ホンダ・Z (1998年~) 名車?迷車?特集 -ちょっと懐かしい迷車たち7話

生産:1998 ~ 2002年

第7話 ホンダ・Z (1998年~)

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1970年に軽自動車初のスペシャルティーカーとして登場、独特のテールゲートの形状から「水中メガネ」と俗称され、親しまれたホンダZ。その初代とは、コンセプト的にも機構面でもまったく関連がないものの、なぜか同じ名を冠して1998年にデビューしたのが2代目Zである。

外見は全高1675mmという背高シルエットの角張った3ドアのSUVだが、中身は寝かせた3気筒エンジンをミドシップに縦置きし、4輪を駆動するという凝ったものだった。実はこのレイアウトは、軽トラックであるアクティ4WDから引用したものだが、ホンダでは4人の乗員と荷物のためのスペース確保と鼻先の軽いシャープなハンドリング、そして4WDによる悪路踏破性をすべて満足させるため、と主張していた。

ホンダが四輪メーカーとして成功を収めてからはしばらく鳴りを潜めていた、良く言えば独創的、悪く言えばひとりよがりの、ある意味ホンダらしいモデルだったが、デビュー時には車名に合わせてアメリカのロックグループ「ZZトップ」をイメージキャラクターに起用するなど、かなり気合が入っていた。価格も凝った設計の割には抑えられていたが、セールスは奮わなかった。だが、それも仕方がないことと思う。なぜなら、どう考えても量販が期待できるモデルではないのだから。