【スーパー耐久公式テスト】「Nissan Z」の富士24時間テスト参戦は「品質の確認」。でもその速さにワクワクが止まらない!
2020年9月、日産は50年の歴史を刻むピュアスポーツカー「フェアレディZ」の後継モデルとなるプロトタイプカーを発表した。
日産の内田誠社長が「日産のスピリットそのもの」と表現する次期フェアレディZには、デビューを待ち望む声が国内外から多く聞こえている。
今年1月の東京オートサロンにて、国内初お披露目を終えたフェアレディZに、さらなる楽しみな展開が訪れたのは4月28日。それは正式な発売を前に、スーパー耐久にテスト参戦するというニュースだ。
東京オートサロン2022で国内初お披露目となった新型フェアレティZ
しかもその舞台となるのは、国内ビッグレースでは唯一の24時間レースとなる、スーパー耐久シリーズの第2戦の富士ラウンドとなる。
昨年トヨタが投入した水素エンジンのカローラに続き、今年も楽しみな1台がエントリーしてくれることは、スーパー耐久ファンのみならず車好きにはうれしいことだが、この過酷な挑戦に臨むその意図を、日産モータースポーツ&カスタマイズの松村基宏副社長に伺うことができた。
日産SUPER GTチームの総監督も務める松村副社長に話を伺ったのは、5月10日に富士スピードウェイで行われたスーパー耐久公式テスト。
ここに日産は、本戦となる富士24時間レースのエントリーと同じく2台の「Nissan Z」を持ち込んで、精力的に走行を重ねた。
気になるマシンの仕様について、松村副社長は「まだ完全な開発車両ですので、何かのクラスに特定して作っているというわけではありません。今後いろいろなことを研究していく一環として、ST-Qクラスという開発車両が走れるクラスがあるので、いろいろ勉強させていただこうかなというところです」と、あくまで「Nissan Z」の品質を確認するための参戦であるということを強調していた。
ブレーキやダンパーユニット(サスペンションはオリジナルベース)などはレース向けの検討段階のもの、ロールケージはFIA基準のものを入れてはいるが、それ以外はエンジンも含めほとんどノーマルの状態で持ち込まれている。
実際に、レーシングカーとしてのドライビングの操作性や背の高いドライバーの居住性など、ベーシックなことも走らせながら確認していく段階だという。
ドライバーラインナップについては、日産のGT500やGT300のチームに参戦する現役ドライバーから、田中哲也選手や星野一樹選手などS耐をよく知るベテランドライバーまで豪華な面々が揃っている。
しかしこれも、あくまでマシンを開発するための走行であり、松村副社長が自ら監督を務めるSUPER GTにも参戦していてコミュニケーションが取りやすいからお願いしている、ということのようだ。
「(トヨタの)豊田社長からは『Zには負けせんから』と言われていますけど、スープラについていけるように一生懸命頑張りますよ」と謙遜気味に語った松村副社長。
しかし、レーシングカーとして「素」の状態ではありながら、すでにST-Z(FIA GT4が走行するクラス)クラスに匹敵する速さを見せてくれた「Nissan Z」。
今回の具体的な目標は「完走すること」ということだが、過酷な24時間レースでどのようなフィードバックが得られ、どのような方向性が見いだされて行くのか、「何も決まってない」がゆえに楽しみで仕方がない。
なお、松村副社長への取材を終えたタイミングで、長らくフェアレディZでスーパー耐久に参戦する、岡部自動車の長島正明選手と小松一臣選手がニスモのピットに訪れていたため、お話を伺ってみた。
「いやぁ、いいですねえ! なんか速いらしいしね。FIA GT4車両となってくれると、ST-Zクラスに参戦してジェントルマンドライバーとして走ってみたい。GT4ではなくてもST-1クラスで走れるのかなあ。ターボエンジンだし、いきなり24時間走ってどうなるのかも気になるけど、やっぱり新しい車を、冥途の土産に走らせてみたいよね(笑)」
S耐のレジェンドともいえるベテランドライバーでもある長島選手だが、もう目をキラキラさせながら少年のように(少なくとも筆者にはそう見えた)語ってくれた。
大の大人もワクワクさせてくれる「Nissan Z」の雄姿を、ぜひとも現地、もしくはS耐TVで見届けていただきたい。
(文:GAZOO編集部 山崎 写真:堤晋一、GAZOO編集部)
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