ルーキー大活躍と人との対話!

春の3連戦、スーパーフォーミュラが第3戦までを終了しました。

第2戦鈴鹿ラウンドは、Hondaさんのホーム。今季絶好調のホンダ野尻智紀選手が、開幕戦に続き2連勝、第3戦オートポリスラウンドは悪天候の中でトヨタ勢のジュリア―ノ・アレジ選手が優勝。代役参戦という言葉が今季はあちこちで使用され戸惑いますが、そのドライブするチャンスをきっちり活かし存在をアピールしました。
それぞれのラウンドを振り返ります。

第2戦

鈴鹿大会は、Honda福住仁嶺選手がポールポジション。とうとう来たか!と。速さを魅せつつも、昨年はシーズン後半から、もともと速さを持ったドライバーでしたが、ますます頭角を現しました。今季はオフシーズンテストでもその勢いのまま上位に必ずと言って良いほど顔を出し、タイトル候補に挙げたくなる走りを披露。シーズン前のご結婚で、今季は奮起!とまさにその言葉通りの活躍を今から予想しています。

決勝でのタイヤのバースト、残念でした。国本雄資選手も同様のトラブルでクラッシュ。怪我がなくて良かった。2台とも右リアタイヤがバーストしました。グリップを得たい、ぎりぎりまで内圧を攻めたということでしょう。

鈴鹿はそんなクラッシュもありまして、ポールの福住選手がリタイア、野尻選手が優勝。2位にトヨタ平川亮選手、4位に関口雄飛選手と復調の関口選手の上位入賞に安堵しました。

この鈴鹿大会のポイントは、チームインパルが2台共に速かったことでしょう。一台だけがレージに入っている姿が気になっていました。でも、次のオートポリスもグリッドは良い位置だったので、心配なさそう。あとは2台で突っ走るだけですね。

第3戦

オートポリス大会は、予選3位になったトヨタ阪口晴南選手がこれが実力だと思ってはいないと会見で話していました。今回は、ピット位置が大きく予選に影響しましたから、これは運もあったとは思います。でも今のルーキーたちは、レベルが高いと思うので、謙遜にも現実的な言葉にも両方に聞こえます。

オートポリス予選日は、豪雨と霧のマックスの最悪なコンディションでした。午後はきっと予選できないかもねえと朝から、いや現地入りした金曜日から話していました。ですから、午前のフリー走行から予選さながらの真剣アタックです。当然ですね。それが予選結果に置き換えられることも考えられますからね。

そのフリー走行のタイムに興味を惹かれながらも、セッション中に午後の予選は40分のアタックの計時方式に変わったことがアナウンスされました。

ドライバーさんが雨の水煙の中で、満足してアタックするには、ストレート一本分くらい前と距離をあけないと無理だそうです。それだけ間合いを取るとトラフィックも起こる。そのうちスピンなどで赤旗が出ると、後方のピット位置のクルマはアタックできないうちにセッションが終わる…。先頭のピットが一番有利となるわけですが、このピット位置は昨年の戦績順ですので、それはもう如何ともしがたいわけです。平等といえば平等ですね。今回は、悪天候だったので、顕著に有利に働いたことになります。

視界が開けたジュリアーノ・アレジ選手は活き活きアタック。チームで予選ワンツーとなりました。予選トップ3記者会見でも喜びを隠しきれないアレジ選手。日本語を話すととてもかわいらしい雰囲気になるんですよね。有利不利、それより代役参戦をものにしたアレジ選手に拍手を送りましょう。

翌日の決勝日、他のカテゴリーのレース、SFのフリー走行のセッションのキャンセルが相次ぎました。シャワーのような雨が突然降るサーキット、雨があがれば霧。見に来られているファンの方もかわいそうですが、こればかりはコントロールできない。加えて今年もコロナ禍。ファンサービスもままならないですよね。運営される側にも同情しちゃいます。お客様へレースを見せたいという思いは、強かったはずです。

お昼過ぎにSFLのレースが実施され、SFもグリッドウォークの時間には、雨が止みました。どうにかもって、スタートまでの時間、コース脇にもグリッドウォーク同様に入れた方々もいて(チケットを購入された方だと思います、システムわかってなくてごめんなさい)、間近でお写真を撮られていて、それは良かったのではないでしょうか。表彰式も雨が上がったまま行われました。

決勝は、スタートで混乱。トヨタ勢が身内で接触(38号車と20号車)してもったいないリタイア。これは残念でした。天候が悪化したため、赤旗。そのままレース終了となりました。阪口晴南選手がアレジ選手優勝に続き、2位表彰台。チェッカー直後は3位でしたが、2位のドライバーさんにペナルティが出たので、繰り上げです。彼にもぜひみなさん注目欲しいですね。育成プログラム出身ではないところが、先輩の平川亮選手と一緒。有望なドライバーをきっちりハンティングした方々に感謝だわ。

彼を担当する田中耕太郎エンジニアがいつも楽しそうに仕事してます。他が楽しくないとか揚げ足取らないでね。のびのびやらせる田中エンジニアは、わたしも大好き。以前、若手が間違った考えを言ってきても(その時はメカニックの話だったよ)、一回やらせてみるとおっしゃっていました。それが経験となるから。ダメだと言われても、やってみてダメな経験をした方が本人がますます太い考えを持つ巧者となると私も思っています。

レースの内容は置いといて、悪天候でスケジュールがディレイの午前中のピットまわりはとても有意義でした。せっかくスタッフが手を止められる時間があるのなら…と、いつもピット周りをしていますが、話そうという視点で周ってみました。許可を得ているピットだけね、もちろん。

ありがたい話です、私など相手してくれるなんてね。日本のレース界を支える方々とお話ができるのは幸せ。いつも書けない話ばかりですけど(笑)。話すことは自分の財産。コロナ禍ですので、ご迷惑をおかけしないようにし、現場取材をして行きたいと思います。

現場が3か月続きましたので、レースモードなコラム、長くなったのでこの辺で!

(写真 折原弘之 大谷幸子、テキスト 大谷幸子)

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