第4話 BMW M3…後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
クルマの空力性能を高めるとともに、そのスタイリングの決め手にもなるのがリアウイング。今回は“立派な羽根”を持つことで知られる名車を週替わりで紹介します。
BMW M3
DTM(ドイツツーリングカーレース選手権)をはじめとする、グループAのツーリングカーレースを牛耳っていたメルセデス・ベンツ190E 2.3-16に対抗するため、1985年に登場したホモロゲーションモデル。
2代目3シリーズ(E30)の2ドアセダンをベースに、太いホイール&タイヤをクリアすべくブリスターフェンダーを採用。空力性能の改善を狙ってリアウィンドウの傾斜を強めてトランクをハイデッキ化し、大型の前後スポイラーやサイドステップを装着。Cd値は標準の3シリーズの0.38から0.33に向上していた。エンジンは本来レーシングカーとして開発されたBMW M1用の直6ユニットから2気筒分をカットオフした2.3リッター直4 DOHC 16バルブで、最高出力195PS/6750rpm、23.4kgf・m/4750rpmを発生した。
グループAのホモロゲーション取得に必要な生産台数は5000台だったが、ハイパフォーマンスなスポーツセダンとして人気を博し、1991年までに1万7000台以上が生産された。日本にも正規輸入され、パワーステアリングやパワーウィンドウ、エアコンなどを標準で備えた当時の価格は748万円だった。
[ガズー編集部]