トヨタ・RAV4…日本が生んだ代表的SUV

今回は、クルマ好きの記憶に残る日本のSUVを特集。1980~90年代の人気車種を中心に、都会の道やオフロードを力強く駆け抜けた懐かしのモデルを紹介します。

トヨタ・RAV4

1980年代中ごろに始まったRVブームの中心的存在だったクロカン4WDが、街乗り用としても使われていることから企画され、1994年に誕生したのがRAV4。車名は「Recreational Active Vehicle 4 wheel drive」の略で、コンセプトは「アウトドアでも、アーバンシーンでも、見て、乗って楽しいクルマ」だった。環境に配慮し、リサイクルが容易な無塗装樹脂部品を巧みにデザインに生かしたコンパクトな3ドアボディーに、2リッター直4エンジンとフルタイム4WDを搭載。アクティブでキュートなルックスと、場所を選ばずに乗用車感覚で乗れる走行性能を兼ね備えていた。

その資質に加えて、若き日のキムタクことSMAPの木村拓哉をイメージキャラクターに起用したプロモーションも後押しし、新世代の若者の多様なライフスタイルにマッチした、フレッシュでカジュアルなモデルとして大ヒット。“ライトクロカン”と呼ばれるカテゴリーを創出し、多くのフォロワーを生んだ。

後にRAV4V(ファイブ)と名乗る、ホイールベースを延ばした5ドアやFF仕様も追加され、販売面では実用性の高さで5ドアが主力となった。だが、新鮮かつ明快なコンセプト、そして軽快なスタイリングという点では、オリジナルである3ドアが光っていた。

[ガズー編集部]