GRヤリスを楽しんできました。MTGモーターフェスティバル・・・寺田昌弘連載コラム
私も毎年楽しみにしている、宮城トヨタグループ(以降MTG)主催の「MTGモーターフェスティバル」。
回を重ねるごとにコンテンツも充実し、来場者もリピーターが増え、一緒に盛り上がるイベントになってきています。私はこれまでランドクルーザーなど、主に4WDのコンテンツを担当していましたが、今回はなんとサーキットでお客様を乗せて走る「プロドライバー同乗」のドライバーも担当することに。
クルマはGRヤリスなので、確かに4WDですが、スーパー耐久をはじめ、現役レーシングドライバー中心のなかに入って果たして大丈夫かなと思いながら、スポーツランドSUGOを走り回りました。
強力な助っ人をお呼びしました。清水宏保選手、小山美姫選手、田ケ原章蔵選手、山口明選手
例年はスーパーGT参戦のドライバーもいるのですが、今回は第4戦と重なってしまったため、新たなドライバーにも参加していただくことに。
そこで先日TGRラリーチャレンジで、コンビを組ませていただいた清水宏保選手にお声掛けしました。清水選手とは過去に、同じトヨタモビリティ東京のレーシングチームに所属し、清水選手はVitz RACE、私はTGRラリーチャレンジに参戦していました。
清水選手は今シーズン、ラリーだけでしたので“久しぶりにサーキットを走りませんか?”とお誘いしたところ、1日だけスケジュールに空きがあり、参加していただけることになりました。
清水選手といえば長野オリンピック、スピードスケート500mの金メダリスト。スケートは北海道とともに宮城県も聖地として知られ、清水選手に来ていただくことで宮城の方々に元気をお届けできると考えました。
そして女性ドライバーにも参加してもらいたいと思っていたところ、小山美姫選手にご参加いただけることに。小山選手は5歳からカートをはじめ、13歳から海外レースに参戦、F4、F3とフォーミュラカーでステップアップしながら、女性による国際シリーズ「フォーミュラ選手権Wシリーズ」に参戦したこれから期待大のドライバー。
TGRドライバー・チャレンジ・プログラムの一員として、今シーズンはフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップに参戦し、現在シリーズトップです。
さらに田ケ原章蔵選手。スーパーGTやスーパー耐久など、GTマシンの使い手として知られ、MEGAWEBでのイベントでご一緒することも多く、ドライビングはもちろんトークもすばらしいドライバーです。(MEGAWEBはトヨタの「見て乗って感じるモビリティの体験型パーク」で2021年12月に閉館しました。2025年にはその跡地に次世代アリーナが建設され、TOKYO A-ARENA PROJECTが推進されますが、詳しくはまた次回のコラムでお話しできればと思います。)
そしてF4、F3とフォーミュラで活躍した山口明選手も加わり、4名の新たなドライバーと、毎年参加されている地元出身の佐藤晋也選手、森下陽介選手、スーパー耐久でご活躍の坂本祐也選手、銘苅翼選手とともに、お客様にサーキットでクルマの楽しさを体感していただくラインナップとなっています。
GR86が加わり、走りの楽しさが広がった
今回、私たちがドライブするのはGRヤリス、MARK X GRMN。そして新たにGR86が加わりました。
小山選手、銘苅選手、清水選手・・・GRヤリス
田ケ原選手、佐藤選手、森下選手・・・GR86
山口選手・・・MARK X GRMN
坂本選手・・・VW Golf R(宮城トヨタはVW事業もあるため)
にそれぞれ乗りこみ、お客様同乗でサーキットを走ります。
ドライバー紹介をしていたとき、清水選手が紹介されると「本物ですか!」と驚かれるお客様が多く、しかも同乗できるとあって大喜びでした。
走りとしては、銘苅選手と小山選手が先頭でバトルを繰り広げ、それをGolf Rが追いかけ、中盤で3台のGR86がバトルを展開。その後ろからMARK X GRMNの山口選手とGRヤリスの清水選手が追いかける形でスタートしました。
バトルといっても、エンターテインメント性溢れる走りで、コーナーで抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げたり、ストレートはスリーワイドで1コーナーまで向かって行ったりと、同乗者は呼吸するタイミングを忘れるほど、エキサイティングな走りを体感しました。
銘苅選手は「小山さん、GRヤリスでも本当に速い!」と驚いており、田ケ原選手と同じGR86に乗る佐藤選手、森下選手が捉えて離さず走るなど、新しく加わった選手のおかげで、いい緊張感が増し、観ていておもしろかったです。
今回、清水選手は初めてスポーツランドSUGOを走るということもあり、出だしはラインもペースも悩んでいましたが、他の選手たちがアドバイスをしたことで、みるみるうちにペースが上がり、後半は3台のGR86の後方にぴたりとついていけるようになりました。
さすがオリンピックで金メダルを獲った、一流アスリートの習得能力の高さにみな驚いていました。
翌日から清水選手とバトンタッチするかたちで、私がGRヤリスに乗りました。清水選手と同様、最初はなかなかペースが上がらず苦戦。
すると銘苅選手が「そのGRヤリス、タイヤのグリップがだいぶ落ちてきています、こちらのGRヤリスの方が、タイヤがいいので交換しましょう」と。
すると、これがびっくりするほど走りやすい。銘苅選手のやさしさに感謝しきりです。
同乗するお客様は、GR86は1~2名、GRヤリスは2~3名です。このお客様の人数によってもバトル具合が、がらっと変わるのも面白いです。
同乗のお客様が1名だったときが一度だけあり、このときはGR86とサイドバイサイドで余裕を持って走ることができ、同じ乗車人数ならパワーに勝るGRヤリスで走れてかなり楽しくなってきました。
同時に車重でここまで変わるのだと、スーパーGTのサクセスウエイト(重さによるハンディキャップ)の意味を体感しましたね。それにしてもGRヤリスをサーキットで乗り続けていると、どんどん走りがおもしろくなってきました。
こうしてサーキットを走り、お客様に“楽しい!”を連発していただき、走りながらGRの世界観をご体感いただけたコンテンツだったかと思います。
いろんな乗り物の楽しさを体感できるコンテンツもたくさん
サーキットでは他にも、2人乗りフォーミュラカーに乗れたり、さまざまな試乗車を自らドライブできる「サーキットクルージング試乗」、86やGRヤリスの愛車でサーキットを走れたり、宮城県警白バイデモランなどが見られたりとコンテンツが盛りだくさんです。
また、ドリフトタクシーに同乗し、ドリフトを生で体感できたり、ランドクルーザーで階段を登ったり、横に傾きながら丸太を越えたりする同乗試乗コンテンツも大人気です。
さらにキッズコンテンツも充実。クルマのボディが黒板のようになっていて、自由にお絵描きできたり、キッズバイク・キッズカート体験ができたり、と家族連れのお客様にも大好評でした。
こうしてお客様と一緒にクルマで楽しめるイベントは、私たちにとっても存分に楽しく、笑顔になれます。その笑顔が会場にいるみなさんに伝わっていき、心地よい空間になっていることが何よりうれしいです。
特にお子さんたちが、親と一緒に週末を笑って過ごしている姿を見て、未来のドライバーがすくすく育っているなと実感しています。彼らが夏休みの絵日記で、このイベントのことを書いていてくれたら嬉しい限りですね。
写真:茅原田哲郎/文:寺田昌弘
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。
[GAZOO編集部]
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