オーナーの数だけストーリーがある。ランクル70とミライのオーナーズミーティングに行ってきました・・・寺田昌弘連載コラム

私の愛車はランクル70とミライ。

ランクル70はパリダカールラリーに初参戦するために1996年に新車で購入し、欧州やアフリカ大陸を走り、私の夢をかなえてくれた相棒。日本でもオフロードを走ったり、こつこつ消耗部品を交換しながら29年乗り続けている私のアイコン的存在です。

そしてミライは、もともと初代プリウスとともに世界中を旅しながらHEVのおもしろさを知り、クルーガーハイブリッド、ハリアーハイブリッドと2台のHEVを乗り継いできて、そして初代ミライのコンセプトと技術に興味があり、乗り始めました。

さらに給電能力の高さをライブやイベントに活かす活動をしながら、縁あって現行モデルに乗り換えました。モーターの加速はもちろん、FRならではのドライビングプレジャーが堪能でき、乗るたびに好きになっています。

そんな愛車の2台ですが、それぞれオーナーズクラブがあり、今年もミーティングがあったので行ってきました。

20回目を迎えたランクル70オーナーズミーティング

  • フロントマスクで世代がわかるランクル70

以前、ランクルの専門誌でオーナー取材を300組近くやっていたときに様々なランクルオーナーに出会ってきました。

なかでもランクル70はふだんからオフロードを楽しむオーナーが多く、ミーティングも毎回、山梨県にあるスタックランドファーム・オフロードコースで1泊2日のキャンプスタイルで行われます。今回は20回目で北は宮城県、西は兵庫県から約100台が集まる大きなイベントになりました。

幹事をしてくれるオーナーは朝から現地に入り、参加者を迎えてくれます。初日からオフロードコースを自由に走る人もいれば、久しぶりに会う仲間とのんびり話したり。

ランクル70仲間とのミーティングで特に好きなことがあり、賞品が当たるイベントの賞品は、参加者がみな持ち寄ってきたり、食事を作ってくれてみんなにふるまってくれたりと、参加者みんなが集まったランクル70仲間のことを思っているところです。テントもそれぞれのクルマの近くではなく、みんなのテントをつなげて、一緒にご飯食べながら話したりと、アウトドアで一つ屋根の下で盛り上がるのは格別です。

2日目はオフロードコースで希望者参加型タイムトライアルを実施。腕に覚えのある人もそうでない人も、やはりランクル70に乗ったらオフロードを走りたくなる衝動に駆られるのは一緒。またランクル70がオフロードを果敢に走る光景を観たい人たちも多く、とても盛り上がります。やはりクルマだから動的に楽しみたい。それをかなえてくれるコーナーがあって楽しいです。

またランクル70は1984年に誕生し、ホイールベースが5タイプあり、モデルチェンジを繰り返しながら40年以上今も販売されているクルマなので、エンジンやサスペンション、フロントマスクなど変遷を遂げているので見比べてみるのもおもしろいです。

今回集まった型式はBJ70、74、PZJ77、HZJ70、71、73、74、75、76、77、78、HDJ78、GRJ76、79、VDJ78、FZJ78、GDJ76と多岐にわたり、エンジンがディーゼルが直列4気筒、5気筒、6気筒、V型8気筒、ガソリンがV型6気筒、直列6気筒、ドアが3ドア、5ドア、フロントグリルがTマークだったりTOYOTAロゴだったり、サスペンションがリーフリジッドだったりコイルリジッドだったり、見比べて飽きないですし歴史を感じます。

さらにサスペンションを変更してリフトアップしていたり、ウインチを搭載していたりオーナーの用途に合わせてカスタマイズされていて味があります。ランクル70オーナーにはぜひ参加してもらいたいミーティングです。

  • 大径タイヤを履いたりルーフテントを装着したり様々

■Land Cruiser 70 Owner's Club JAPAN 公式Facebook
https://www.facebook.com/groups/264989943837437

ワインディングを駆け上がって集まったミライミーティング

  • 右が初代ミライ、左が現行モデル

初代ミライに約2年半乗り、現行モデルのミライに乗り換えました。現在乗っているミライは、1回の水素充填で1,040.5km走行し、世界記録(当時)を達成したクルマで、その参加者のひとりとして引き継がせていただきました。

ミライオーナーズミーティングは初回から参加しており、過去2回はトヨタ博物館駐車場で開催していたのですが、今回は関東で開催しようと、アネスト岩田ターンパイクを登り切ったエリアFとラウンジに50台を超すミライとオーナーが集まりました。

さらにミライ、クラウン、センチュリーの開発責任者の清水竜太郎さんをはじめ、ミライの開発者や初代ミライのデザインを担当し、そのミライで参加した伊熊裕和さんが、それぞれ開発秘話やオーナーの質問に答えてくれたりとミライオーナーにとっては贅沢なひとときを過ごせました。

またミライオーナーが全国6店舗の「THE CROWN」でしか購入できない水素焙煎コーヒーを買ってきてくれ、コーヒーマシンまで持ち込んでオーナー仲間にふるまってくれました。

天気があいにくの雨と霧で、愛車を囲んで談義はできずラウンジで話していたのですが、せっかく近くにワインディングがあるので、急遽私が企画し希望者参加型のエコランを実施。大観山から十国峠まで往復約30kmのルートを設定し、水素消費量のインジケーターでいかに水素を効率的に動力に活かせるかといったものです。

ルートを往復にしたのはオーナーたちのとの会話で、「街中でミライとすれ違うことがなくて、自分のミライは走っているところが当然見られないし、走っているところを見てみたい」と言っていたので、往復ルートにすれば仲間のミライが対向車線を走ってくるから見られる設定にしました。参加者はみな喜んでくれ、企画してよかったです。

初代ミライは静粛性が高く、走りも楽しいのですが、現行モデルのミライの走りはワインディングでの回頭性のよさやリヤのトラクションのかかりかたなど、FCEVとしてだけでなく、純粋に走っていてワクワクするクルマ。これはぜひみなさんに体感してもらいたいです。

次回のミーティングは7月18日(土)に決定。
ミライオーナーはぜひ詳細を下記サイトにて確認してください。

■TOYOTA MIRAI CLUB 公式Facebook
https://www.facebook.com/groups/258061858734515

  • ミライオーナーのみなさん

ランクル70は、シフトレバーのストロークが長かったり、ディーゼルエンジンの振動、前後リーフスプリングならではの乗り心地、MTタイヤのパターンノイズなどオンロードでは癖が強いですが、いったんオフロードに入れば無類の悪路走破性の高さを味わえる楽しさがあります。

ミライは水素ステーションのインフラなど気を遣うところはまだありますが、静粛性の高さ、乗り心地のよさ、モーターならではのトルクなど、この価格でこのドライビングプレジャーが得られるのはお得です。どちらも乗りこなすにはオーナーの知恵と経験が必要なところがおもしろいです。

同じクルマに乗るオーナーたちだから共感できる思い、メンテナンスやタイヤやカスタマイズパーツの情報交換などオーナーズミーティングはさらに愛車のためになり、愛車が好きになる場だと思います。オーナーの数だけそのクルマとのストーリーがあって話を聞くだけでおもしろい。お乗りの愛車のワンメイククラブがSNS上であればぜひフォローして仲間とつながることをお勧めします。

写真・画:Land Cruiser 70 Owner’s Club JAPAN、TOYOTA MIRAI CLUB、寺田昌弘/文:寺田昌弘

ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。