第16話 フェラーリF40…後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
クルマの空力性能を高めるとともに、そのスタイリングの決め手にもなるのがリアウイング。今回は“立派な羽根”を持つことで知られる名車を週替わりで紹介します。
フェラーリF40
フェラーリの創立40周年を記念して1987年にデビューした、“ロードゴーイングレーシングカー”とでもいうべきスーパースポーツ。絶対的なカリスマである創業者のエンツォ・フェラーリ(1988年没)がコンセプトを立案し、存命中にリリースされた最後のモデルということでもメモリアルな存在となった。
その車体は、鋼管スペースフレームに、それ自体も応力を受け持つカーボンコンポジットとFRP(繊維強化プラスチック)混成のボディーパネルを特殊な接着剤で貼り合わせたセミモノコック構造。フロントカウルと、ルーフに迫る高さの大型ウイングと一体化したリアのカウルは、それぞれ前端をヒンジとしてレーシングカーのように大きく開いた。
ミドに縦置きされるエンジンは、ツインターボを備えた2.9リッターV8 DOHC 32バルブで、最高出力478PSと最大トルク58.8kgf・mを発生。5段MTを介して後輪を駆動し、メーカー公称値で最高速324km/h、0-200km/h加速12.0秒というすさまじいパフォーマンスを発揮。発売当時世界最速にして、時速200マイル(約320km/h)を初めて超えた市販車となった。
当初の生産予定は400台限定だったが、オーダーが殺到し、最終的に1300台以上がつくられた。当然のことながら価格にはプレミアムが付き、特に日本はバブル景気まっただ中だったこともあって、正規輸入車の新車価格4650万円に対して2億5000万円の高値が付いたと話題になった。
[ガズー編集部]
後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
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