スーパーフォーミュラ/スーパーフォーミュラ・ライツ開幕! ~SFL4台体制のトムスをご紹介~

  • 写真:トヨタ自動車

スーパーフォーミュラと併催されるカテゴリー、スーパーフォーミュラ・ライツ。いまさらながら過去には、全日本F3選手権、F3と呼んでいましたが2020年より選手権の名前が変わりました。

スーパーフォーミュラ・ライツ トムスの4台体制をご紹介

今でも私このF3のクセが抜けないのですが、トップカテゴリーに沢山のドライバーが羽ばたいて行きまして、若者がしのぎを削る大好きなカテゴリーであります。

そのカテゴリーの中で過去にたくさんのトップドライバーを輩出しているトムス。日本のトップカテゴリー、SUPER GT、スーパーフォーミュラでもトップチームとして君臨しておりますが、少々ご紹介を。

大ベテランも含め現役ドライバーでトムスのフォーミュラ・ライツ(F3)出身の方は、沢山いらっしゃいます。引退しちゃった方ももちろん沢山いますが、世界を見渡して名前を並べると、まずこの方は引退されましたが昨年までバリバリの現役でしたので、お名前を挙げておきます、中嶋一貴TGR-E副会長ですね。そして、WRCの勝田貴元選手! Formula Eニック・キャシディ選手。国内トップカテゴリーで未だ健在なのは、メーカー育成ドライバー(旧TDP、現TGR-D)初代の平中克幸選手、片岡龍也選手のお二人をはじめJ・P・デ・オリベイラ、石浦宏明、大嶋和也、国本雄資、中山雄一、山下健太、坪井翔、宮田莉朋、ジュリアーノ・アレジの9選手。ちょっと別の路線で頑張っていらっしゃる山本左近参議院議員もそうです。F1ドライバーになった方もいますが、実力派ドライバーさんを育てました。

いまや、フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピ オンシップ(昨年参戦)も入れて最大4カテゴリーと大所帯。昨年は大変だったのではないかと。今季は、久しぶりにスーパーフォーミュラ・ライツが4台体制になりましてね。2004年を思い出しました。4台体制を何十年も前とおっしゃる山田淳監督ですが、わたくし覚えてますよ(笑)。

  • 向かって左下段の4人がトムス (写真 トヨタ自動車)

写真の順で行くと、山本左近、リチャード・アンティヌッチ、中嶋一貴、番場琢の4台体制でした。速い外国人選手を見つけてくるのも得意なチームでね。それと国内育成ドライバーを預かる立場。また、トムスで乗りたいというドライバーを引き受け、チームメイト同士とは言え、若者同士がバチバチに戦ってステップアップしていくのが見ていて楽しいのです。特に悔しがるコは、伸びる…と勝手に思っていて、3台体制の多いこちらのチームですが、速いドライバーに闘志を燃やして引っ張られ伸びていくのをこれまでも遠くからですが眺めて来ました。

近年は、ライバルチームもますます強力なドライバーラインナップを揃え、本当にトップカテゴリーと変わらずレベルの高いカテゴリーになりました。昔が簡単という訳ではないですよ。メーカー同士の戦いもありますしね。このカテゴリーもトヨタ、ホンダ、日産の三つ巴です。シリーズ18戦の戦いの行方を、トップフォーミュラを追いかけながら今季も見て行きたいと思っています。

トムスのドライバーさんの名前は簡単に頭に入ります。すでにデビューしているドライバーが3人おりますので。しかしカーナンバーと紐付けるとなると、開幕したばかりだからでしょうかということでなかなか…(汗)。いやもう大丈夫頭に入りました。まずは4人のドライバーの今季の抱負を、先月の鈴鹿公式テストと開幕戦で伺って来ましたのでどうぞ。キャリア順に並べましたので。

小高一斗選手/37号車 Kuo モビリティ中京 TOM’S 320

  • 小高一斗選手

    小高一斗選手

小高一斗選手
「昨年は、スーパーフォーミュラに代役参戦をしていたので、こちらはほとんど出ておりませんが、このカテゴリーは実質4年目となります。今季の目標はチャンピオンを獲得するしかないんです。昨年も走っているチームメイトが速いのですが、4人で良いクルマを作って行ってタイトルを獲得したいですね。自分が一番このカテゴリー長いですが、彼らから学ぶことももちろんあると思うので、そういう意味でこの4台の良さを引き出して頑張りたいです。」

大谷
「初戦を終えていかがでしたか?」

小高一斗選手
「タイヤのセット数が2セットに変わった今季。このタイヤのチョイスによる戦略の差が胆ですね。1大会3レースありますので、2セットの運用とスーパーフォーミュラが終わったあとのコースコンディションも考えないといけません。自分でタイヤを選択するのですが、思った以上に、その戦略の差が出た開幕戦となりました。」

平良 響選手/38号車 Kuo モビリティ中京 TOM’S 320

  • 平良 響選手

    平良 響選手

平良響選手
「目標は、チャンピオンです。チームメイト全員がそう思っているはずです。勝負です。
昨年の結果は、残念しかないです。予選で前に行けないのが悔しかったですね。決勝で追い上げるのは、レースを経験するごとに自分の中でわかって来た気がします。今年は、クルマを大きく変えてもらいましたので、いろいろ改善できると思っています。プライベートテストでは感触が良かったので問題ないと思っています。ドライビング的には、1年目はダウンフォースの勉強ができたので、2年目は絶対変わると思うので 宮田先輩も見ていたらそうなので、自分も活かしたいです。」

大谷
「沖縄のモータースポーツに貢献していますが」

平良響選手
「沖縄市がよくよくは鈴鹿のような大きなサーキットを作りたいというところで、自分がチャンプル大使となりましたので、沖縄にモータースポーツを広められるように頑張らないといけないと思っています。まずレースで結果を出して、沖縄での活動を後押しできるよう一緒に頑張っていきたいと思っています。」

野中誠太選手/35号車 PONOS Racing TOM’S 320

  • 野中誠太選手

    野中誠太選手

野中誠太選手
「昨年のF4でたくさんのプレッシャーを味わってきたので、メンタル面では全く心配なし。
まず優勝を目指してやっていきます。今季はSUPER GTもデビューさせていただくので、そちらはルーキーとなるのですが、しっかり経験を積んでスーパー耐久と3カテゴリーがそれぞれ違う環境となりますが、自分なりに成長をしていきたいと思っています。」

大谷
「レーサーになったきっかけは?」

野中誠太選手
「カート出身なのですが、カートメーカーの父がいて、環境が整っていたので自然と始めていました。初めて乗ったときから、しっかりハマってしまい上を目指すようになりました。カートが大好きで高校生くらいになった時に職業として、レーサーになりたいと思い今に至ります。」

大谷
「育成ドライバーになったことに関しては?」

野中誠太選手
「一気に環境が今年から変わり、自覚をもって初心を忘れず、ここまで育てて来てもらった関係者 両親を含め、感謝をしつつ頑張っていきたい!」

古谷 悠河選手/36号車 Deloitte. HTP TOM’S 320

  • 古谷 悠河選手 鈴鹿テストにて

    古谷 悠河選手 鈴鹿テストにて

古谷悠河選手
「今季、父を始め沢山の方のサポートがあって素晴らしいチームで戦うことができてとてもうれしいです。感謝をたくさん持って臨んでいきたいと思っています。自分は、メーカー育成路線ではないけれど、チャンスを掴みました。平川亮選手が同じ広島出身で同じようなスタートだったので、目標でもあります。平川選手は、自分の近いところにいて、今はいろいろ教えてくださいます。そんな先輩の姿を見習っていきたいと思っています。」
「このカテゴリーでは、結果を出して、チームメイトに勝つことが目標です。そしてまだまだ勉強が必要なので、このチームの中で上に行けるように頑張れば結果は自ずととついてくると思っています。スーパー耐久でも走るので、頑張っていきたいです。」

大谷
レースを始めたきっかけは?

古谷 悠河選手
日本ジュニアに年齢上限で出たのですが、ずっとF1が好きでモータースポーツをやりたい思いはあったのですが、やり方がわからなく始めるのが遅くなりました。10歳のとき2年間カナダに居て、そこでようやく始めました。大好きなモータースポーツの世界に入ることができてうれしいですし、結果を出せるように頑張ります。

4台体制について山田淳監督

山田淳監督
「4台体制は、久しぶりです。以前と違って、今の4台体制のうち、2台はメンテナンスガレージにお願いして一緒に戦っています。全車同じコンディションに持っていくことも目標で、その運用にも努めていかないといけません。開幕戦3レース全て勝てて良かったのですが、それと同時に課題もたくさん見つかりました。3戦終えて残り15戦を戦う中でうまく4台まとめて最終的にシリーズチャンピオンを獲得したいと思います。」

大谷
「ありがとうございました。野中、小高、平の3選手がそれぞれ優勝。星を分け合いました。この勝ち方と4台の3戦の戦い方が課題ということでしょう。ポイントランキングは、3戦終えて平選手です。始まったばかりですが、安定感を求めたいところ。でも元気な4台がどんな戦い方をするのが見ていきますね。」

スーパーフォーミュラ

そして、メインイベントだったスーパーフォーミュラは、チームインパル平川亮、ディフェンディングチャンピオンのチーム無限野尻智樹選手の強さが際立つ2戦でした。ため息つくくらいの戦いっぷり。今季は1大会2戦のラウンドもあり全10戦と増えました。SUPER GTよりも増えました。そして有効ポイント制ではないので、レースが増えた分、ランキングの行方は楽しみです。ただね、2レース、本当に多忙。メカさん休む暇ないの。こちらも余裕全くなくて、クタクタな開幕戦でした。すぐ慣れるんだけどね。

平川亮選手と野尻智紀選手 今季はこの2人?いや時期尚早…でも速いね

にしても、富士ラウンドは想像以上に面白かったです。若手が暴れて良い意味いい感じ。2レースで距離が短いとなると単調かと思いきや、今のオーバーテイクシステムは、レースを巧みに操っていますね。かと言って、もちろん速いドライバーさんに勝利をもたらす、運で何かができるレースではありません。すぐ鈴鹿ラウンドが待ち受けておりますが、Hondaさんのホームで戦うことで、今季の勢力図が一瞬見えて来るかなと思っています。TGRのコラムも執筆しているのでそちらで。ぜひ、今季も頭脳戦とドライビングスキルを戦わせて面白いのでサーキットに足を運んでいただきたいですね。

(写真:折原弘之、大谷幸子 テキスト:大谷幸子)

[GAZOO編集部]

MORIZO on the Road