江東区が熱い!臨海副都心エリアはスポーツやモビリティで進化する・・・寺田昌弘連載コラム
私は東京都・江東区に生まれ育ち、祖父の代から3代目。いわゆる江戸っ子です。
深川という江戸時代からある土地に暮らしていますが、南の東京湾側は埋め立てが進み、バイクに乗るようになってからは、若洲の15号埋立地(現在はゴルフ場・キャンプ場)でオフロードバイクを持ち込み走り回っていました。
そんな豊洲、有明、青海、東雲といった臨海エリアは、超高層マンションやビルが立ち並び、都内在住でも憧れる方が多い、近未来的なエリアとなりました。江戸時代から神輿を担ぐ私が暮らす地区と、同じ江東区でもその街並みはまったく異なります。
そんな江東区の臨海エリアで、2つのニュースがありました。
ひとつは豊洲で新型シエンタ発表とともに期間限定で「SIENTA DOG PARK」がオープンしたこと。
もうひとつは青海でMEGAWEB跡地に次世代アリーナが建設されることです。
スクーターでも行ける距離ですが、久しぶりにバイクを出して充電がてら現場に行ってみました。
家族、愛犬、愛機とずっと一緒にいられるクルマ「シエンタ」
アーバンドックららぽーと豊洲の中庭シーサイドデッキには、7台の新型シエンタが並び、特設のシエンタドックパークには愛犬を連れた夫婦、家族が多く来場していました。なかには愛犬を抱いてプロカメラマンに撮影してもらっている方や、愛犬をプールで遊ばせているかたも。
観ていた方々に聞いた言葉を挟みながら紹介します。来られていたのは、30代くらいのご夫婦+お子さん1~2人の家族連れ、同年代の夫婦で愛犬を連れているかた、そして60代の夫婦や男性のみのお客様が特に多かったです。
新型シエンタを観た第一印象は、“長く乗ってもより愛着が湧きそうな落ちついたスタイリング”です。
2012年から世界的なブランディングのため、フロントマスクデザインの統一化があり、「キーンルック」と呼ばれる中央のエンブレムを中心として、V字に大きく広がる立体的なデザインと精悍なヘッドライトが展開されてきました。
新型シエンタも、中央エンブレムからブラックアウトされた細いラインが、両サイドに広がっていますが、ヘッドライトは前から見ると小型でスクエアな感じで、小動物のようにクリっとした瞳のようでかわいらしいです。斜めから見るとボディサイドに向けて切れ長になっていて、キーンな感じになっています。
お客様「デザインのおかげですかね。独特な質感があって新鮮です」
全体はスクエアなスタイルですが、コーナーが小さなRでコンパクトながら立体感が出ています。ボディカラーは7カラーとツートーン(グレードにより有無あり)がありますが、個人的にはアーバンカーキやベージュが特にこのスタイリングや風景に合うと思います。
インテリアでほとんどのみなさんが確認されていたのが、シートのレイアウトチェンジです。
特に3列目シートへアクセスするために、2列目のシートをどのように動かすのかを試し、その後どの家族も、まずお父さんが3列目に乗って居住空間をチェックし、その後、お子さんに変わっていました。
お子さんたちはちょっと隠れ家的な3列目を楽しんでいました。普段、3列目は使うことも少ないので格納時もチェックしていましたが、左右跳ね上げ式だと後方視認性が狭まったり、室内を狭く感じて威圧感を与えたりしてしまいます。下部に格納できることで、2列目の足元も広く、カーゴスペースも広くとれるのはいいポイントですね。
一方、5人乗り2列シート仕様車では、ご年配の方がフラットラゲージモードにして寝ていて
「ひとりで釣りに行ったときにこうして横になるので、このサイズなら十分」
とおっしゃっていました。天井内側にロッドを搭載して寝ころびながら、それを眺めているだけでも釣り好きには至福のひとときだと思います。
敢えて大きくせず5ナンバーサイズに収め、最小回転半径を5mに縮め、限られた空間を有効にレイアウトしながら、利便性と遊び心を充実させている新型シエンタ。
その昔、ヴィッツ、プラッツ、ファンカーゴと同じプラットフォームでスタイルの異なるシリーズがありましたが、ファンカーゴはちょっとおしゃれなコンパクトトールといった感じでした。
ファンカーゴは欧州では、「ヤリスヴァーソ」として販売されていましたが、パリの路地で使い込まれたヤリスヴァーソを見たとき、とても風景にマッチしていてかっこいいなと思っていました。
たとえばSnap onやFACOM、KTC、TONEといった工具を見たときに、使い込まれていると“これはジャパンブランド”で“これは海外ブランド”と見分けがつかないと思います。それと同じような感覚です。
廉価グレードのX(7人乗り)は、現状2023年4月以降の販売となっていますが、これをベースにちょっとカスタムして、自分のライフスタイルまで伝わってきそうな相棒にする若者も増えるのではと思います。
Z、Gグレードでもスチールホイールですので、これはまずホイールから自分らしいスタイルにしてみてください、というメッセージなのかと思います。来年のオートサロンでどのようなカスタマイズカーが出展されるか、今から楽しみです。
思い出のMEGAWEB跡地から「TOKYO A-ARENA PROJECT」が始動
トヨタの「見て乗って感じるモビリティの体験型テーマパーク」として1999年にオープンし、昨年末に閉館したMEGAWEB。
クルマの楽しさを伝えるイベントで出演させていただいたり、ダカールラリーを日本でも知っていただこうと自らイベントをプロデュースしたりと思い出深い場所です。
このエリアでは2025年秋、次世代アリーナ誕生とともに「TOKYO A-ARENA PROJECT」が始動します。
「可能性にかけていこう」というコンセプトのもと、スポーツ、モビリティ、サスティナビリティの分野で、様々な可能性を集積し、解き放たれる場所になることを目指す、という思いは、これらの分野でいろんなパートナーと協力し合いながら紡ぐミニウーブンシティのような感じになるのでは?と予想します。
アリーナはバスケットボールのB.LEAGUE B1部に所属する「アルバルク東京」のホームアリーナとなります。江東区ではほかに、ラグビーのリーグワン ディビジョン3「清水建設江東ブルーシャークス」が夢の島をホームとしています。ここでさらにバスケットボールチーム「アルバルク東京」が来てくれることで、東京オリンピック・パラリンピック競技の約半数が開催された江東区が、再びスポーツで盛り上がれてうれしいかぎりです。
今回トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京によるプロジェクトの発表ですが、この臨海副都心エリアを中心に東京都では約1000ha(東京ドーム約210個分)を活用し、先進技術実装モデル都市を作る「東京ベイeSGプロジェクト」が始まっています。
元ヤフー社長で、現在、東京都副知事の宮坂学氏が、50年後、100年後を見据えたプロジェクトを掲げ、5G通信、再生可能エネルギー、自動運転・AI交通管制、医療DXなどが展開されます。
「TOKYO A-ARENA PROJECT」の“可能性にかけていこう”というコンセプトは、この「東京ベイeSGプロジェクト」とともに発展していくことでしょう。
さっそくMEGAWEB跡地を見に行ったのですが、すでに建物は無くなっており、隣の観覧車も8月末をもって終業となりました。
そしてヴィーナスフォート側も3月に閉館しました。こちらもどのようなエリアになるのか、江東区民のひとりとしても今から楽しみです。
写真:トヨタ自動車・寺田昌弘/文:寺田昌弘
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。
[GAZOO編集部]
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