水素を使う人になりたくて、初代ミライを買いました!・・・寺田昌弘連載コラム

  • 無事納車。これからFCEVならではの楽しさをみつけてみます

昨夏に自動車評論家の国沢光宏さんを中心にトヨタ・ミライで1回の水素充填でどこまで走れるかに挑戦し、世界記録を樹立。そのとき走ったミライの楽しさとこれから来る水素社会を今から日常にしておこうと、ミライを愛車に加えようと思い立ちました。しかしディーラーに行くと現行モデルの納車時期は未定とのことで新車購入はあきらめ、このサイトの中古車選択を押し、「GAZOO中古車by KINTO」でミライを探してみることにしました。今回はお気に入りの1台をみつけるまでをお届けします。

全国で約100台が見つかった初代ミライ

GAZOO中古車by KINTOでまず「メーカー・車種」でミライを選択してみると95台が抽出されました。在庫のあるエリアをみるとやはり東京、愛知といった水素ステーションのインフラを積極的に進めている都県がほとんどです。現行モデルもあるのですが、国と都の補助金を考えると新車とあまり価格が変わらなかったので選択肢から外すために、年式を~2020年にして選択。そしてエリアを東京にして検索すると30台が抽出されました。

ミライのボディカラーはすべてツートーンでメーカーオプションが3カラー(ホワイトパールクリスタルシャイン、プレシャスシルバー、プレシャスブラックパール)に標準カラーが3カラー(ダークレッドマイカメタリック、ダークブルーマイカ、ピュアブルーメタリック)の6カラー。特にこだわりがなかったのですが、知人がプレシャスブラックパールとダークブルーマイカに乗っていたので、それ以外で探します。初代ミライは2018年10月30日からトヨタセーフティセンスが第2世代にアップデートされているので、できればこちらがいいのですが、トヨタセーフティセンスPでも十分なので選択項目には入れませんでした。

中古車を買うのが初めてだったこと、FCEVであることから「TOYOTA認定中古車」から選ぶことにしました。当初は少しでも安く買おうと思い、オークションの価格も確認しましたが、あまり変わらなかったことや、何より内外装やエンジンルームまできれいにしてくれること、クルマの状態をトヨタ認定車両検査員が検査して公開してくれる車両検査証明書があること、そして1年間の無料保証(購入時、有償で3年まで延長可)と全国約5,000か所で保証修理が可能であることは、初めてFCEVのオーナーになる私にとって心強かったからです。

車両検査証明書ですが、内装、外装が5段階、総合評価が11段階となっています。何人かのディーラーの知人に聞いたところ、総合評価が4以上だったらかなりコンディションがいいというので4以上で選ぶと、たまたま自宅近くのトヨタモビリティ東京U-Car店に在庫があるのがわかり、まず観てみようとその場でスクーターに乗って出かけました。ふらっとお店に入って展示してあるミライを見ていると、私のような飛び込み客を対応してくれるスタッフがやってきました。そこで総合評価が4以上でボディカラーは問わないなど必要条件を伝えると、その場でスマホで検索してくれました。そして目の前にあるミライと比較しながら、いい点や悪い点などを明確に教えてくれます。さらに車両外装状態の図を見ながら、目の前にあるミライのキズや凹みなどと照合しながら説明してくれます。キズの状態は4段階になっているのですが、極小程度のキズは目視でもあまり気づかないほど微細なのに驚きました。これがキズというのであれば、私のランドクルーザーはキズだらけです。

この実車比較解説のおかげで中古車の選び方がよくわかり、GAZOO中古車by KINTOのリストの中から、他店舗にあるミライを選び、店舗移送を依頼しました。

  • スマホでGAZOO中古車 by KINTOから検索。東京で検索をかけると30台がヒットした

  • 外装のキズなどもチェックできる。線キズのA1は写真で撮っても写らないレベルだった

  • 品質情報の評価。かなり謙遜して表記してある感じ。軽微なキズや凹みは目立つどころか気づかないレベル

車検が2年ついて192万円!これに決めた!

2日後に実車が最寄り店に届き、さっそく見にいくとあまりのきれいさにびっくり!外装のキズは前後バンパーと右後部ドアに5か所とホイール2輪に「A1」(極小のキズ)、フロントガラスに飛び石のキズがあると車両外装状態には記されているのですが、確認するとホイールは明確にわかるのですが、このホイールはやがてスタッドレスタイヤ用にして新たにホイールを買えば済むことで大事なのはボディのキズ。これがボディカラーがシルバーだからなおさら目立たず大正解。内装はおそらく室内保管だったのか、樹脂の日焼けも一切なく、シート、フロアもびっくりするほどきれい。

走行距離は32,000kmで価格は本体価格が186万円(税込)。車検整備などすべて含めると196.9万円(税込)と当初想定していた200万円以内に収まりました。さっそく契約しようと思ったら、スタッフがドアミラー下のプラスティックが割れているのをみつけて、これは車両検査時にはなかったかもしれないので、無償で新しいドアミラーにしてもらうことに。私がみても気づかないほど小さな割れでしたが、スタッフの細かな配慮に感謝です。さらにタイヤの溝が規定値より減っていたのでこちらも新品に交換してもらえました。また店舗によってサービスが異なると思いますが、私がお世話になっている店舗は平日納車を選ぶと2万円値引きキャンペーンを実施中で、細かな値引きを含めて192万円(税込)で商談成立。大満足です。

さっそく車庫証明を警察に取りに行き、納車を楽しみにしていましたが、ミライの場合、水素タンクの検査などいくつかFCEVならではの確認事項があり、日数がかかります。ただこの検査のおかげで水素が満充填された状態で納車されるのでお得です。ただドアミラーパーツの納品に2週間近くかかるオチがついて、遅くなりましたが無事納車されました。

私が敢えて初代ミライを選んだ理由

当初は現行ミライを買おうかとも思っていましたが、初代ミライの中古車情報を調べていたときに、このGAZOOの中古車サイトだけでも約100台もあることを知りました。しかも相場が200万円でよく探せば私のように100万円台で極上の初代ミライをみつけることも可能です。そして何より思ったことは、この初代ミライはモビリティとしてはもちろん水素発電機でもあり、この先進技術がこのままディーラーの中古車ヤードに置いたままであるのは、あまりにももったいないと思ったからです。幸い私の暮らす東京・江東区は東京オリンピック・パラリンピックのおかげで水素ステーションが多くあり、自宅から5分で水素充填が可能です。この利点を活かしながら、日常生活に水素を使うことを取り入れ、来るべき水素社会に備えて体感しながら、モビリティからみた社会を支えるアイデアが浮かんだらいいなと思っています。これから私の水素生活についてもここで報告させていただきます。お楽しみに。

写真:文/寺田昌弘

ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。


[GAZOO編集部]