仲間未満、仲間以上… ~SUPER GT 第5戦菅生~

毎戦、レース側面を自分なりに追い求めておりますが、ほんとキツイ。ズボンがスカートが…は置いといて、これがね、いろいろきつかった。レースにトラブルはつきものですが、どんなに頑張っていてもハプニングは起こるもの。せつないことと、もちろん笑顔もいっぱいありましたけどね~。トピックを3つ振り返りますね。GRスープラ陣営は、TGRコラムの方でよろしくお願いします!

監督の為に

  • カルソニック IMPUL GT-R 平峰 一貴選手、松下 信治選手

    カルソニック IMPUL GT-R 平峰 一貴選手、松下 信治選手

12号車カルソニック IMPUL GT-R、5年ぶりの優勝でした!おめでとうございます!前戦で、GT-R勢が表彰台を独占。4台戦っているうちの3台がポディウムに乗り、1台だけ残念な思いをしなくてはいけないその一台となったこのクルマ。悔しさは尋常ではなかったようです。私が同じ立場なら泣くわ。その姿も鈴鹿で見ておりました。キツイなと思ってみておりました(弱っ)。勝者は、もちろん200%称えています。が、母性の塊だから悲しんでいるコの方に目が行ってしまってね。

大きなリベンジで優勝を遂げましたね。闘将と称されることも多い星野一義監督。怖いイメージがあるかもしれませんが、とても気さくで繊細で何事もドライバーファースト。お話すると自身を臆病と語ることも多いですね。ご自宅には、レース関係のものを一切おかないと以前話してましたしね。

勝利を心から喜んでいました。いつもGTはちょっと難しいなあと、まるであきらめにも似た言葉を良く吐く星野監督。本心ではないかもしれませんが、そんなことをおっしゃらずに…と思うのです。スタッフ、メカさんも懇意にさせていただいている方もいるので、こちらのピットは立ち寄り処です。

平峰一貴選手が昨年、松下信治選手は今季日産陣営のこちらのチームインパルに加入しました。インパルのイメージが何か変わったように思いました。平峰選手は10代の頃に、松下選手は、一昨年までF2を走っていて優勝したこともあるドライバーさんで、お二人とも海外経験がありノリが良い。平峰選手とは、何がきっかけか忘れたのですが、よくお話させていただくんですよね。彼は、星野監督が好きな元気でアグレッシブなタイプのドライバー。松下選手もそうですね。平峰選手、今回、アウトラップで後続を抑えきりましたよね?頑張ったなあ…。素晴らしかったです。

松下選手はダイナミックなイメージ。果敢に攻めかっこいい。前半のスティントもそうでした。さすが世界での経験が豊富だなと思わせる戦いぶり。日産陣営に新風を吹き込んだイメージが、この2人には沸きますね。

優勝記者会見で、インパルの熱いファンは離れないと平峰選手。だからこそ、勝って恩返しがしたい、監督を喜ばせたいと話していました。またこれまでGT300クラスでお世話になった方にも御礼が言いたいと。こういうコ(失礼)は、感謝を忘れないドライバーはちゃんと業界に長く残れますね。そう思います。日産ワークスドライバーですよ。頑張れしかないです。

インパルさん、星野監督の方向をみんなが向いていて統制が取れてる男気チーム。勝負事、そして男の世界なので、考え方が柔なわたしには、見えてないことは沢山あるかもしれません。でも、勝利も何か全て星野さんのもの的な感じが、昔っから好きですね。ファンのみなさんも同じ方向向いてるよね?引き続き頑張ってくださいませ!

大クラッシュ

  • GT300クラス6号車 Team LeMans Audi R8 LMS

    GT300クラス6号車 Team LeMans Audi R8 LMS

予選日の朝の練習走行時にGT300クラス6号車 Team LeMans Audi R8 LMSが大クラッシュ。それ自体はレースあるある。ドライバーの本山哲選手が無事でまずは安堵でしたが。そして、このクルマの修復はどうするんだろう?と…。予選の出走は無理だろうなあと誰もがわかる少々見た目派手なクラッシュだったんです。

ピットに向かって、マネージャーさんからお話を聞くと、予選は無理だけど、シード権を持っているので、決勝は走ることができるという事でした。レースメカニックは寝ないで直しちゃうよね。スポンサーいただいている企業さま、また自分たちの為に走るのは前提でエントリーしてますし何よりメカニックだってプロだし。でも結構派手に…。

Team LeMans w/MOTOYAMA Racing6号車とAudi Team Hitotsuyama21号車。車両メンテナンスは、チームルマン。さて朝までに終わるのかなと思いつつ、自分はルーティンの仕事に追われて立ち去りました。

翌朝、メディアセンターへ出勤した際に、パドックの端に車検場があるのですが、そこで車検を受けている6号車を発見。車検場は撮影不可ですので、ピットに戻るタイミングを待ちました。みんなに声をかけると、午前3時半までかかって修復し2時間半ほど睡眠を取ったとのこと。さすがすぎる。そうだとは思ってましたが本当にタフな人たち。21号車のHitotsuyamaレーシングさんの多大なご協力もあったそうです。超ベテランメカさんもいますしね。

撤収時、ピットへ行ったらまだ残ってらして雑談。今回のレースでトラックエンジニア初デビューをしたKくんは、初レースがとんでもないことになり忘れられないレースとなったと言って来ました。へー、トラックエンジニアか~と、無事にレースが終わったこともあり急にそっちに興味が向きました。若いエンジニアを増やさないとこの先大変だと勝手に業界の心配をしているので…。

その新人エンジニアは、先生が本山哲選手とのこと。経験値から言ったら、もう本山さんは申し分ない。彼から沢山の事を吸収して精進して欲しいと思ったしだい。

チームは、工場長以下、かつてトヨタ、LEXUS陣営で一緒にSUPER GTを戦った仲間。あ、いや仲間は失礼だな。見守ってきた人たちです。参戦するクラスは変わりましたが、いつもピットは立ち寄り処。愉快なスタッフたちの元気な姿を見られるのはうれしいもの。また頑張ってくださいね。

衝撃

  • 8号車ARTA NSX

    8号車ARTA NSX

最後に8号車ARTA NSXについて。こちらは、ピット作業のミスから連鎖しその後悪い流れとなってしまいました。いろんな事が起こったけれど、とやかく言うつもりはなく前を向いているので終しまい(笑)。次のレースに期待してますからね。頑張っている姿はずっと見ているので、何が起こっても応援し続けます!

今回、ハプニングの連続に元気を失いそうでした。同じステージでは戦えないので、仲間ではないけれど、仲間以上の頑張れを外野から送ります。凹んでいる友人を見たら自分が元気をなくしてどうする!と、青春チックな感じで帰還。モータースポーツから刺激をもらいつつ、自分も頑張るのみ!ですね!美しい蔵王の夕焼けと共にでは、また!

(写真 折原弘之 大谷幸子、テキスト 大谷幸子)

[ガズー編集部]

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