【連載全20話】第3話 ダイハツ・コンパーノ1000GT・・・「GT」を名乗った日本の名車

今回は、長距離ツアラーとしての優れた性能から、車名に「GT」が添えられた名車を特集。なかでもクルマ好きに広く知られた日本車をピックアップし、週替わりで紹介します。

ダイハツ・コンパーノ1000GT

ダイハツ初の量産小型乗用車だったコンパーノは、1963年にまず4ナンバーの商用バン、次いでそれを5ナンバー化したワゴンが誕生した。そのオリジナルデザインはイタリアのカロッツェリアであるヴィニャーレによるもので、車名のコンパーノ(compagno)は「仲間」を意味するイタリア語だった。

翌1964年にダイハツの手でアレンジされた2ドアセダンが加えられるが、これもイタリア式にコンパーノ ベルリーナと名乗った。しゃれたイタリアンデザインとは裏腹に、コンパーノの中身は三輪トラック主体の商用車メーカーだったダイハツらしく、小型車ではすでに少数派となっていた別体式のラダーフレームを持つ堅実な設計だった。だがその構造ゆえにボディーバリエーションを広げるのが比較的容易だったこともあり、1965年にはこれまたイタリア流にスパイダーと称する4座コンバーチブルが追加された。

スパイダーはベルリーナの800ccに対して、ツインチョーク式キャブレターなどでチューンを高めた1リッター直4 OHVエンジンを搭載していた。その発売から遅れること約半年、スパイダー用ユニットとフロアシフトの4段MTをベルリーナの2ドアセダンボディーに移植したモデルがコンパーノ1000GTの名で発売された。あまり知られていないが、この連載の第1話と第2話で紹介した、ベレGこといすゞ・ベレット1600GTとスカGことプリンス・スカイラインGTに続いて日本で3番目にGTを名乗ったモデルは、ダイハツから登場していたのである。

1967年には、興味深いバリエーションがGTのみに追加された。その名も1000GTインジェクションと名乗る、日本初となるインジェクション(燃料噴射装置)仕様のガソリンエンジン搭載車である。ディーゼル用の経験を生かして独自開発したという機械式インジェクションを備えた1リッターユニットは、キャブレター仕様の最高出力65PS/6500rpm、最大トルク7.8kgf・m/4500rpmに対して65PS/6000rpm、8.3kgf・m/4500rpmを発生。メーカーでは中高速域の加速性能およびレスポンスの向上、燃費の向上や排ガスのクリーン化などをメリットとしてうたっていた。実際に世に出たのはごく少数と思われるが、「3番目のGT」には、知る人ぞ知る日本初のメカニズムを搭載したモデルも存在したのである。

[GAZOO編集部]

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