思い出深いランクル200が相棒に加わりました・・・寺田昌弘連載コラム
1996年に新車で購入し、1997年にパリダカールラリーに参戦したときの相棒であるランドクルーザー70は、29年経った今も愛車で乗っています。
2009年に片山右京さんとコンビを組んでダカールラリーに参戦したときは、ランドクルーザープラドに乗っていました。当時日本でディーゼルターボ搭載車がラインナップされていなかったのですが、2015年にラインナップされたので、セカンドカーとして乗っていたハリアーハイブリッドからプラドに乗り換えました。
ランクル70はずっと乗っていきますが、300や250がラインナップされ、乗り換えようと思いながらも、プラドがあまりにもよかったので購入するタイミングを逸していました。
そんなとき知人からランクル200を引き取ってもらえないかと相談され、即決で迎え入れることにしました。2011年、2012年にチームランドクルーザー・トヨタオートボデーからランクル200でダカールラリーに参戦していたので、とても思い入れのあるランクルで一度は相棒にしてみたかったのです。
ZXをオフロード向きにスタイルを変える
初度登録が2012年。ワンオーナーで修理歴もなく、エンジン、駆動系もとても調子がよかったのですが、走行距離は10万kmでバンパーにキズがあったり、タイヤ溝がほぼなかったり、車内がそれなりに汚れていたので、私のランクルのメンテでお世話になっている埼玉・所沢のクレイジークラフトに車検と合わせて、ボディと車内をきれいにしてもらいました。
グレードがZXで20インチホイールにエアロタイプのサイドステップが装着され、オンロードっぽいスタイリングが私に似合わないので、純正18インチホイール+ATタイヤにしてサイドステップを外そうと思ったらAHC(アクティブ・ハイト・コントロール)の装置がサイドステップ裏にあり、剥き出しになってしまうためアンダーグレードのサイドステップに換装してもらいました。
引取りから立ち会って古びたランクル200を見ていましたが、ボディを磨き上げ、車内も徹底的にクリーニングしてくれたので、見違えるほどきれいになり、インチダウンして偏平率を上げたタイヤに変えたことで、一見ダウングレードした感じですが、私が使いやすいランクル200になって大満足です。
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ランドクルーザー200 ZXを気軽に乗れる仕様に
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リヤスポイラーは残してあるのがZXの証
乗り始めて気づいたこと
ランクル200を引き取り、走り始めると、やはり4.6リッターV8ガソリンエンジンならではのトルク感と排気音が心地いいです。今までディーゼル、ハイブリッドを乗っていてガソリンは2ストロークのジムニーしか乗っていなかったので、とても新鮮です。
ふとインパネを見たら、平均燃費が3.7km/Lと表示されていてびっくりしました。いくら暫定税率廃止になったとはいえ、これでは先が思いやられると思いましたが、高速道路を巡行していたら8km/Lを超えたのでほっとしました。
自宅まで戻って駐車場に入れてみると車幅がプラド1,885mmに対し、200が1970mmと85mmワイドなので、プラドだったらドアを1ノッチ開けて楽に乗り降りできていましたが、200で1ノッチ開けようとすると壁に当たってしまうので念のためモールをつけてドアエッジを保護することにします。
また今では当たり前ですが、この時代はドアロックしたときにドアミラーは連動して畳まないので、キーレス連動ドアミラー格納キットも装着することにしました。
ドライブレコーダーと保険について
装着してあったドライブレコーダーが壊れていたので、新しいドライブレコーダーを取り付けようと選んでいたとき、コムテックに動画をクラウドに保存してスマホやPCでデータが見られるZDR059を見つけました。
これなら駐車時に万一ぶつけられたり盗まれそうになったときに、証拠になる動画が手元で見られるかなと思い、今回はこれを装着しました。動画利用料金は14,000円/年かかりますが保険だと思って試してみます。
保険といえばランクルならではの悩みである車両保険ですが、ネット損保だと難しそうだったので、保険代理店の知人に相談し、私の場合は同年式、同グレード、走行距離の近いものを中古車情報から抽出し、それを車両価値の基準として車両保険をかけました。
やはりZX。装備がすごい
ランクル70の装備は、前後デフロックだけでABSなど走行支援するデバイスは何もありません。ダカールラリーに参戦していたときのランクル200もデフロックくらいで、あとはドライバーのテクニックで走らせるので、それに慣れている私にとってZXのデバイスをはじめ装備の豪華さには驚きました。
マルチテレインセレクトはオフロードであると便利なデバイスで、自分で走らせるランクル70と違い、クルマに走らせる感覚で運転すると悪路走破性が格段に上がります。クロールコントロールは、悪路での超低速走行時にアクセル、ブレーキはクルマに任せて、ステアリングだけに集中できるデバイスです。
またターンアシスト、ヒルスタートアシストコントロールなど大柄で重量のあるランクル200のドライビングをサポートしてくれるデバイスも装備しています。これらはぜひオフロードに行って試してみたいです。
インテリアではマルチテレインモニターで車両付近の前方側方が確認できるのは、特に目視で見られない前方下が見られるのが便利です。
シートヒーター、ステアリングヒーターがあったり、フロントシートはもちろんセカンドシートもパワースライドし、さらにメーカーオプションのリヤシートエンターテイメントシステムが装備され動画が観られます。
このランクル200ZXはいくつかメーカーオプションも装備され、豪華な仕様になっていますが、当時のカタログを見ていたら、ZXの車両価格が635万円(税込)、AXが485万円(税込)と、この装備と性能、車格を考えれば安く感じます。ここからカスタマイズする予定はないので、しばらく走ってみてまたレポートします。
何よりダカールラリーで乗っていた思い入れのあるランクル200に、こうして愛車として乗れるようになった縁に感謝です。
写真・文:寺田昌弘
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。







