[動画公開]86を超えるAE86(ハチロク)を作れ!! 最終回 完成&オートサロンでお披露目編
― 現代技術の粋を集めたAE86はオートサロン会場でも大注目!!
スポーツカーの面白さ、楽しさを追及するためにカスタマイズ専門店と共同で「楽しい1台」をつくるというのがこの企画。
ベースとなるのは80年代FRスポーツを代表するトヨタのAE86(ハチロク)。発売から30年以上経っても今も愛されている理由を探しながら、「もっといいクルマ」を目指していく。
筑波サーキットで86後期と走り比べてその性能と速さを見極める
ついに86を超えることを目指したAE86が完成した。1983年の登場から37年。ノーマル状態の性能であれば、もちろんそれは37年前のクルマ。当時は切れ味あるスポーツカーと言われていたが、今となってはもっさりしたアンダーパワーのFR車であることは否めない。だが、最新のチューニング技術を持ってすれば、現代の86にも勝てるはずというのがこのプロジェクトだ。
そこで実際に筑波サーキットに持ち込み、AE86と86後期を走り比べてみた。
ドライバーはハチロクといえばすぐに名前が思い浮かぶ、織戸学選手と谷口信輝選手。織戸選手はこれまで、AE86を自身でも4台乗り継ぎ、ドリフトやレースでもAE86を使っていた経験を持つ。谷口選手も日常の足としてAE86に乗っていた経験があり、ZN6型86でも数多くテストやタイムアタックを続けている。
- もともとAE86乗りという織戸、谷口ドライバーもこのAE86の仕上がりには驚きの声
今回比較対象として用意した車両は、ZN6型86のノーマル車とAE86の2台。ノーマルZN6のタイヤは前後とも215/45R17サイズのミシュラン・プライマシー。AE86のタイヤは、前後とも195/50R15のディレッツァZⅢだ。
織戸選手にはAE86に乗ってもらってそのフィーリングをチェックしてもらい、谷口選手には2台を乗り比べてもらうことで、どういう違いがあるのかを確認してもらっている。
果たしてどちらが速いのか、谷口信輝選手による本気アタックはその2台の差はもちろん、彼の華麗なドライビングも見所満点。そちらは、冒頭の動画にて、両ドライバーの笑顔と最高のサウンドとともにご覧いただきたい!!
谷口信輝選手
「86だって重い車じゃないし、今回比較で86GRMNにも乗った。この86GRMNはカーボンルーフなどが使われていて、相当軽いんだけど、AE86から乗り換えたときに思わず『重っ!!』って言っちゃった。それくらいこのAE86は軽くて運動性能が高い。これは現代のクルマにはできない。すごいこと」
織戸学選手
「ほんとにバランス良く仕上がっている。しかも、軽さはもちろんだけど、このサスペンションはしなやかに路面を捉えてくれて、縁石に触ってもいなしてくれる。エンジンはキャブだけど息つきなどもなく、どこからでもトルクフル、素晴らしい」
そんなAE86は東京オートサロン2020でも注目を集めた
TOYOTA GAZOO Racingブース内にAE86ブラックエディションなどとともに展示された。その美しいほどの仕上がりに感嘆の声を漏らす人も多かった。
「今はヴォクシーとN-ONEに乗っています。先日、友人のアルトワークスのマニュアル車に乗ったら楽しかった。やっぱりマニュアルに乗りたいです。ぜひ、自動車メーカーにはこういった楽しいマニュアル車を発売して欲しいです」(40代・男性)
「86に乗って5年目になります。ここまでAE86を仕上げるには大変だったと思いますが、クルマに詳しくないので、どのくらいまでバラバラにしたりするのか、もっと詳しいところまで見せてほしいです」(20代・男性)
「本当に『頭文字D』のAE86みたいにでき上がっているのだなと思いました。ぜひ、どんな音なのか、排気音を聞いてみたかったです」(20代・男性)
と、さまざまな声がオートサロンでの展示会場でも聞かれた。
すでにメーカーからパーツが出ないコーナーマーカーやヘッドライトリムなどは、KMSが在庫していたパーツを使うなど、美しさも含めて現代の手法で蘇らせたAE86。その走りの実力も予想以上のものだった。いかに軽いからといって、1.6リットルという排気量のままで現代の2リットルエンジンの86と比較するのは酷かと思われたが、現代の86にも負けない、いやそれをも上回りかねない実力を持ったAE86が誕生した。
しかも、サスペンションもストリート仕様のままで、タイヤも超ハイグリップラジアルではないスポーツタイヤで、86に匹敵する性能を持ち冬の筑波サーキット・コース2000を駆け抜けた。
あえていうとAE86は、1983年にデビューしたクルマだ。今回のプロジェクトのベースとなったボディは後期型のAPEXで、そのデビューは1985年。それから30有余年、数多くの人が積み重ねてきたチューニングノウハウと進化した技術の組み合わせ、そしてなにより輿水代表の技が、このAE86を作りあげた。
いや、まだ完成はしていない。ファイナルギアを変えてリアのサスペンションセッティングを変更し、もっと高回転でパワーが炸裂するというエンジンはレブリミットも変えればどうなるか。想像がたくましくなる、無限の可能性をこのAE86は秘めている。
オートサロンで開催されたトークショーの模様はこちらから。
この企画が生まれるきっかけとなったエピソードなど、出演者による密度の濃いトークが楽しめます。
東京オートサロン2020 TOYOTA GAZOO Racingブーストークショー『俺の愛車・チューニング自慢選手権』
執筆:加茂 新
[ガズー編集部]
86を超えるAE86(ハチロク)を作れ!! 特集
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