モタスポ目線でのオートサロン探訪

あけましておめでとうございます(遅くなりましたが(笑))。クルマ好きの祭典は、一気に開花。たくさんのお客様がご来場されていました。一年の始まり。ブースごとの紹介は、サイト内にございますので、わたくし目線で振り返りますね。

いつものように滞在するホテルに向かう際、海浜幕張周辺道路には、「改造車取り締まり」のサインが出ていました。年明けから東京オートサロン開催期間中、高速道路でも案内が出ています。東京オートサロンあるあるです。

  • あの超メジャーなイタリアのディスクブレーキメーカー、ブレンボと世界初のコラボ商品を出したトムス。

トムスブランドの人気はゆるぎないですね

クルマのドレスアップのお手伝いをするチューニングショップさんたちがこのイベントを大いに盛り上げ、お客様と楽しんでいるのは今ももちろん変わらない要素。

今は自動車メーカーがカスタマイズしてクルマを販売する時代にもなりましたが、ファンの多いチューニングメーカー、ショップの根強い人気はゆるぎないものであり、応援をしております。ただ私の知っているショップさんは出展してなくてね…。

自動車メーカーの出展内容が年々様変わりしてますね、特にトヨタ自動車。モーターショーほどのスケールではないにせよ、かなり遊び心込みの充実した内容。しかもうらやましいスケールでの遊び心ね。一例として、今年のAE86の電気、水素のコンセプトカーね。これには驚いた。あとで触れますが。

リーマンショック、東日本大震災などで、景気に左右されたあの時からそんなに長くない月日が流れ…。それを乗り越えたと思ったら、今度はコロナ禍。なかなか世の中が鎌倉時代のように安定しません。自動車メーカーはひとまず置いといて、ショップさんたちの出展、お止めになったところもありますし、昨今のキャンプ流行りでアウトドア関係の出展も時代に添って変化をしています。Withコロナ禍ではありますが、今年は以前のスタイルにかなり戻って来ていました(トークショーの再開など)。

滞在先のホテルもそうですが、インバウンドの動向も著しく変化しましたよね。わたくしの住む鎌倉も外国人観光客が増えました。以前、東京オートサロンでブース張り付きの仕事をしていた時に、仕事仲間と夕食を取っていたらブルゾンのGAZOOの文字を見て、海外からの来客に声をかけられたことを思い出しました。

注目度という意味でその方々が「あのニュルに出ている…」みたいな反応でね。おぉ~グローバルと…。WRCにはまだ復帰しておらず、WECは復帰したものの、クルマのカタチでいえば中々認知が難しいプロトタイプ。そんな事を実感していた頃だったなと、ふと思い出しました。

上記があれこれファーストインプレッションです。

TOYOTAのあのクルマにちょっと触れますと

どこにも出来ないスケールの大きな改造車の制作が出来るのが自動車メーカー。話題性としてデカすぎましたがそこにちょっと触れます。やはり脱炭素社会の取り組みに拘るところは、ブレないと感じました。

AE86の改造車…と表現すると走り屋さん、ゾクゾクしますよね。私、この電気と水素のクルマの反応はどうなんだろうと思っていたら、やはりこの2台を見に来たという声が多数でした。

いわゆるハチロクを復刻して心臓部だけを変えた姿は、シンプルに受け入れやすいですね。自分のSNSにも反映して様子を見ましたが、クルマ好き人口の多さを感じる反響でした。開発者のトークショーは、自分自身が食いつく感じで拝見しました。メディアとして伺いましたが、写真を撮ることに捕らわれず、ずっとお客様と同じ場所で聞いていました。

AE86コンセプトカーの開発秘話が披露されたステージにて メーカー開発者も熱かった

開発ドライバーの佐々木雅弘さんの言葉は、ガチの走り屋出身の方がこんなに喜んでいるなら間違いないと思わせる重み。また、走っているクルマを外からみたら静かに違いないのに、車内で音を再現しているとか。運転する喜びが失われることのない作りは、ほんと驚きでした。

水素は、まだまだパワーは出ないということでしたが、SUPER耐久の水素車のクルマの進化を思えば…。メーカーの技術者がテクノロジーをガンガンに詰め込むクルマとなって改良されていくのは言わずもがなですよ。あれ?この2台はコンセプトカーのままなのかな?

自動車メーカーの未来の展望と、クルマ好きを置いて行かないという今回のコンセプト。なるほどと唸るものとなりました。持ち上げる訳ではなくね。本当に作ってしまうものなんですね(笑)。シンプルにAE86を電気や水素にしちゃえという所からのスタートだとは思うのですが、カーボンニュートラルの選択肢は一つではない、ということのアピールにもなります。恐れ入りました。

WRCチャンピオン仕様車

また、WRCのワールドチャンピオンが2人も在籍するTOYOTA GAZOO Racingですが、チャンピオンエディションの2台の発表があったことは、サプライズでしたね。

ヤリスのWRCチャンピオン仕様、セバスチャン・オジエEdition、カッレ・ロバンペラEditionの2台について、TGR佐藤恒治プレジデントのプレスカンファレンスの姿を見て、「おぉ~勘弁して~」と思わず心の中で言ってしまいました。ほら、私ラリージャパンで見事にWRCにハマった口。とても楽しかったんですよね、漠然とした感想ですけどね。

だから、そんなお二人を豊田スタジアムで目の前で見てしまって、崩れ落ちそうになるほど神々しかったチャンピオンの方々のテイストを盛り込んだクルマが出るなんて(息継ぎナシで一気にここまで)、もう無理!(無理ではなくムリ、昨今の若者の解釈のウェルカムという意味)と(笑)。もちろん一番応援しているのは、勝田貴元選手ですけどね(笑)。

  • 4WDモードセレクトスイッチ

  • 佐藤恒治プレジデントと豊田章男社長

佐藤プレジデント、購入された方はWRCのパートナーとして…クルマにその証が?とおっしゃってましたよね。わー、欲しい。そんな理由でも良ければ(笑)。

このクルマの開発秘話がもう楽しくてね。毎年思うのですが、展示されているクルマは、ホームページやスペックボードにある内容以外も、あとからでも良いのでチェックして欲しいなと思う訳です。会場に来られなかった方は、TOYOTA GAZOO Racingの公式YouTubeのアーカイブをぜひ見て欲しいです。

ステージでは、現場の方を招いて開発のお話を伺うのが、以前からのTGRの特徴ですね。心打たれる場面もありましたし、一緒に作られた方なのかな、会場で拍手も聞こえたし、部品一つひとつを納品してくれる業者の方にまで、自動車メーカーと同じ気持ちは電波して行っているという言葉も良かったです。

どの方も熱意を持ってお話しされていましたね。仕事ってそうよねと、ひとりでは成し得ないことを自分なりに再確認しました。

それと今回、ルーキーレーシングの活動がクローズアップされていました。

TOYOTA GAZOO Racingのニュルブルクリンクへの挑戦が10年で節目を迎えてから、これまでクルマ開発のバックステージとしてよく登場していた活動が、WRC、WECといったメーカーのモータースポーツワークス活動にとって代わり、いや代わってないけど更に表に出てきて、またルーキーレーシングのクルマづくりも今回はメインとなっていました。

ルーキーレーシングのファクトリーが完成し、そのクルマづくりの拠点を中心に、所属するドライバーの方々がクルマ開発に勤しんでいることが、この東京オートサロンで良くわかりました。なんとなく感じていた部分がはっきりしましたね。頑張ってください!

次はモータースポーツ目線で

日産は2024年モデルのGT-Rを発表

  • NISSAN GT-R Premium edition T-spec

  • NISSAN GT-R NISMO Special edition

日産自動車が、2024年モデルのGT-Rを発表。永遠のフラッグシップカー?いやもう日本の名車の一つですよね。この発表があったということは、SUPER GTでは、来年はGT-Rに戻るんでしょうね。

日産Zは、昨年ほんとうに無敵で、タイヤメーカーが変わっても、予選でポールポジションに優勝も、とても速かったです。シーズンをリードしていた大きな理由は、シャシーがコンパクトになったことに起因しているんだろうと思っておりました。しかし、来年、GT-Rがまた出るとなると、クルマは当然GT-Rに戻るだろうと予想されます。もちろん勝つための開発にすでに着手しているんだろうけど、どうなるんだろう。

ホンダは開発途中の「CIVIC TYPE R-GT Concept」をアンべール

  • CIVIC TYPE R-GT Concept

と思っていた矢先、Hondaさんは来季GT500クラスにデビューする開発途中の「CIVIC TYPE R-GT Concept」をアンべールしました。え?と、まったく情報も掴んでいなかったので驚きましたね。Hondaブースにいたのに、遠慮してかなり隅っこにいたので。メディア席に入れば良いのに。

例年、来季新車になる年は、シーズン中、夏くらいにはシェイクダウンが始まるはず。開発途中で全景を出してしまうとは太っ腹です。というか、これはかなりうれしい身近なクルマですよね。絶対シビック売れちゃいますよ。そもそも値段設定から考えても、ノーマルで300万円台。もうね、ありえない(誉め言葉)という意味不明の言葉を贈ります。

SUPER GTで自分のクルマが戦っているというのは、大人気のこのカテゴリーでかなり理想に近いです。憧れのクルマが走るのもそれはそれで良いのですがね。スーパー耐久で走っていましたが、GT500にやって来るとはね。来年を楽しみにしています。

  • 例年展示されるSUPER GTの3メーカーのクルマたち。

Hondaさんは何気に現在の開発車を出展。Honda Racing THANKS DAYにもありましたが、かなりレアです。今は、隠す時代ではなく、見せてしまう時代なんだなと勝手に共感。

そりゃ大事なところは何か工夫をしているはずですが、それでも全貌が見えるのが良いのですよ。他メーカー批判ではないですよ。もしくは、展示は今季2台体制となったチームもあり、変化があって持って来られないのかもしれませんが。

あらら、結局メーカーの事しか書いてないじゃん。長くなりましたのでこの辺で。モタスポ目線での私の探訪の一部でした。

まずはお疲れさまでした!

(写真、テキスト 大谷幸子)

[GAZOO編集部]