マツダ・ロードスター … 「日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車

“その年の最も優秀なクルマ”に贈られる、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」。今回は、そんな栄えある自動車賞を、世代を変えつつ複数回獲得したモデルを紹介します。

マツダ・ロードスター

1989年に登場したユーノス・ロードスター(NA型)は、当時絶滅していた、スポーツカーの原点ともいえる、オープン2シーターのライトウェイトスポーツの概念をよみがえらせたモデルだった。90年代に世界的規模でのスポーツカーブームを巻き起こすきっかけともなった傑作だったが、日本カー・オブ・ザ・イヤーには選ばれなかった。
なぜかといえば、その年は、初代トヨタ・セルシオや日産・スカイラインGT-R(BNR32)といった日本車史に残るモデルが続々と出現し、後に「日本車のヴィンテージイヤー」と呼ばれた豊作年。ロードスターも健闘したものの、残念ながら受賞には至らなかったのである。

98年に世代交代したマツダ・ロードスター(NB型)も、正常進化ぶりが評価されたが、賞の獲得はならず。そして2005年に登場した3代目NC型になって、3度目の正直とばかり、ようやく日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。NC型は安全対策から全幅が1.7mを超え3ナンバーサイズとなり、排気量もNB型の1.6リッター/1.8リッターから2リッターへと拡大されたものの、徹底したダイエットによって車重はNB型比で約10kgの増加にとどめていた。そうした時代への対応を踏まえつつ、「人馬一体」をテーマに掲げた、3世代続けてまったくブレないクルマ作りの姿勢が認められた結果だった。

それから10年、2015年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを4代目ND型ロードスターが受賞したのは、まだ記憶に新しい。ND型は先代比100kg前後もの大幅な軽量化を果たし、エンジンも初期NA型の1.6リッターより小さい1.5リッターにダウンサイジング。これまで以上にライトウェイトスポーツの本質を究めた、マツダの技術力と情熱に喝采が送られたのだった。

3代目ロードスター(NC型)

[ガズー編集部]