驚速!37号車 笹原右京、ジュリアーノ・アレジ 荒れたSUGOを制す!GT300女性ドライバー、欧州車たちが魅せた! 〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜


終わってみれば、GT500クラス15台中の14番手からではありますが、テールトゥウィン。こんなにもポジションが入れ替わり、何がなんだかわからないけど、展開が早くてめちゃくちゃおもしろかったレースを37号車Deloitte TOM'S GR Supraが制し、今季2勝目をあげました!おめでとうございます!大躍進ですね。

  • GT500 優勝!37号車 笹原右京、ジュリアーノ・アレジ組/ TGR TEAM Deloitte TOM'S

何があったんだ?あれ?どうしたの?と、大変失礼な言葉の飛び交うメディアセンター。笹原右京選手が驚速でトップに踊り出ましたが、ジュリアーノ!実況では、ジュリアーノ覚醒!とこれもひょっとしたら失礼なのかもだけど、連呼する気持ちわかりますよ。彼の成長もとても大きいのではないでしょうか、この勝利。ピット作業のタイミングと速さ、戦略、どれも素晴らしかったし彼らに味方したのでしょう。

何やらプチ滝行の現場でしたけど、天候が回復して忘れてしまっていた仕事に奔走したレースウィークでしたよ。

前戦が台風で延期となりましたが、台風が進路を変えたようでその影響で雨が降り続ける週末。憂鬱しかなかったです。もし、これで第6戦まで延期となってしまっても、もう国内のレーススケジュールはパンパン。12月になってもシリーズが続いているという異例なシーズンですし、レースを入れる週末がない状況。そんな中の天気予報で日曜日に雨が上がりそうというのをみたら、ちょっと元気が出ました。では、振り返ります!

搬入日

雨の中 行われた搬入作業

トランポの搬入からパドックにも降りましたが、土砂降りでカッパ着てボーっと雨に打たれておりました。滝行の朝。

ピットにも水たまり

  • たまに晴れ間が出るものの…

この晴れも日曜日まで我慢かな〜って諦めにも近い感じ。

目に見えてわかるわけではないですが、GT500クラスに参戦する3メーカーは、今季 2基目のエンジンを搭載。さあ、どんな結果になるんだろうと少しだけ思いましたが、お天気しか頭にないので、気もそぞろの無駄にしてしまった1日でした。

SUPER GTが久しぶりだったので、あれこれ慌てていました。目の前のドライバーさんにお話を聞くことすら忘れていると言うか、落ち着かない日でした。

予選日

午後の予選はできそうにもない天候?となると、公式練習時に走ることができればその結果が採用される可能性大。もしくは、予選が少しでも走ることができたら、予選フォーマットを変更するなどして、順位を決めるというのがこれまでの流れ。その時の天候によります。

となると、どのチームも公式練習は少しでも前に居たいところ。しかし、朝の走行もろくにできないまま、スピンしたクルマも多数ありでセッションが赤旗で中断となりました。走行は再開されずそのまま終了。予選の時間を待つことに。

ピットウォークは、雨の中、サインをいただくのも大変。川があちらこちらにできていて悲しくなりました。

  • 無念のリタイア 52号車 Green Brave GR Supra GT / 埼玉Green Brave

もっと悲しかったかもしれないのは52号車Green Brave GR Supra GT。公式練習でクラッシュしてしまい、マシンの修復は不可能と判断しリタイア届け。公式練習時のスピン車両は多くどうにか走行可能な状態でしたが、こちらはダメージが大きく残念でした。

予選時を待つも雨脚は強くなるばかり。オーナーミーティングが開催され、予選はキャンセルのアナウンス。ピットウォークがあらたに設けられました。こちらはチケットなしでも参加が可能で、たくさんの方が参加されていました。

しかし、気温15℃と、初冬?の気温。どんなに涼しくても、20℃くらいだろうと甘く見ていたわたしは、カッパを上着にして仕事をしていました。脱げない、寒いんだもん。

土曜日の予選がキャンセルとなったことで、公式練習のポジションがグリッドの順番。あくまでも予選ではないので、一番のポジションを「ポールポジション」とは呼ばないなど、そんなレギュレーションがあるんだなと確認する機会でもありましたね。

もちろん本気でアタックしていたわけでもないので、下位に沈んでしまっていたチームは納得しないのかなとか思いましたが、天候ばかりは文句を言っても仕方ない。予選キャンセルのアナウンスは、エントラントの同意をすぐ集めたのかとても早かったです。

予選のセッションは、ピットウォークに。こちらは、ピットウォーク券がなくても参加できるファンサービスへと変わりました。チーム関係者の協力に感謝ですね。このチャンスにたくさんのお客様が参加されていました。寒かったね…。

決勝朝、いつも通りにタイムスケジュールは進んでいくものの、お客様が長い時間雨にさらされるのは危険という判断で中止されたコンテンツもありましたね。

こうなるとひらすら天候の回復を待つしかなく、お客様もレースをやる側も。ディレイディレイの連続でしたが、どうにかレースが開催できることとなり、これはうれしかったです。待つだけにならなくてよかったです。

決勝やります!短い時間のグリッドウォークでしたがバタバタ準備。

スタート進行からは、レースアンバサダーの入場など省略されたものもあり、いつもより簡易的なスタートを迎えました。これも致し方ない。レースができることがうれしい、それに尽きます。

いよいよ始まります

決勝を振り返ると、37号車の二人のドライバー、笹原右京選手とジュリアーノ・アレジ選手の速さがピカイチでした。

タイヤのウォームアップの速さは、良いクルマに仕上がっている証拠でしょう。ピットのタイミング、路面の乾くタイミング、チームのストラテジーなどなど、どれもドンピシャのタイミングで、全てが揃うとあんな速さで勝ってしまうというのが、わかりましたよね。大立エンジニアがとてもうれしそうだったな。

  • GT300 表彰台 1位 65号車 蒲生尚弥選手・篠原拓朗選手/ K2 R&D LEON RACING

それと、GT300クラスで見逃せなかったのが、2位となった45号車PONOS FERRARI 296 (K.コッツォリーノ/リル・ワドゥー組)!話題になるバトルを展開しました。

ワドゥー選手の後半のスティントで一時トップを走っていましたが、今回優勝した65号車LEON PYRAMID AMGの篠原拓朗選手とのデッドヒートの末、負けてはしまったものの2位表彰台を獲得しました。

ワドゥー選手は、フェラーリのワークスドライバーです。女性というのを知らなかったファンも多いはず。そして、2023年WECのLMGTEアマクラスで女性初の優勝ドライバーとなりました。2001年生まれとまだ若いんですよね。たまたまチームに帯同しているフランス語通訳が友人でして開幕前から注目していたんです。

これでもっとGTファンが彼女の名前を覚えてくれるとうれしいですね。市販車のレースですので、国産車だけではなく異国の地日本で海外のメーカーも戦っているのがよくわかるレースでした。

BoPもあるので難しいカテゴリーなのかもしれませんが、海外からやって来るドライバーは、グリップのレースと言っている方もいて、その違いはタイヤ。高性能のタイヤで戦うこのSUPER GTを楽しいと言うドライバーもいました。取材足りないな、ざっくりで申し訳ない。

今回のフェラーリとメルセデスのバトル、アストンマーチン、BMWも加わり何かとても新鮮でした。たまたま国産車が上位に来なかっただけなんだけどね。欧州のファクトリードライバーたちのバトルもぜひ見て欲しいです、とてもカッコ良いので。

GT300にもご注目いただきたいですね。ご覧になったことのない方は、SUPER GT公式YouTubeでも公開になるフルレースをぜひ見て欲しいです!

雨・雨・雨で天気予報を追いかけていたレースウィークでしたが、いよいよシーズンも残り3戦となりました。3戦もある?でしょうか?これまでと違い、第5戦鈴鹿大会が延期となったことで、次の第7戦オートポリス大会は、フルウェイト、その次のこれまで最終戦だった第8戦もてぎ大会がウェイトなしではなくなり、半分。

そして久しぶりの最終戦鈴鹿大会でノーウェイトと、これはこれでおもしろくなりましたね。シーズン終盤戦もSUPER GTはおもしろい!楽しみにしましょう! では、また!

(写真 折原弘之、GTアソシエイション、大谷幸子 / テキスト、大谷幸子)

MORIZO on the Road