【ミュージアム探訪】メガウェブ ヒストリーガレージ(後編)

1階のロビーの様子。この時は60年代に活躍したレーシングドライバー、浮谷東次郎のトヨタ・スポーツ800が展示されていた。
「Funカートライド」のコーナーは「GPアーカイブ」や「グリースGPS」とは逆、1階のエントランスから入って右側にある。明るい展示エリアに気を取られていると見落としてしまうので要注意。
ミニチュアカーを中心に、自動車関連のさまざまなグッズが販売されている「グリースGPS」。往年のスーパーカーやレーシングカーはもちろん、中には「これ誰が買うの?」というマニアックなクルマのミニカーも。
展示車両の整備、復元を行う「レストアピット」の様子。ちなみに2階の「コリドー」のコーナーには、ここでの作業をまとめた手作りのアルバムが置かれており、復元の様子を写真を通して知ることができる。
1階の奥にある「アレッサンドロ・ナニーニ・カフェ」と「GPメモリアルラウンジ」の様子。

エレベーターか階段を使って1階に下りると、好きなトヨタ車の試乗ができる「ライドワン」のコースが目に飛び込んでくる。1階はこのコースの折り返し地点をぐるりと囲む構造になっていて、2階とは異なる明るい雰囲気でまとめられている。

このフロアは体験的な要素が満載。まずは家族を中心に人気の「Funカートライド」にチャレンジしてみたい。ここでは小学生以上(身長100cm以上)であればイタリア製の本格カートを楽しめるのだ。初心者はまず講習を受けてライセンスを発行してもらうことになるが、この講習料は無料。次回以降は先導車付きコース走行、さらにステップアップすれば単独走行(それぞれ300円/1回)もできるようになる。もちろん大人がドライブできるレンタルカート(500円/1回)も用意されている。また不定期ではあるが、レーシングドライバーをゲストに招き、普段より大きなコースを使ったイベントも行われている。もちろんヘルメットからシューズまで用意されているので、遊びに行くのは「手ぶらでOK」だ。

一方、フロアを逆方向に進むと、まずは「GPアーカイブ」のコーナーがある。ここではF1やルマン、WRCなど、6つのモータースポーツのミニチュアカーやジオラマがカテゴリーごとに展示されており、その歴史を知ることができる。隣にある「グリースGPS」は、1/43、1/18スケールモデルをメインとしたミニカーショップ。ここでなら2階に展示してあったクルマはもちろん、モータースポーツで活躍した往年の名車からレクサスLFAなどのスーパーカーまで手に入れることができるのだ(ミニカーだけど)。また、各自動車ブランドのキーホルダーなども取りそろえており、グッズの数は約3000点にのぼる。

前述したように、このフロアには体験型のコーナーが多いが、その中でもぜひ立ち寄ってほしいのが「レストアピット」である。ここでは現在4人の匠(たくみ)が、かつての名車をよみがえらせるために日々復元作業にいそしんでいる。ガラス越しに作業を眺めるのもいいが、より興味がわいた人は近くのスタッフに声をかけてみよう。実は時間と作業状況によっては、ピットの中で間近に作業を見学できるのだ。クルマや機械に触れることはもちろんNGだが、復元中のヒストリックカーや匠の技が間近に見られるのだから、かなりワクワクしてしまう。また、なかには社会科見学をさせるつもりで子供を連れてくる人もいるようで、ピット内には記念撮影のための子供用のツナギが用意されていた。ちなみにレンタル料は無料。サイズは4種類だそうだ。

ひと通り施設を回り終わったら、最後は奥にある「アレッサンドロ・ナニーニ・カフェ」に立ち寄ろう。その名の通り、元F1ドライバーであるアレッサンドロ・ナニーニがプロデュースするカフェで、パニーニなどのフードのほかドリンクメニューも豊富。店員さんのオススメはストロベリーシロップが入った「カフェ・アルファ」(アルファロメオの意味)だそうである。カフェの奥にはドライバーのフィギュアや写真、そして映像なども楽しめる「GPメモリアルラウンジ」がある。ここでモータースポーツの歴史に囲まれながら、ヒストリーガレージの余韻に浸るのもいいものだ。

(文=高山正寛)

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[ガズ―編集部]