最終戦は、NSX仁義なき戦い そしてGT-Rラストラン

GRスープラ勢はホームコースですから勝つ!しかないね。という訳で今季2度目のもてぎラウンドが終わり、今シーズンも残り1戦、最終戦富士の大舞台を残すのみとなりました。1年が早いね。

第7戦振り返り

第7戦は、19号車WedsSport ADVAN GR Supraと8号車ARTA NSX-GTが来る、あと当然ウェイトが軽いクルマ、そしてしっかりチャンピオンがシングルフィニッシュするでしょう!これくらいを何となく予想してましたが、波乱が起きたようです。

その前に3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-R、ごめんなさい…。イエローが出ていたときに39号車に後ろから追突され勝負権を失ってしまいました。

19号車、GRスープラ勢が苦戦の中、頑張りました。予選、ヨコハマタイヤを履きポールポジション獲得です!おめでとうございます。速かったね。テストでも良いタイムを出していたとのことで、開発陣もさぞかし喜ばしいことでしょう。3回目のポールです。

予選ではブリヂストンタイヤ勢が苦しい展開、決勝では明暗が分かれウェイトが軽いクルマは上位にしっかり来ましたね。チャンピオンカーは、テレビ東京系GTプラスの放送でクローズアップしておりましたので、そこで予想外に苦しんでいたことを知りました。

チェッカー後、目の前を歩いて行くチャンピオン山本尚貴選手の厳しい表情を写真におさめましたが、そういうことだったのですね。タイヤ交換でミスがあり(書きたくないけど)、あともろもろ燃費重視で走行されていたようです。

全般のレース展開はもうご存じだと思うので…。その結果、最終戦の富士では、上位3台のNSXがタイトル(ドライバーチャンピオン)有力候補となりました。

1位 1号車 山本尚貴選手 60 pt
2位 1号車 牧野任祐選手(開幕戦欠場) 57 pt
3位 8号車 野尻智紀選手、福住仁嶺選手 55 pt
4位 17号車 塚越広大選手、ベルトラン・バゲット選手 52 pt
5位 36号車 関口雄飛選手、坪井翔選手 44 pt
6位 12号車 平峰一貴選手、松下信治選手 43 pt
7位 14号車 大嶋和也選手、山下健太選手 40 pt
8位 23号車 松田次生選手、ロニー・クインタレッリ選手 37 pt
9位 19号車 国本雄資選手、宮田莉朋選手 36 pt
10位 3号車 平手晃平選手、千代勝正選手 36 pt
  • GRスープラ勢最上位36号車au TOM'S GR Supra

気づけばこのようなラインナップ。4位以下は、上位3台がリタイアした場合に可能性が出て来るということですね。ここは不幸を期待するのは良くないので、まず上位3台に絞られたということで考えます。もちろん可能性がゼロではないならば最後まで諦めないことは言うまでもないですけどね。

2連勝と勢いに乗る8号車が、ランキングトップから5ポイント差で射手圏内に一気に浮上。第2戦では2番グリッドからトップを走行中、ペナルティにより優勝を逃し、第6戦の菅生ではポールポジション、トップ走行中のペナルティから更にペナルティを乗り越えての今回2連勝です。2回優勝を逃し2連勝ってどんだけ?

そしてSUPER GTで2連勝はかなり稀ですね。終盤トップ走行中の12号車カルソニック IMPUL GT-Rがガス欠になったことで転がり込んだ勝利ということからなのか、真の勝者ではないかもしれない…という言葉で野尻選手がツイートしておりました。このラウンド、勝ったクルマは更に実力があった訳ですよ。お互いが取った戦略の上で、こう言った結果が出たのですからね。

  • 福住仁嶺選手と抱き合う野尻智紀選手

シーズン後半、スーパーフォーミュラのタイトルを獲ってから、いや前からかもしれませんが、野尻選手とても落ち着いています。チームを率いる牽引力が言葉の隅々に感じられ、感心していまいます。大人だなあと。ベテランの域…。

チームメイトの福住仁嶺選手も、スーパーフォーミュラで勝利を遂げ、顔つきが変わった?変わってない?背負うものを感じているのかなと思います。チーム全体が第6戦の勝利は手放しで喜ばず、さらに成長を遂げ第7戦の勝利…いう感じがしますね。チームのメンバーと話しましたが。

前戦の時は、笑顔も当然あったにせよ、その前の菅生でぶっちぎりに速さがあったのにミスがミスを生むという波乱から優勝間違いなしの状況からどん底に突き落とされ、だからこそまずは取り戻す…という空気を感じましたね。あっ勝手に感じました(笑)。安堵という言葉が適切かな。

取り戻すと言っても容易ではありません。それがSUPER GT。サクセスウェイトにサーキット、天候など全てが変わってしまいます。そこから今回は運も見方につけての2連勝は、ただただ拍手。かなりタイトルの可能性を引き寄せましたね。

そして、ランキング3番手の17号車Astemo NSX-GT。こちらも速い。私ずっと思っていますが良い意味で要注意のクルマです。昨年と今年、富士で優勝しています。個人的に強烈なイメージなんですよね~富士が速いというのが。大注目。タイトル獲ればチームは初戴冠ですね。

チャンピオンカー1号車STANLEY NSX-GTは、こちらはもう何も言うことないです。受けて立つ!という態勢でしょう。だからこそ、これまで連覇して来たわけですからね。NSX3台による戦いは、楽しみでしかありません。GRスープラ勢、GT-R勢も最後まで立派に戦ってくれることでしょう。

GT-Rラストラン!

  • 23号車MOTUL AUTECH GT-R

そして、原稿を書いている途中で速報です!ニスモさんから、来季の参戦車両の変更がアナウンスされました。GT-Rは来季参戦しないということで今季で終しまい…。ということは、最終戦富士の最終戦がラストランです。

タイトルからここんとこ遠のいている日産勢。でもでも、SUPER GTに君臨して来たGT-Rは、このカテゴリーを大いに盛り上げてくれました。最後の雄姿は、GTファンとして見逃せませんね。ぜひ、ご都合がつけば富士スピードウェイまでお越しになっていただきたいです。GT300クラスの星野一樹選手は勇退を発表していますし、いろいろ感慨深い最終戦になりそうです。

緊急事態宣言が解除になった今、これまで我慢していたみなさん!もちろん感染には充分気をつけて楽しんでいただきたいなと思っております!

では、また!

(写真、折原弘之 大谷幸子 テキスト 大谷幸子)

[ガズー編集部]

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