史上最多の800台のランドクルーザーが集まる「LCM」
今回で32回目を迎えるランドクルーザーズ・ミーティング(通称:LCM)が、10月27日から28日にかけ、静岡県裾野市の大野路ファミリーキャンプ場で開催されました。北は北海道から南は沖縄まで、フェリーを使ったりしながら全国から集まったランドクルーザーは、なんと約800台。キャンプをしながらランクル談義に花咲かせ、2日間限りの大きなランクル村が、富士山の麓にできあがりました。
それは1987年5月、岐阜から始まった
80年代、今まで作業車として活躍していた四輪駆動車を、遊びの道具として活用するオーナーが出始め、当時はアフターパーツなどホイールくらいしか存在せず、情報交換や交流の場として各地にランドクルーザー愛好家のクラブができました。京都や神奈川、関西、東海にあるクラブが、岐阜の黒井沢オートランドでミーティングをしたのがLCMの始まりです。当初は100台にも満たないミーティングでしたが、翌年に山梨で開催したら一気に500台近いランドクルーザーが集まりました。そしていわゆるRVブームとともにトヨタ・ハイラックスサーフや三菱・パジェロ、デリカ、日産・テラノ、いすゞ・ビッグホーンなど、より快適性の高いクルマが人気を博しました。それでもランドクルーザーは四輪駆動車の王道として多くのファンを魅了し続けています。
世界で活躍するランドクルーザー
ランドクルーザーといえば、世界中の、特に過酷な環境下での人々の生活を支えるクルマとして絶対的な信頼を勝ち得ています。アフリカ大陸のモーリタニア・イスラム共和国のサハラ砂漠やタンザニアのサバンナに行けば、70系ばかりが走っています。モーリタニアでは、首都はいろんなクルマが走っていますが、舗装路を走って砂丘にある町に行くと、ランドローバーのディフェンダー、日産パトロール(日本名:サファリ)そしてランドクルーザー70と四輪駆動車だけとなり、さらに砂漠を越えて村に行くと、村人の移動手段はランドクルーザー70とラクダだけになります。また南米大陸のボリビアのウユニ塩湖に行けば、今もランドクルーザー80が観光客を乗せて塩湖の中を走っています。このツアードライバーに何でほかの車種がないのか聞いてみると、「昔はほかのメーカーの四輪駆動車もありましたが、みな塩害で熔けてなくなり、ランドクルーザー80だけ生き残ったんだ」と教えてくれました。オーストラリアに行けば70系はもちろん、プラドや200系などいろんな型式のランドクルーザーが走っています。東南アジアに行けば、40系が今も活躍しています。私は仕事柄こうした国々に行きますが、現地のランドクルーザーに乗る方々に聞くと、ランドクルーザーから日本という国、日本人をイメージすると言われます。質実剛健で丁寧そしてなにより信頼できると。ここまで世界中の方々に愛されるランドクルーザーを母国日本で乗れる喜びは、オーナーであれば多くの方が感じていると思います。日本ではそんな悪路を走ることはないというのは、スマートフォンの多機能をすべて使いこなせていないよと言うのと同じくらい野暮なこと。可能性、実力を秘めていること、過酷な環境下に暮らす人々の仕事、生活を支え、夢を運ぶ、その奥深さに魅力を感じているわけですから。
- 夕方になり富士山の表情もやさしく変わってくる
富士山を眺めながら仲間と語る
キャンプ場に着き、テントやタープを張って、椅子やテーブル、調理器具を設営したら、あとはのんびり過ごす。ふだんはSNSでつながっている遠方の仲間たちのサイトへ行って盛り上がる。キャンプサイトを歩いていろんなランドクルーザーを観ているだけでも、オーナーにとっては至福のひとときです。今までのLCMでは、40系、60系、70系、80系が大半を占めていましたが、今回は期間限定販売された70系やランドクルーザープラド、200系が増え、ランドクルーザーの昔から現在までを観て回れる博物館のようで楽しいです。
気球に乗れたり、オフロード同乗体験もできる
今回は特に家族で参加する方も多くいました。さすがに奥様やお子さんまでランクル談義をするわけではないので、2日目は朝から気球に乗れるアトラクションがありました。なかなか体験できないことに奥様やお子さんも大喜びです。また、さなげアドベンチャーフィールドの協力のもと、ランドクルーザー200やハイラックスの機能体感ができるオフロード同乗試乗も開催していました。30度近く横に傾いたり、階段を登ったりと、アミューズメントパークの乗り物のようでお子さんたちにも大人気でした。
こうして約800台、軽く1,000人を超えるランドクルーザーファンが集まった今回のLCM。ランドクルーザーに乗っているけど、まだ参加したことがない方は、ぜひ来年に参加してみてはいかがでしょう。なぜランドクルーザーが、ここまで人を惹きつけるのか。その魅力がきっとわかると思います。
(テキスト:寺田昌弘 / 写真:寺田昌弘・勝間田和己)
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。
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