祝、開幕!気になるポイントをピックアップ ~2022 SUPER GT開幕戦~

  • 2022 SUPER GT開幕戦 岡山 決勝スタート

搬入日寒かったなあ~、決勝日には風もおさまり、気持ち良いシーズンのスタートが切れました。

サーキットでは、わたしはイベント広場には行けませんでしたので、向こうの様子がわからないのですが、観客動員に関して今季は制限がないそうです。見渡すとコースサイドにもたくさんお客様がいらして、私もコースサイドに行きたい衝動に駆られました。今回は腕がちょっと使い物にならないので、長玉は置いて行きましたが。

岡山は、ちょうど開幕戦の一か月前に公式テストがあるので、連続していくので、まるで富士スピードウェイに行くような近い感じ(笑)。感覚麻痺してますかね。サーキットもこぢんまりとしていて、すごしやすいので大好きです。ちょっと山の中なので、サーキットとホテルの往復の道中、かならずと言って良いほど「鹿」に遭遇しますが、テストのときも今回も山中でしっかり遭遇(写真撮り損ねましたが)。クルマに体当たりも珍しくないので、初めて行かれる方は気をつけてくださいね。

  • 100号車 STANLEY NSX-GT  38号車ZENT CERUMO GR Supra

    100号車 STANLEY NSX-GT 38号車ZENT CERUMO GR Supra

今季のGT500のシーズン予想ですが、3年目のスープラ、NSXはそれぞれ進化していますし、1年目のZは未知のため、予想が全くつきません。ただ、ココはGR勢が以前から得意なサーキットでしたので、予選で上位に来ましたが、ふたをあけてみれば3メーカーでポディウムに上がるという結果。3メーカーの三つ巴は、盛り上がりますので平和に3メーカーとおっしゃっている方がおりましたが、これはバチバチで面白いですよ。きっと。

14号車大嶋和也/山下健太組がポールトゥウィン。昨年も優勝していますし、特にネガティブな材料もないので、予選でポールを獲得した時から順当に行く予想は誰もがついたことでしょう。ただ、レースですので予想通りになんてことは滅多にないかもしれないけどね。では、スタートしたシーズン、私が気になる独自目線ポイント(笑)から振り返ります。

ポイント1 カーボンニュートラル

ずっと気になっていたSUPER GTのカーボンニュートラル。開幕戦で、GTアソシエーション坂東正明代表から発表がありました。

詳細はこちら
【開幕戦岡山】2023年からカーボンニュートラルフューエルを供給。ハルターマン・カーレスとGTAが共同会見

国内トップカテゴリーで、音のあるレースを残してくださるのか、とても気になっていたんです。ぼちぼち何らかの発表があるだろうと。もちろん水面下では関係者のみなさまがご尽力くださり今の発表となった訳でしょうけど、まず来季は、「原材料に化石燃料を一切使わない燃料、カーボンニュートラルフューエル」でレースを戦うということが開幕戦でアナウンスされました。環境問題に配慮しつつ、音の出るレースは継続ですね。やはりモータースポーツ、いや何事も周辺環境の理解を得ないと…というのが命題ですから。

カーボンニュートラル、最初の一歩は燃料から。ドイツのDTMとの交流戦は、もう実現はないかもしれませんので、現在のクラス1車両の行方は、今後、次のGT500クラスの車両の変更でそこを起点として将来の為の変化が続いて行くように思います。関係者のみなさま、音のするレースを残そうと頑張っているようなので応援したいと思います。

ポイント2 ずっしりサクセスウェイト

  • 大嶋和也選手、豊田大輔チームオーナー代行、山下健太選手

    大嶋和也選手、豊田大輔チームオーナー代行、山下健太選手

  • 14号車 ENEOS X PRIME GR Supra

    14号車 ENEOS X PRIME GR Supra

開幕戦で戦績が良くサクセスウェイトを積むと、シーズン通してずっと苦しいというアレ。それは優勝記者会見でも質問されていました。奇しくも、今季の開幕戦も昨年とウィナーは両クラスとも同じ、かつ、タイトルを逃しているという事で質問が出ていました。いつも書いているかもしれませんが、SUPER GTは、勝てる時に勝っておかないと…、調整なんて勝負ですからできる訳もなく。いや、戦略を立てるのは当然大事。理想の戦略はあります。
レースが始まってしまえば何が起こるかわからないのがSUPER GTですので、毎戦、全力で戦いますし、結果として、多くのサクセスウェイトを積むことになったとしても、それはそれなんだと私は思っています。そこに対する戦略がまた生まれ、それに応じて最善を尽くしていますからね。あれ?取り上げることもなかったかな。

アドレナリンが分泌されたら、勢いが止まらないのがプロだし、全員かっこいい「負け嫌い」に決まっていますしね。もし本当に開幕戦は勝たない方が良いなんて法則があるなら、教えて欲しいです(笑)。熱血すぎるか私。

ポイント3 最終戦開催地

  • 100号車 STANLEY NSX-GT

    100号車 STANLEY NSX-GT

  • 山本尚貴選手

    山本尚貴選手

あと気にかけているのが、最終戦の開催地。ここ2年、富士スピードウェイで最終戦が行われていました。これはwithコロナ初年度の開催は、関係者の移動の負担の少ないサーキットがピックアップされたことによります。昨年は、海外開催も中止になり、シーズン途中でのツインリンクもてぎ代替開催など、いろんな理由があったのだと思います。

GR勢にとっては、得意なサーキット富士スピードウェイで終えることは絶対に有利だったはず。今年は、例年通りというのかな、もっと前は富士だったけど、またモビリティリゾートもてぎ(旧ツインリンクもてぎ)での開催に戻りました。Hondaさんのホームコースです。得意なサーキットで終えることをチャンスと考えるのはどこも一緒です。最終戦までの勢力図がどのように推移するのか今季も読めませんが、もてぎでシーズンが終わることも「キー」となりそうです。

ポイント4

今季は、300㎞と450㎞が総距離のレースフォーマット。これは、今後のレギュレーションの見直しについて…に関係していることが、カーボンニュートラルに関する同じく開幕戦のGTA坂東代表の会見でわかりました。なぜだろうと思っていました。その後追跡していなかったけど…。

自動車メーカー、タイヤメーカーに「エンジンに対しては出力ではなく燃費の向上。タイヤはグリップではなく、ロングライフ化に向けた方向での開発」を促すことで、その実験場として今季450kmレースを3回行うことになったということ。なるほどね。

そして、「来季においてはタイヤの持ち込みセット数を削減する。その中で、より長く走れるタイヤ、より燃費の良いマシンが勝てるレギュレーションに見直す」とのことです。来季プチ変化が起こりますね。そうなるとですね、戦略が変わるのですよ。またみんなが予選、レースの組み立てを考えるということになります。迅速に対応したチームの勝ち。環境問題も大事ですが、こういう時のチーム力も楽しみです。

という訳で、今回はじっくりコラムでした。またね!

(写真 折原弘之、テキスト 大谷幸子)

[GAZOO編集部]