日産Z来た! ~SUPER GT第3戦 鈴鹿~

鈴鹿より帰還。GT500クラスは、圧倒的な速さを持って、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが優勝。2位17号車 Astemo NSX-GT、3位37号車TOM'S GR Supraでした。おめでとうございました。

GT300クラスは、No.7 BMW Team Studie x CSLがポールトゥウィン! 荒聖治選手は、500クラスでは優勝経験があるのですが、300クラスでは初との事。アウグスト・ファルフス選手が欠場の中、近藤翼選手と共に頑張りましたよ。おめでとうございます。

では、鈴鹿ラウンドをピンポイントで振り返ります。

振り返りその1

予選ポールポジションは、19号車WedsSport ADVAN GR Supra!国本雄資選手がんばりました!自身初ポール!これまでQ2を後輩たちがアタックすることも多かったけれど、やりましたね。朝の走行で、GT500クラスで最下位で、やっぱりここは苦手なサーキットなのか…と思ってちょっとかなしかったけれど…、ってか多分みなさまそう思ったのではないでしょうか?だからまさかのポールで驚きしかなかったです!

ポールが決まった時の坂東正敬監督の喜ぶ姿は、もう本当に予期せぬ出来事と言ったら失礼だけど、喜び具合がハンパなく…。うれしいに決まってますよね。横浜タイヤさんと一緒に頑張って、ひとつひとつ攻略している感じがします。同じGRスープラでは、このタイヤを履くクルマがいない一台体制。なかなか大変だと思いますが、とうとう鈴鹿でもポールを獲ったということは、かなり大きな進歩。

そして、決勝では5位にはなったけれど、5位というのも大きな収穫だったのではと勝手に思っています。6位に、同じ横浜タイヤを履く24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zが入っていますね。それぞれのチームがそのタイヤを選択する意味があって…。そこはリスペクトしないといけないので、どんどん進化するのを楽しみにしています!(偉そうに書いてごめんなさい)。

振り返りその2

  • 搬入日 3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z

前戦の富士で大クラッシュをしてしまった3号車。使用できるパーツがひとつもないというところからの完全復活でした。メカさんたち頑張りましたね。間に合うものなのですね。あ、間に合わせたという努力はもちろんリスペクト。ですので、日産Z勢のパーツのスペアが厳しいようで、GT500クラスの4台のクルマは、いつも以上にマシンに気を遣ったラウンドではなかったでしょうか。

  • ニスモドライバー勢ぞろい 3号車千代勝正選手、高星明誠選手 23号車ロニー・クインタレッリ選手、松田次生選手

別件でも関係者からお話を伺うと、海外メーカーからの物流は、コロナ過で滞る部分もあり、レーシングスーツやアンダーウェアなども海外のメーカーものが使用されることが多いですが、スペアに困っているとのこと。タイヤだってね、海外メーカーなら心配の種です。日産勢だけではなくこれは業界全体に言えるお話のようですね。少しずつ8月のラウンドまでの2か月のインターバルでどうにか改善して行って欲しいですけどね。

さて、話を戻して、富士でマシンが大破…、不可抗力による場合は、ペナルティなしというルールにのっとって、今回ペナルティなし。フレッシュエンジンなら絶対来るなあと、素人の私は思いましたが、ちゃんと来ました。

スタートドライバーの千代勝正選手、3番手から頑張りました。するりするりと、オープニングラップでトップ浮上。この勢いは止められませんでした。セカンドスティントの高星明誠選手も大量リードを築きます。しかし、アクシデントによりセーフティーカー。ギャップが消えたけれども、リスタートで見事に逃げ切りました。速くて誰も追いつかない…。見事GT500クラス初優勝!お二人とも初めてですって。まだ3戦で残り5戦もあるのですが、お二人にとってかなり記憶に残るシーズンになるのではと思いますね。おめでとうございました。

振り返りその3

前戦で発生した大クラッシュの件に関して、鈴鹿サーキットで行われたGTアソシエーション坂東代表の定例記者会見でこの件についての公式見解が出ました。

2022.05.29
【GTA定例会見:第3戦 鈴鹿】第2戦富士における事故の検証プロセスや今後の再発防止策を報告

この3週間くらいかな?さまざまな意見がネットを駆け巡りました。当時の状況に関して、オンエアされたこと以外わからないので、余計さまざまな意見が出て模様。私も誤認していたところがありました。

レース中、ドライバーはプロですから勝つことだけを考え走っている中で発生した事案。今後、安全面も考え再発防止というところが注目される点。それは業界全体、ドライバー各々でも考えられている様です。こちらに関しては、公式見解が出ましたのでこれで終わり。あとはレース頑張りましょう!ですね。

振り返りその4

  • 鈴鹿サーキット60周年特別デモランCastrol 無限 NSX/ザナヴィ NISMO Z/Esso Ultraflo スープラ

懐かしいクルマの出走。JGTC!全日本GT選手権(1994年~2004年)ですよ。3メーカーの雄は、Honda道上龍選手、日産は本山哲選手、トヨタは脇阪寿一選手の時代、覚えてますか?初めての方は、どうでしたか? 

本山さんは、今年の開幕まで走っていましたから良いとして、道上さんと寿一さんは、現在は監督という立場。現役を知らない方が結構増えているようでして、自分としては悲しいところ。まあ当たり前ですね、軽く20年以上前に活躍したクルマですので、知らない方が増えても不思議ではないです。その後もSUPER GTで走ってはいるのですが、やはりこの往年の…というのはGT抜きには語れません。まあ、「往年」という世代も代替わりした感がありますね。若いのよねこのお3人まだまだ(笑)。

鈴鹿サーキットさんが用意してくださったスペシャルコンテンツ。60周年おめでとございます。この3台を走らせてくださって、ありがとうございました。取材の関係で私は離れたところからしか見られなかったけれど、何より3人がうれしそうでした。来年の春の鈴鹿のファン感でもお願いしたいですね!よろしくお願いします!

終わりに

鈴鹿は、もう夏のような暑さでした。また8月にSUPER GT 450キロレースの取材で訪れます。モータースポーツの聖地で取材させていただくのは、何度も書いておりますがうれしく楽しいものです。またよろしくお願いします! ではまた!

(写真、折原弘之 テキスト 大谷幸子)

[GAZOO編集部]