クルマ好きに知って欲しい、国際色豊かな国際自動車映画祭をご紹介・・・寺田昌弘連載コラム


映像と自動車文化の独自の融合、新しい映像表現や監督の発掘を目的に実行委員会が発足し、今年で3回目の開催となる「International Auto Film Festa(国際自動車映画祭)」。今回の応募条件は15分以内、2024年1月1日以降に完成した作品で、73ヶ国から499作品がエントリー。

私は創設からの委員として参画しており、毎年世界中から集まる作品にワクワクしながら審査しています。今回より審査員もグローバルに拡がり、海外でも少しずつ認知され始めています。

そして3月31日にノミネート作品が決定。4月26日のアワードパーティーに向け、皆さんにも作品に触れる機会もあるので紹介します。

海外審査員も加わり、より幅広い感性で審査

ビデオグラファー代表の清水喜之さん、モータージャーナリストの生方聡さん、デザイナーの内田雅人さん、私の4名とこの映画祭への思いに賛同してくださった「CAR GRAPHIC」代表で日本カーオブザイヤー実行委員長の加藤哲也さん、欧州の自動車専門誌で発行部数No.1の「Auto Bild」の日本版「Auto Bild Japan」代表の江原慎一郎さんで審査をしてきました。

世界中からさまざまな感性の作品がエントリーすることもあり、審査員もさまざまな感性を持つ方々になっていただきたいと思っていたところ、日本からForbesをはじめ、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界に新車情報などを発信する国際モータージャーナリストで日本COTY選考委員のピーター・ライオンさん(オーストラリア)、ニューヨークタイムズなど新聞、経済誌からVOGUE、ELLEのファッション誌などに寄稿する自動車レポーターのジャクリン・トロップさん(アメリカ)、2024年のグランプリ受賞監督でアーティストのMVからダノンなど大手企業とのコラボレーションを手掛けるマリオ・ボックさん(ポルトガル)、イギリスの名だたる新聞、タブロイド紙のコラムニスト、編集者として活躍しブリティッシュ・モーターショーのプレジデント、Best Cars Of The Yearの審査員兼創設者のマイク・ラザーフォードさん(イギリス)、そしてF1ドライバーとして活躍し、ル・マン24時間レース、ダカールラリーなど世界的なモータースポーツに挑み、現在日本チーム初となるツール・ド・フランス参戦を目指し、プロサイクルチーム「JCL Team UKYO」代表として再び欧州スポーツ文化へ挑む片山右京さん。

さまざまな視点で作品を審査しています。

  • (上段左から)加藤哲也さん、清水喜之さん、江原慎一郎さん(下段左から)内田雅人さん、生方聡さん、私

  • (上段左から)ピーター・ライオンさん、ジャクリン・トロップさん、マイク・ラザーフォードさん(下段左から)マリオ・ボックさん、片山右京さん

バラエティーに富んだ今年のノミネート作品

欧州、北米、南米、アジア、オーストラリア、アフリカと世界中からエントリーされた作品は多岐に渡ります。作品規定は15分以内で、参加条件は「クルマへの愛があること」。

ストーリー立てたショートフィルムやアニメーション、CG、PV、MV、CMなど、クルマがさまざまな位置で映像に登場します。CMのように主人公であったり、映画の名脇役のようだったりと自由です。
またダイナミックに疾走するシーンがあったり、一本道をのんびり走っていたり、停車した車内での物語があったりと様々です。

今年もさまざまな作品があります。
アニメーション/CGは、手書き感覚のアニメからCGで立体的な主人公が動いたりとおもしろいです。ドラマは最も国柄が出ていて、ラテンの明るい感じから中央アジアのちょっとシリアスなものまでさまざまです。ドキュメンタリーはレースの模様やメイキング映像などがあり、MVは挿入的にクルマが使われていたり。

また登場するクルマは高級車やクラシックカー、トラック、軽自動車と年代もサイズもさまざまです。ただ作品の監督はそのクルマにみな思い入れがあるのが伝わってきます。

  • タイトル「コペコペコペン」・アニメーション(日本)

  • タイトル「NIGHT SHIFT」・ドラマ(アメリカ)

  • タイトル「Memory Lane - A Love Letter to the Jaguar E-Type」・ドラマ(イギリス)

  • タイトル「VRIDEN - Snow Drifting In Sweden」・ドキュメンタリー(スウェーデン)

  • タイトル「An Intense Embrace」・MV(インド)

昨年のグランプリは、若い頃にパリ・ダカールラリーに憧れていた人たちがサハラ砂漠を越えていくドキュメンタリーで、アフリカの壮大な風景のなかで繰り広げられるヒューマンアドベンチャーでした。パリダカを走ってきた私が観ても、作り込みのないリアルがそこにあり、没入感あるいい作品でした。

今年はどれがグランプリを獲るのか、発表が楽しみです。

  • 2024年のノミネート作品

4月13日は幕張、15日〜20日は青山、26日は六本木で出会える

そろそろノミネート作品の発表がありますが、4月は公式サイトはもちろん「International Auto Film Festa」に触れられる機会があります。

〇4月13日(日)12:15~13:15
幕張メッセで開催される「AUTOMOBILE COUNCIL 2025」にて、代表の清水喜之さんと審査員のピーター・ライオンさん、アンバサダーの吉田由美さんが「クルマがあるから、映画が楽しい」をテーマにクルマが登場する映画の魅力、映画の中での車の魅力を熱く語るトークショーがあります。

〇4月15日(火) 〜 4月20日(日)
青山のマツダの世界に触れられる空間「MAZDA TRANS AOYAMA」2F ラウンジにてノミネート作品の上映を開催します。
カフェカウンターがあるので、ドリンクや軽食、スイーツなどとともに2Fの特別な空間で、ゆったりとノミネート作品を観られます。そして初の試みとして来場者からの投票を受け付けます。好みの作品、気になる作品を見つけたら、気軽に投票をしてみてください。各監督へのメッセージもぜひ。

〇2025年4月26日(土)
グランプリをはじめ、各受賞作品の発表の場となる「International Auto Film Festa 2025 AWARD PARTY」を六本木のAXIS GALLERYで開催します。
映像クリエイターから映画好き、クルマ好きなど様々な人が参加し、こちらも「クルマへの愛」があればどなたでも参加(公式サイトより事前予約制)できます。映像に関わるクリエイターや自動車関係者など、作品とともにさまざまな出会いがあるアワードパーティーにもぜひお越しください。もちろん、私もいます。

画: International Auto Film Festa/文:寺田昌弘

ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。


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