【連載全13話】第2話 プリンス・グロリア スーパー6・・・日本生まれの直6エンジン搭載車


昔に比べて少なくなった6気筒エンジン搭載車。そのなかから“ストレートシックス”と呼ばれる直列6気筒エンジンを積んだモデルを週替わりで紹介します。

プリンス・グロリア スーパー6

クラウンと市場を争う5ナンバーフルサイズのセダンだった初代スカイラインとボディーを共有する兄弟車として、1959年に登場した初代グロリア。1962年10月に2代目にフルモデルチェンジした際にスカイラインから独立し、プリンスのフラッグシップとしてのポジションを明確にした。

流行していたフラットデッキスタイルを採用したボディーは、アメリカンな雰囲気を5ナンバーサイズに落とし込み、クロームをうまく使って高級感を演出していた。バックボーントレー式のセミモノコック構造、ド・ディオンの後輪懸架などシャシーのレイアウトは先代から引き継いでおり、エンジンも当初は先代と同じ1.9リッター直4 OHVを積んでいた。だがエンジンルームに余裕があったことから、いずれ直6エンジン搭載車が加わるのではと予想され、案の定デビュー直後に開かれた東京モーターショーに2.5リッター直6 SOHCエンジン搭載車が参考出品された。

その2.5リッター直6 SOHCエンジンを小型車規格(5ナンバー)におさまるよう2リッターに縮小して積んだのが、1963年6月に追加設定されたスーパー6である。SOHCの採用は日本初で、同時に国産2リッター以下では初の6気筒となるG7型と呼ばれるエンジンは、当時のメルセデスの直6に似た設計。SOHCターンフローでウエッジ型燃焼室を持ち、2バレルのシングルキャブを備えて1988ccから最高出力105PS/5200rpm、最大トルク16.0kgf・m/3600rpm(いずれもグロス値)を発生。3段+OD(オーバードライブ)のMTを介しての最高速度は155km/hと発表された。

翌1964年5月には東京モーターショーに参考出品された2.5リッターエンジン搭載の3ナンバー車をグランド グロリアの名で発売。いっぽうでは少々デチューンしたG7型をスタンダード仕様のボディーに積んだグロリア6などを加えて直6エンジン搭載車を拡充し、そのスムーズネスと優れた高速性能を訴えた。また同月に開かれた第2回日本グランプリのツーリングカーレースにスーパー6が出場して好成績をおさめたほか、スカイライン1500デラックスのノーズを延ばしてG7型エンジンを押し込んだスカイラインGTもGTレースに参戦。ここに“スカG伝説”が始まったのだった。

[GAZOO編集部]

【連載全13話】日本生まれの直6エンジン搭載車

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