ホンダ・アコード … 「日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車

“その年の最も優秀なクルマ”に贈られる、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」。今回は、そんな栄えある自動車賞を、世代を変えつつ複数回獲得したモデルを紹介します。

ホンダ・アコード

1985年に登場した3代目アコードとその姉妹車であるホンダ・ビガー。やや大型化したボディーは、4ドアセダンと、エアロデッキと呼ばれる新感覚のスポーツワゴン的な3ドアハッチバックの2種(ビガーはセダンのみ)で、いずれもワイド&ローなフォルムが特徴。フラッシュサーフェス処理やリトラクトラブルヘッドライトの導入によって、Cd値0.32という実用車としてはトップクラスの空力性能を実現していた。

シャシーは全面的に新設計され、サスペンションにFFの量産車としては世界初となる4輪ダブルウィッシュボーンを採用し、操縦性と乗り心地を高次元で両立。保守的なモデルが多い中型車市場において、その先進的な設計思想が高く評価され、この年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

次の4代目を挟んで、5代目アコードは93年にデビュー。ベストセラーとなっていた北米市場を主眼に3ナンバーサイズとなったボディーは、当初は4ドアセダンのみで、遅れてアメリカ工場製の2ドアクーペと5ドアワゴンが加わった。5代目の特徴は、北米および国内で数年後に適用される安全基準にいち早く対応した全方位安全設計ボディーの採用、低燃費と高出力を兼備した新VTECエンジンの導入、リサイクルを前提とした樹脂部品の使用といった、安全と環境への積極的な配慮。そうした時代に先駆けた成り立ちが、2度目の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞につながったのだった。

それから9年後の2002年に登場した7代目。先代にあたる6代目と同様に4ドアセダンと5ドアワゴンの2種で、全車に性能向上と同時にさらなるクリーン化を果たしたi-VTECエンジンを搭載。新たに高速道路での車線維持や車間制御を行う先進の運転支援システムであるHiDSを設定し、サイドカーテンエアバッグも用意するなど、安全性能と環境性能にいっそう磨きをかけ、自身3度目となる日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞の栄誉に浴した。これは、同門のホンダ・シビックの4回に続く同一銘柄の受賞記録となっている。

[ガズー編集部]