本当に残念です。闘病中の牧野任祐選手は欠場。かわりに武藤英紀選手が走ります。武藤選手にも頑張って欲しいですし、エース山本尚貴選手も二人で昨年獲ったという思いを常にお持ちのようで、一番せつなく思っていることと思います。早期の回復を心から祈っておりますよ。知っているドライバーさんだけにかわいそうでね…。タダスケお大事に。

向かって左が山本尚貴選手。信念の通ったドライバーさんで、走りに気持ちが宿っていてクルマに勢いがあります。きっと同意してくださる方多いかと。決勝の追い上げが見事過ぎました。やっぱりホンダさん速い。たまたま予選は気温が…かな。

そして、そのお隣が先輩で仲良しの伊沢拓也選手ですね。いつもいろんな方と話しているイメージの伊沢選手。わたしも設営日によくお話をさせていただいております。原稿の下に生まれた年度別にドライバーさんを並べてみたら、そうか伊沢くんはもう大先輩なんだなと。お若く見えるけど慕われる立場なのかと思いました。なかなかお目にかかれなかったので、久しぶりにお話をしました。今季もよろしくお願いします!

気合が入っています!の39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra。ピット裏の脇阪寿一監督と中山雄一選手ですね。寿一監督のSNSの盛り上げもすごかったです。ヘイキ・コバライネン選手の手応えを感じているというコメントもあちこちで拝見しましたよ。昨年の一勝は大きいね。そこからのチームの結束を見届け中。今季もよろしくお願いします!決勝、4位フィニッシュと表彰台圏内にいたので満足してないかもしれないけど、幸先の良いスタートだと思っています。



〇予選

予選、GT500クラス、GRスープラが上位を占めました。想定の気温よりも上がったので、持ち込んだタイヤに「分」があったのがトヨタBS勢。

もっと低かったらホンダ勢が占めたのでは?という予選後のお話。タイヤメーカーがそれぞれ違うけどね。予選日午前の練習走行では、8号車のARTA NSX-GTがトップタイムでした。午後たしかにぽかぽかだったかもね。繊細なタイヤということですね。

TCDさんエンジン頑張った説。これは開発陣がんばったということで、昨年タイトル獲れていないとなると、そりゃリベンジするに決まっていますどのメーカーもね。トヨタは三味線弾いてたんかい!とおっしゃる方も当然いました。確かにあれだけGRスープラが前にいるとね。ちょっと~になる気持ちもわかる。ただ、すべてテストで見せる必要そもそもあるのかという。それが技術の戦いかなとも思ったりしますね~。開幕してみたら、速い!というのはこれまでも沢山あるので。

ドライバーの技量というのはもちろん大きな要素です。今回は、37号車KeePer TOM'S GR Supraのお二人大健闘です。しかも、阪口晴南選手はGT500クラスは、レギュラードライバではありませんが充分すぎるフォローです。Q2でポールになった瞬間の平川亮選手の笑顔は貴重でした。思わず見入って撮り忘れました(笑)。クールな彼があんなに笑顔になるんだと。小枝正樹エンジニアももちろん驚いていました。

「Q1をトップタイムでかえって来て、代役に渡す」→昨年の最終戦の流れと同じ。代役さんへのプレッシャーハンパないです。セッションの合間にピットで見ていましたが、同じピットで36号車坪井翔選手と同時にピットを行ったり来たり。見ようによっては、緊張しているように見えるのかもしれませんが、わたしがドキドキしていましたね(笑)。彼らは、平気だったのかも。とにかく素晴らしい予選でした。



〇決勝日

オープニングセレモニーがあって、ドライバーさんスタッフさんずらり。シャキッとしますね。クルマ並べて始まるよ~みんな並んで~の画。

予選2位に14号車ENEOS X PRIME GR Supraが来た時点、かつ山下健太選手が狙ってますと予選後のつぶやきをツイッターで見たとき、また、イメージ的に阪口選手は代役さんということを考えると、14号車は手強いだろうと思いました。でも!阪口選手、スタートドライバーになったのですが、しっかりトップでピットに戻りましたね。予選に続き充分な走りをしてくれました。やっぱりスゴイしかなかった。

ピットの混乱は、アクシデント発生→SC入る前にピットへGO→ピット大渋滞→順位変動。これはあの時点でピットに向かうのはセオリーだし、狭いサーキット仕方ないですね。37号車の状況はニュースサイトを見てくださいませ。レース後、個々に話を聞いてまわりましたが、同じことが記載されていました。細かな点まで伝えてくれていましたね。自分のピットを通りすぎたクルマがあって、大混乱だった様子。レースあるあるです。

昨年まで練習をしていたFCYが導入されていればとやはり思うのですが、あれはどうなったんだろう。SCランではなくレースが観たいので、もったいないなと素直に思いますね。

  • これよく捉えましたね~。果敢に挑んだ坪井翔選手

そして、また録画したレースを見直してみて、たらればだけど14号車をあと少し待てば36号車au TOM'S GR Supraの方がタイヤも大丈夫そうでしたので抜けたかもですね。36はコースオフしてから最後の追い上げもすごかったですしね。14ペースダウン。離れたからかな?辛かったようだしね。

今回はヤマケンに軍配があがりました。すぐ後ろに36ですね。良いもの見せていただきました。2019年チャンピオンコンビは侮れませんね。36号車の関口雄飛選手もだけど、勝ちたい!という気迫が伝ってくるレースウィークでした。みんなそうなんだけどね!

GT300クラスは、56号車リアライズ日産自動車大学校 GT-Rが優勝を飾りました。安定というか強さしか感じません。GT-Rは、お兄さんクラスが苦戦していますから、その分がんばりました。今季も怖いぞココ。

とにかく、次戦からは、今季、名前の呼び方は変わったサクセスウェイトの戦いが続きますね。昨年と違って、国内を転戦しますので、クラス1の新しい車両が2シーズン目にして初めてのサーキットと出会います。経験のないサーキット、菅生やオートポリスがそれにあたりますので、それはそれでおもしろい戦いが待っていると思いますので、楽しみです!



〇おまけ、トップアスリートの年齢

今季は、F1の角田裕毅選手だけではなく、日本のモータースポーツも若さ炸裂です。うれしい限りで毎回年齢を調べるんだったらと表にしました。こちらのカテゴリー、人数が100人弱と多いので、GT500クラスと世界で戦う日本人とGTゆかりの人をピックアップしました。


2000年角田裕毅選手(F1)
1999年阪口晴南選手 宮田莉朋選手 サッシャ・フェネストラズ選手
1998年大湯都史樹選手 
1997年牧野任祐選手 福住仁嶺選手
1996年笹原右京選手
1995年山下健太選手 坪井翔選手
1994年平川亮選手 大津弘樹選手 ニック・キャシディ選手(FE)
1993年松下信治選手 高星明誠選手
1992年平峰一貴選手 
1991年中山雄一選手 佐々木大樹選手
1990年国本雄資選手
1989年野尻智紀選手
1988年山本尚貴選手
1987年大嶋和也選手 関口雄飛選手
1986年平手晃平選手 千代勝正選手 塚越広大選手 ベルトラン・バゲット選手 小林可夢偉選手(WEC)
1985年中嶋一貴選手(WEC)
1984年伊沢拓也選手
1982年ロイック・デュバル選手(2020DTM)
1981年石浦宏明選手 ヘイキ・コバライネン選手 アンドレ・ロッテラー選手(FE)
1980年ジェンソン・バトン選手
1979年松田次生選手 ロニー・クインタレッリ選手
1976年ブノワ・トレルイエ選手(引退?)
1975年立川祐路選手
1973年道上龍選手
1972年脇阪寿一監督
1971年本山哲選手

懐かしい人も入れてみましたよ。ブノワ・トレルイエ選手、日本を離れてだいぶ経ちますが、もう現役は退いたかな?GT-Rと言えば、本山哲選手と彼、ベンちゃんの黄金時代があったなと。あ!今季現役復帰の本山選手も表に入れておかなくちゃ。当時の3メーカーの雄もね。

  • グリッドにて 大ベテラン本山哲選手と1979年生まれの3選手、向かって左から片岡龍也選手、柳田真孝選手、松浦孝亮選手です

スーパーGTは、若手だけではなくベテランも大活躍をしています。レース運びのうまさは、経験がモノを言うのは確かですが、研ぎ澄まされた速さは20代のドライバー同様に必要となりますので、感覚や体力などキープされていることに注目ですよね。素晴らしいの一言しかないです。頑張ってください!

という訳で、無事にスタートした今季開幕戦レポートでした。長くてごめん。

(写真 折原弘之、大谷幸子 テキスト 大谷幸子)

[ガズー編集部]

コラムトップ

MORIZO on the Road