シエンタの故郷で、シエンタの親にご挨拶・・・寺田昌弘連載コラム

発売から大人気の新型シエンタ。実は宮城県で生産されていることをご存知でしょうか?

また、トヨタ最小ミニバンのコンパクトさから、てっきり都市部中心に受注が多いと思いきや、東北地方での販売が特に多いそうです。

宮城県、岩手県と東北に生産工場があるトヨタ自動車東日本の支援もあるかと思いますが、やはり東北地方の県民のみなさんの地元愛もあると思います。

11月5日(土)、6日(日)に宮城トヨタグループが、「MTGカスタマイズフェア」を夢メッセみやぎにて開催。そこで新型シエンタの開発責任者とトークショーをすることになり、宮城の方々と新型シエンタを囲みながら盛り上がりましたので、その様子をお伝えします。

私もひとめぼれした新型シエンタの魅力とは

  • (左から)トヨタ自動車東日本の百津新太郎さん、新型シエンタ開発責任者の鈴木啓友さんそして私

新型シエンタ開発責任者、Toyota Compact Car Company TC製品企画 ZP チーフエンジニアの鈴木啓友さんとトヨタ自動車東日本・プロジェクトBチーフ・スタッフの百津新太郎さんにお越しいただき、台本なしのトークショーを開催。

台本を作り込むより、その場で鈴木さんと百津さんが話したいことをお話しいただこうとライブ感溢れる進行となっています。進行役の私は観客のみなさんと同じ感覚で聞き手に徹します。

私が新型シエンタを見たとき、気軽にピクニック気分で乗れたら楽しそうだなと思いました。ピクニックといえばおにぎり、おにぎりと言えばお米、お米といえば宮城では「ひとめぼれ」や「つや姫」が王道ですね。

私は新型シエンタに“ひとめぼれ”でした。
何故私が惹かれるのか、その魅力を鈴木さんと百津さんに伺ってなるほど!と思ったことをお伝えします。

15インチのタイヤが大きく見える!? デザインの妙

  • 実車を使いながら新型シエンタの魅力を紹介していく

トヨタのフロントデザインは「キーンルック」で統一され、フロントセンターのエンブレムからV字型に切れ上がったデザインになっています。

最近の新型クラウンや新型プリウスなどは、切れ長のヘッドランプが特徴的ですが、新型シエンタはCMの印象も相まって、犬のようなつぶらな瞳のヘッドランプに見えます。

ただよく見ると、エンブレムからブラックのキーンなラインが、ヘッドランプまでつながるところでキーンルックを取り入れています。

  • エンブレムからブラックラインを通じてヘッドランプへキーンルックなスタイリング

ボディサイドを見ると、下部にバンパー、サイドプロテクターなど黒いパーツが目を惹きます。これは15インチのタイヤサイズを大きくみせる視覚効果のためとのこと。
185/65R15のタイヤサイズであれば、乗り心地がよく、最小回転半径も5mと、前モデルより20cm小さくなって、より小回りが利くようになりました。

  • サイドモールプロテクターは機能だけでなくタイヤを大きく見せるデザイン要素も併せ持つ

運転席に乗り込んで最初に驚いたのは、ボディフロントが見えること。
最近のクルマは、フロントが斜めになっていて見えないタイプが多いのですが、いい意味で一昔前の車のように目視で車幅が確認でき、安心感があります。

またインパネがステアリングの上側ではなく、間から見るレイアウトで、フロントが広々と見渡せるとこも良いです。
そしてサイドのガラスもベルトラインが低く、水平になっているので横はもちろん、斜め後方も目視で確認でき、安心感を高めてくれています。
ガラスが上下方向にも広くなっているため、窓の大きなリビングのように開放的です。

インテリアは、お家のリビングにいるような心の開放感が生まれる

インテリアのこだわりを伺ったところ、教えていただいたのが「カップホルダー」。
形状が四角で、さらに横に小さなトレーのようなものがあります。四角い理由は500ccの紙パックにストローを差して飲む方が多いことから、四角い容器でも安定しておくことができるようにしたそう。

そして小さいトレーは、ペットボトルのふたを置く場所。言われてみればペットボトルで飲むとき、キャップは手で持ちながら飲んで、置くときはキャップを締めて置いて、とどうしてもせわしなくなってしまいます。しかし、そういうものだと思っていたので、この心遣いには驚きました。

  • 500ccの紙パックもこのようにぴったり入る。紙パックの右奥に見えるのはキャップ入れ

またリヤドアを開ける際には、フロントドアハンドル下の床下に足をさっと入れるだけで開く「ハンズフリーデュアルパワースライドドア」も感度がよく、まるで自動ドア感覚です。

フロアが低く、天井側も広いので身長180cmの私でも大きくかがむことなく乗り降りできます。座ると1列目シートとのスペースが広く、かなり快適です。前モデルと比較すると前後のカップルディスタンスは80mmも広くなっています。

  • リヤスライドドアの開口部の広さを解説する鈴木さん

そして2列目シートで特に気に入ったのがUSBポート。1列目シートバックに設置され、さらにポケットがあるのでスマートフォンをポケットに入れられます。飛行機ではUSBポートがある座席はあるものの、ポケットがなく、これならすぐ取り出せるし便利です。

新型シエンタには2列シート車と3列シート車があります。
2列シート車はワンアクションでフラットにでき、私が寝られるくらいの空間ができます。室内高が高いので自転車も立てて載せられます。

3列シート車はまず2列目を前方向に回転させ、3列目シートを折りたたみ、2列目シートがあったところに滑り込ませてから、2列目シートを元に戻します。こうすると5人乗りとなり、広いカーゴスペースができます。

2列シート車も3列シート車も、2列目の足元空間は同じなので、3列シート車を選び普段は5人乗りの状態にしておいて、7人乗車するときだけ3列目を出すという使い方がよさそうです。

  • シートを倒してできる広さを紹介する百津さん

  • 参加者からも具体的な質問が多く、大盛り上がり

ひとめぼれからもっとよく知るためには試乗がおすすめ

鈴木さんや百津さんに直接お話を伺うと、開発しているときの苦労よりも、トヨタ最小ミニバンとして、最高の相棒とはどういうものかリサーチを重ね、乗りたくなる、一緒にいたくなるクルマをチームで造り上げる楽しさが伝わってきました。

この“楽しい”という思いが新型シエンタのエクステリア、インテリア、快適性、走行性能に詰まっていて、今回私はお話を伺っているだけでワクワクしてきました。

見た目で一目惚れした「恋」が、早く乗ってドライブしてもっと知りたいと思う「愛」に変わりました。
ひとめぼれしたみなさん、ぜひ新型シエンタに試乗してみてください。惚れ直すこと間違いなしです。

[写真:MTG 文:寺田昌弘]

ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。


[GAZOO編集部]

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