第2話 ホンダ・NSX-R・・・後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
クルマの空力性能を高めるとともに、そのスタイリングの決め手にもなるのがリアウイング。今回は“立派な羽根”を持つことで知られる名車を週替わりで紹介します。
ホンダNSX-R
フェラーリやランボルギーニなどの独壇場だったミドシップのスーパースポーツの世界に初めて斬り込んだ日本車がホンダNSX。トランクにゴルフバッグも収まる実用性と日本車ならではの高い信頼性を備えながら、世界トップレベルの動力性能と操縦性を誇り、フェラーリのクルマづくりにも影響を与えた。
市販車としては類のないオールアルミ製モノコックボディーを採用して1990年にデビューし、1997年にV6 DOHC 24バルブエンジンの排気量を3リッターから3.2リッターに拡大。2001年にはリトラクタブルライトを固定式に変更するなど改良を加えながら2005年までつくられた。その事実上の最終発展型が、2002年にリリースされたNSX-Rである。
1992年から3年間つくられた、軽量化と足まわりのチューニング、高精度のエンジンのバランス取りなどを施したNSXタイプRの再来となるモデルで、コンセプトはあらゆるサーキットで圧倒的な速さを実現するピュアスポーツ。特に注力したのが空力性能の向上で、エアアウトレットダクト付きカーボンボンネット、フィン付きフロントアンダーカバー、リアディフューザー、量産車では世界初となる大型中空成形による一体構造のカーボンリアスポイラーなどによりマイナスリフトを達成。高速での旋回限界と挙動安定性を飛躍的に向上させていた。
[ガズー編集部]