【道路の云われ(東京)】改元記念!今だからこそ知りたい東京の元号のつく道路
普段何気なく通っている道。会話の中で「〇〇通り」「〇〇道路」とその名を呼ぶ事はあっても、その由来や意味を深く考えたことはあるだろうか?
その意味を知ったとき、おそらくあなたは、その道を、その街を、より好きになるだろう。
2019年5月1日、今上天皇の退位に伴い、31年ぶりの改元が予定されている。現時点で新元号は発表されていない(4月1日に公表予定)。
今回はそんな元号の切り替わりのタイミングだからこそ、全国に存在する昭和や明治など元号のついた道路のうち、東京にフォーカスを当て紹介したい。
東京をぐるりと一周「明治通り」
東京にある元号の名が付いた道路でもっとも有名なのが「明治通り」。おそらく「明治通り」と聞いて多くの人が思い浮かべるのが、渋谷と原宿を結ぶ道だろう。しかし、明治通りはおしゃれな店が立ち並ぶ渋谷~原宿区間だけではない。
実は明治通りは南麻布の古川橋交差点から新木場の夢の島交差点まで、東京都内をぐるりとまわる約33.3kmの環状路線だ。
高級住宅街(白金・広尾・恵比寿)、若者の街(渋谷・原宿)、副都心(新宿・池袋)を抜け、都電荒川線と並走する王子、『あしたのジョー』でおなじみの泪橋を経由して、下町(曳舟・亀戸・西大島)、埋立地(南砂町・新木場)へと続く。明治通りをドライブするだけで東京の色々な顔を見ることができる。
明治通り
その名の通り明治時代に造られた道路かと思いきや、東京の明治通りが整備されはじめたのは昭和に入ってから。関東大震災からの復興を目的として計画された「環状5号」が現在の明治通りの基となっている。それなのになぜ「明治」と名付けられたのかは、明治神宮の近くを通るからだという説が強い。
偶然だろうが、明治通りは現在の東京23区の原型となった東京15区を囲むようなルートとなっている。東京15区とは明治11年(1878)に郡区町村編制法によって置かれた麹町区、神田区、日本橋区、京橋区、芝区、麻布区、赤坂区、四谷区、牛込区、小石川区、本郷区、下谷区、浅草区、本所区、深川区の15区。この15区および、四宿と呼ばれていた品川、内藤新宿、板橋、千住以外の地域はすべて農村地帯だったという。現在の高級住宅街も若者の街も、わずか140年ほど前は農村だったのだ。
東京の幹線第一号「昭和通り」
明治通りと同じく、関東大震災の復興時に、東京の南北を繋ぐ「幹線第一号」として計画されたのが「昭和通り」である。完成は昭和6年(1931)。こちらは、明治通りとは違い、新しい元号にちなんで「昭和通り」と名付けられたという。
昭和通り
JR新橋駅の東にある新橋交差点から、歌舞伎座のある東銀座、秋葉原、上野を経由し、三ノ輪駅前の大関横丁交差点まで、約8kmの道路。当初は幅員72mの大型道路を計画していたが、予算縮小の結果、幅員44mで建設された。それでも都内を走る道路の中では広い道である。
- 「明治」と「昭和」が交差する大関横丁交差点(東京都台東区三ノ輪)
中央区にあった「平成通り」
明治通り、昭和通りに比べると馴染みがないが、中央区には平成通りという道も存在する。東京証券取引所の前を起点に、築地の晴海通りまで約1.9kmの道だ。平成元年(1989)に中央区が愛称を定めた。
平成通り
その名前から新しい道を思わせるが、道沿いには何軒か昭和初期の銅板建築の建物が残っている。東京大空襲の戦火を免れた貴重な建築物である。中でも昭和4年(1929)に建てられた宮川食育鶏卵は東京都の歴史建造物に選定されている。
- 右手奥に見えるのが宮川食育鶏卵。現在も鶏肉店として営業している。
幻の道路名「大正通り」
さて、ここまで、「明治」、「昭和」、「平成」と見てきたが、途中で抜けている元号があるのに気づいている方も多いだろう。そう、「大正」である。
東京に「大正通り」はあるのだろうか?
残念ながら、現在「大正通り」と呼ばれている道はないが、昭和37年(1962)までその名の道が存在していた。現在の「靖国通り」である。
靖国通り
大正通りは浅草橋から皇居の北側を通り新宿までを結ぶ。明治末期にはすでに現在とほぼ同じ道が存在しており、関東大震災の復興計画時に拡幅された。南北に通る昭和通りに対し、大正通りは東西を抜ける幹線道路として、同時期に整備されたその他の道路の基準となった重要な道路だった。
靖国神社前の「九段坂」は、江戸時代には荷車の後押しを生業とする「押屋」がたむろするほど急坂であったが、道を整備した際に傾斜を緩和したという。
昭和37年(1962)、東京都が2年後に開催される東京オリンピックに向け、都内を走る44路線に道路の愛称を設定した際に、大正通りは靖国通りに改名された。
江戸時代の風情を残す「江戸通り」
元号ではなく、時代区分名になってしまうが、明治時代の前は江戸時代。東京には「江戸通り」も存在する。
JR東京駅北の大手町2丁目から浅草の言問橋西交差点までの約4.7km。起点の大手町2丁目から室町3丁目交差点までの約700mを除いて、国道6号に相当する(室町3丁目交差点から本町交差点は国道4号の重複区間でもある)。
江戸通り
その名の通り江戸時代から残る道で、伝馬町牢屋敷跡や馬喰町周辺の問屋街、屋形船が並ぶ浅草橋、駒形どぜう本店など、沿線には江戸時代の風情が残るスポットが多い。
現在東京では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて再開発が進んでいる。新元号の名前がつく道路ができるのか、注目したい。
※記事内のデータは2019年3月現在のものです。掲載後に料金、営業時間、定休日、メニュー等の内容が変更になることや、臨時休業等で利用できない場合があります。また、各種データを含めた掲載内容の正確性には万全を期しておりますが、おでかけの際には電話等で事前に確認・予約されることをお勧めいたします。
[ガズー編集部]
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