【連載全13話】第8話 トヨタ・クレスタ・・・日本生まれの直6エンジン搭載車


昔に比べて少なくなった6気筒エンジン搭載車。そのなかから“ストレートシックス”と呼ばれる直列6気筒エンジンを積んだモデルを週替わりで紹介します。

トヨタ・クレスタ

1980年春、新設されるディーラー網であるビスタ店のフラッグシップとしてリリースされた新車種がクレスタ。サッシュレスドアを持つ4ドアハードトップ風のアッパーミドルサルーンだったが、その中身は同年秋にフルモデルチェンジした4代目コロナ マークIIとその双子車の2代目チェイサーとほぼ同じ。それら2車種より半年ほど先行してデビューした実質的な兄弟車だった。

パワーユニットは1.8リッター直4 OHVと2リッター直6 SOHC。後者はクレスタとともにデビューした、世界トップレベルの小型軽量設計ながら、パワーと環境性能の両立を図った1G-EU型と呼ばれる新開発ユニット。この連載の第4話で紹介した、2代目クラウンに始まる既存の直6 SOHCユニットのM型のシリンダーヘッドがクロスフローの半球型燃焼室だったのに対して、カウンターフローのウエッジ型燃焼室という、一見時代に逆行したような設計だが、M型に比べ30~40kgも軽量な省資源時代のエンジンと標榜(ひょうぼう)。電子制御インジェクションを備えて最高出力125PS/5400rpm、最大トルク17.5kgf・m/4400rpm(以下すべてグロス値)を発生した。

1981年にはM型にターボを備えたM-TEU型ユニット搭載車、そして1982年には1G-EU型をベースにヤマハ発動機がDOHC 24バルブ化して160PSを誇る1G-GEU型搭載車を追加。1984年にはマークII/チェイサーとそろってフルモデルチェンジ。この世代から“マークII 3兄弟”と呼ばれるようになったが、これ以降クレスタのボディーは4ドアセダンとなり、3兄弟のなかで最も落ち着いた雰囲気となった。

[GAZOO編集部]

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