デジタルアートで新スタイルのお花見を楽しもう!川原寺 幻桜の夜へドライブ 奈良県明日香村

日本で初めて写経が行われた場所といわれる明日香村の「川原寺」(現・弘福寺)では、2020年3月20日から4月7日にかけて「幻桜の夜(げんおうのよ)」が行われる。
寺全体が桜のデジタルアートによって彩られるイベントで、寺外観にプロジェクションマッピングが施され、CGによる一本桜が登場。本堂の外壁には、境内から発掘された三尊塼仏(さんぞんせんぶつ)が再現される。
普段写経場として使われている部屋は喫茶室となり、きらめくグラスの中に桜が浮かぶ「幻桜茶」を提供。特別に用意された美しいお茶を味わえる。桜のデジタルアートによる光の演出で幻想的に姿を変えた川原寺で、明日香の春の夜を楽しもう。

明日香村で実際に桜が開花し始めるのは、例年3月下旬頃。飛鳥寺、ライトアップされる石舞台古墳の桜などがお花見スポットとして人気だ。なかでも、聖徳太子生誕の地といわれる「橘寺」では本堂(太子殿)前に見事な桜が咲く。川原寺から徒歩すぐなので、デジタルアートの桜と本物の桜、どちらも楽しむことができる。

明日香村といえば、新元号「令和」の出典とされる万葉集ゆかりの場所が多いことでも注目されている。橘寺から車で約3分の「犬養万葉記念館」は、明日香村名誉村民であり万葉集研究の第一人者、犬養孝氏の功績を称える記念館。映像や音声などの展示を通じて犬養氏の業績を紹介するほか、館内の「つばいちカフェ」では軽食や飲み物を提供、ひと休みもできるスポットだ。

桜に彩られた万葉のふるさと・飛鳥へ、春のドライブに出かけよう。

川原寺(弘福寺)

飛鳥寺(あすかでら)、大官大寺(だいかんだいじ)とともに飛鳥三大寺として栄えた(薬師寺を加えて飛鳥四大寺とも呼ばれる)。室町時代に廃寺となり、現在は礎石と塔跡が遺構として残され、江戸時代に中金堂跡に弘福寺(ぐふくじ)が建てられた。本堂には重要文化財である多聞天立像が収められている。「幻桜の夜」は2020年が第一回目となるイベント。

斉明天皇の川原宮跡に天智天皇が建てたと伝わる。
斉明天皇の川原宮跡に天智天皇が建てたと伝わる。
日本書紀に“日本で初めて写経が行われた場所”との記載がある川原寺。本堂拝観後、般若心経の写経を体験できる(要予約)。
日本書紀に“日本で初めて写経が行われた場所”との記載がある川原寺。本堂拝観後、般若心経の写経を体験できる(要予約)。
デジタルアートの演出により、過去には中金堂の壁一面を埋め尽くしたといわれる三尊塼仏が、本堂の外壁に再現される。
デジタルアートの演出により、過去には中金堂の壁一面を埋め尽くしたといわれる三尊塼仏が、本堂の外壁に再現される。
写経場は期間中、喫茶室として「幻桜花見の宴」の場に変身。
写経場は期間中、喫茶室として「幻桜花見の宴」の場に変身。
グラスの中に桜の花がきらめく「幻桜茶」は、「幻桜花見の宴」で提供。お茶菓子とのセットで700円(税込)。
グラスの中に桜の花がきらめく「幻桜茶」は、「幻桜花見の宴」で提供。お茶菓子とのセットで700円(税込)。

橘寺

聖徳太子生誕の地と伝わる寺で、聖徳太子建立七大寺のひとつに数えられる。本堂(太子殿)のご本尊は、重要文化財である「聖徳太子坐像(国重要文化財)」。正門(東門)から石段を登ってくると見える桜の古木は、大木で見ごたえあり。

江戸時代に再建された本堂(太子殿)前の馬の像は、聖徳太子を乗せて各地を駆け巡ったと伝えられる愛馬「黒駒」。
江戸時代に再建された本堂(太子殿)前の馬の像は、聖徳太子を乗せて各地を駆け巡ったと伝えられる愛馬「黒駒」。

犬養万葉記念館

「犬養節」と呼ばれる独特の万葉朗唱で親しまれた万葉集研究者・犬養孝(1907~1998)氏の遺品や直筆原稿などを展示している。

外観は旧南都銀行明日香支店の店舗(蔵造り)を模している。
外観は旧南都銀行明日香支店の店舗(蔵造り)を模している。
犬養氏が書いた書画を掛け軸にしたものや万葉故地の映像、犬養節と言われる音声などを通して「犬養万葉」の世界にふれられる。
犬養氏が書いた書画を掛け軸にしたものや万葉故地の映像、犬養節と言われる音声などを通して「犬養万葉」の世界にふれられる。
館内の「つばいちカフェ」提供のオムライスは700円(税込)。
館内の「つばいちカフェ」提供のオムライスは700円(税込)。

■川原寺(弘福寺)
住所:奈良県高市郡明日香村川原1109
TEL:0744-54-2043
拝観時間:9~17時
拝観料:300円
アクセス:京奈和自動車道橿原北ICから車で約25分
駐車場:あり(18時以降は無料)
URL:https://kawaharadera.com/

◇幻桜の夜
開催期間:2020年3月20日(祝・金)~4月7日(火) 18~21時
開催場所:川原寺
入場料:500円(本堂拝観、喫茶は別料金)
URL:http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/01shaji/02tera/03east_area/kawaharadera/event/y81yt4wj0e/
備考:雨天決行・荒天中止(web、SNSでお知らせ)

■橘寺
住所:奈良県高市郡明日香村橘532
TEL:0744-54-2026
拝観時間:9~17時(受付は16時30分まで)
拝観料:大学生以上350円、中学・高校生300円、小学生150円
アクセス:京奈和自動車道橿原北ICから車で約25分
駐車場:あり
URL:https://tachibanadera-asuka.jimdofree.com/

■犬養万葉記念館
住所:奈良県高市郡明日香村岡1150
TEL:0744-54-9300
開館時間:10~17時(入館は16時30分まで)
休館日:水曜
入館料:無料
アクセス:京奈和自動車道橿原北ICから車で約25分
駐車場:あり
URL:https://inukai.nara.jp/

※記事内のデータは2020年1月現在のものです。掲載後に料金、営業時間、定休日、メニュー等の内容が変更になることや、臨時休業等で利用できない場合があります。また、各種データを含めた掲載内容の正確性には万全を期しておりますが、おでかけの際には電話等で事前に確認・予約されることをお勧めいたします。

[ガズー編集部]

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