『86/BRZ Race』プロシリーズで社員ドライバーが優勝! ~「GR Garage東京」が挑むモータースポーツとファン作りとは~

「町いちばんの楽しいクルマ屋さん」を目指し、全国51店舗(2019年7月現在)に広がる<GR Garage>。

モータースポーツのDNAを継承するスポーツカーブランド<GR>の車種を扱うのはもちろん、TOYOTA GAZOO Racingが主催する<86/BRZ Race><Netz Cup Vitz Race><ラリーチャレンジ>に参戦する店舗も多い。

そのなか<86/BRZ Race>で社員自らがドライブし、第5戦プロフェッショナルシリーズで並み居るプロドライバーと競り合いながら、見事総合優勝したチームがあります。

<GR TOKYO Racing>はトヨタモビリティ東京(以降TMT)が展開する東京三鷹をベースに社員が中心となってレース活動をしています。

社員ドライバー、メカニックが力を合わせて優勝!

ドライバーはGR Garageで、イベント企画や運営を担当する水谷大介さん。

2003年にFJ1600筑波シリーズ、もてぎシリーズでチャンピオンになり、その後もフォーミュラトヨタシリーズ、スーパー耐久シリーズに参戦。2011年にはNetz Cup Vitz Race関東シリーズでチャンピオンになるなど、常に真剣にレースに挑んでいます。

昨年は86/BRZ Raceのクラブマンシリーズで3位になり、今シーズンは最高峰のプロフェッショナルシリーズにステップアップしました。

このシリーズは現役スーパーGTドライバーの織戸学選手、青木孝行選手、平中克幸選手をはじめ、今年のニュルブルクリンク24時間耐久レースでクラス優勝した山内英輝選手、井口卓人選手。

そして、“TGR WECチャレンジドライバー”として、WEC世界耐久選手権に挑む山下健太選手。さらにトップカテゴリーで活躍した服部尚貴選手、脇阪寿一選手など、一流ドライバーが多く参戦している、最もホットなワンメイクレースです。

86/BRZ Race
86/BRZ Race

マシンはナンバー付き車両で、4点式以上のFIA公認安全ベルト、ロールケージなど安全規定を満たし、大会指定部品以外交換できないレギュレーションとなっているため、ほぼイコールコンディションになります。

なので、ドライバーは86/BRZが持つポテンシャルを、いかにうまく引き出すかが重要になります。また、マシンがほぼ市販車の状態なので、メカニックは丁寧なメンテナンスで、最高のコンディションを保てるかが大切です。

武藤義明監督を中心に、出羽さん、森さん、大貫さん、藤室さんなど、GRコンサルタントが86のベストコンディションを探り当て、ドライバーの乗りやすいマシンに仕上げています。

社員エンジニアがメカニックとしてメンテナンスする
社員エンジニアがメカニックとしてメンテナンスする

7月7日に富士スピードウェイで開催された第5戦では、シリーズ2回目となるポールポジションからスタートし、3周目にトップを奪われるも、6週目に抜き返しそのままトップでゴール。プロフェッショナルシリーズ1年目で初優勝しました。

水谷さんは「メカニックが86の素性のよさを引き出してくれたので勝てました」。同じ職場で働く環境だからこそ、チームワークがすばらしい。

ポールポジションからそのままトップを快走
ポールポジションからそのままトップを快走
熾烈なトップ争い
熾烈なトップ争い
トップでゴール
トップでゴール
井口卓人選手(左)堤優威選手(右)を抑え、見事優勝!
井口卓人選手(左)堤優威選手(右)を抑え、見事優勝!
TMT片山社長も毎回応援に駆けつけ、優勝をともに祝う
TMT片山社長も毎回応援に駆けつけ、優勝をともに祝う

そして同日開催の<Netz Cup Vitz Race>にも、社員ドライバーの長山等さんや、GR TOKYO Racingに所属する、長野オリンピック スピードスケート金メダリストの清水宏保さん、咲川めりさんが参戦。

さらに、お客様の参戦サポートをし、今回は3台が参戦しています。マシンメンテナンスは、もちろん、富士スピードウェイ攻略法など、水谷さんや長山さんから教えてもらえて心強いです。

Vitzのメンテナンスは台数が多いので遅い時間までかかる
Vitzのメンテナンスは台数が多いので遅い時間までかかる
新人メカニックの研修の場にもなっている
新人メカニックの研修の場にもなっている
  • スタートして1コーナーへ向かう
    スタートして1コーナーへ向かう
  • コーナーごとにマシンが競り合う
    コーナーごとにマシンが競り合う
Vitz Raceに参戦する長山さん、清水さん、咲川さんとお客様
Vitz Raceに参戦する長山さん、清水さん、咲川さんとお客様

お客様をサーキットへ誘うGR Garage東京三鷹の活動

走る社員、メンテナンスをする社員もいれば、これらのレース活動をコンテンツとして、もっとクルマ好きを作る、お客様にモータースポーツ観戦のおもしろさを体感していただこうと奮闘する社員もいます。

「2019年 Summerレース観戦ツアー」として約150名のお客様を富士スピードウェイにご招待し、チームの応援をクリスタルルームからできるツアーを開催。

レースの合間には、ドライバーによるトークショーが開催され、社員ドライバーはもちろん、清水宏保さんと、今回86/BRZ Raceに参戦している元プロ野球選手で野球解説者の山崎武司さんがスペシャルゲストとして登壇し、アスリートトークショーもあり、盛りだくさんでお客様も大喜びです。

TMTのGR Garageを統括する室長の塚越富夫さんは、「クルマをご購入いただいたお客様と一緒に走ったり、レース観戦をしたりと、クルマを五感で体感して、もっと自分のクルマを愛していただく。本物の愛車として楽しんでいただくサークル活動として展開しています」。

7月28日には富士スピードウェイのジムカーナ場にて86レースカーやラリーカーに同乗体験できたりする「ドライブミーティングin富士」。

8月24・25日は「GR Garage東京三鷹」で、CUSCOやENDLESSの86デモカーの展示や、カスタマイズ相談ができる“カスタマイズフェア”を開催。「GR Garage東京三鷹」は、クルマを買ってから、もっとクルマの楽しさを体感できるユニークな場所になっています。

  • クリスタルルームを貸し切りでトークショー
    クリスタルルームを貸し切りでトークショー
  • 走行直後にオンボードカメラの映像を観ながら臨場感あふれるトークショーを開催
    走行直後にオンボードカメラの映像を観ながら臨場感あふれるトークショーを開催
  • 86/BRZ Race決勝スタート前にお客様と水谷さんを激励にいく
    86/BRZ Race決勝スタート前にお客様と水谷さんを激励にいく
  • トップでゴールし、お客様も大喜び
    トップでゴールし、お客様も大喜び

ラリーチャレンジにも果敢に挑む

昨年より、塚本奈々美さんとコンビを組んで、私もラリーに参戦させていただいていますが、ここでも、社員がVitzやアクアのラリーカーに乗って参戦しています。しかも社員ドライバーは、毎回社内応募制で、ラリー未経験者が参戦しています。

これはGR Garageだけでなく、TMTで様々な部署の社員にモータースポーツを体感してもらって、社内でももっと知っていただく活動をしています。吉川厚司総監督を中心に毎回事前に練習走行を行い、ラリーの仕組みやマシンの走らせ方を学んでいます。

参加したある社員は、「普段、アクセル全開なんてできないですが、ラリーでは思いっきりできる。Vitzやアクアがこんなによく走るクルマなんだと驚きましたし、同僚やお客様に伝えたくなりますね!」とモータースポーツを通して、クルマの楽しさを感じ、そのうねりが社内でも少しずつ広がっています。

ラリーチャレンジにアクアで参戦する社員ドライバーとコドライバーの長山さん
ラリーチャレンジにアクアで参戦する社員ドライバーとコドライバーの長山さん
Vitzでも社員ドライバーと咲川さんがコドライバーとなって参戦
Vitzでも社員ドライバーと咲川さんがコドライバーとなって参戦

クルマ好きが集まる場所「GR Garage」

86/BRZ Raceプロフェッショナルシリーズの優勝者の水谷さん。

ふだんはエンジニアとして勤務しNetz Cup Vitz Raceのドライバーやラリーチャレンジのコドライバーとして参戦している長山さん。

これらレースや、ラリーのマシンを担当するメカニックが働いている「GR Garage東京三鷹」は、行くだけでもおもしろい。

専任次長の山内淳さんは「僕らの若かった頃のように、最近では、中学生や高校生が自転車でやってきてクルマを観たり、カタログをもらいに来てくれます。応対しているだけでも将来がワクワクします」。

モータースポーツ活動をキーに着実にクルマ好きが集まる場所になってきている“GR Garage”これからが楽しみです!

 “GR Garage東京三鷹”のピットにて
“GR Garage東京三鷹”のピットにて
お客様もチームの一員としてレース活動を一緒になって楽しむ
お客様もチームの一員としてレース活動を一緒になって楽しむ

(写真:TOYOTA GAZOO Racing、GR Garage東京三鷹/テキスト:寺田昌弘)

ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。


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