【スーパー耐久第3戦SUGO】「デビューレースであろうとやるからには勝つ!」。シェイドレーシングが新型GR86を投入
スポーツランドSUGOで開催されるスーパー耐久シリーズの第3戦で、ST-4クラスに3台目のGR86が登場した。2018年から86(ZN6型)で参戦するシェイドレーシングで、2021年シーズンのST-4クラスのチャンピオンだ。
先日掲載した浅野レーシングへのインタビューでもお伝えしたとおり、マシン自体のデリバリーの遅れやパーツが揃わないなど準備に時間がかかっていたが、ようやくデビューにこぎつけたようだ。
はたして、GR86はどんなマシンなのだろうか? チームの母体である林テレンプの社員でもあり、チームの監督を務める川谷高徳氏にお話を伺った。
昨年12月から計画を開始し、今年の2月に中古車でGR86を入手しマシンスイッチのプロジェクトはスタート、3月にはマシンの製作に着手していたという。しかし、全体的に新車の納期が伸びていることや社会情勢による電装系パーツの入手遅れなど、いろいろな要因が重なり第2戦富士24時間は旧型の86で参戦していた。
まだまだ走らせたばかりで評価は難しそうではあったが、金曜日のスーパー耐久の専有走行を終えての状況を伺った。
マシンを実際にシェイクダウンできたのはレースの約2週間前だったというが、「コンピュータの解析ができていないので、制御系の細かいトラブルはいろいろありました」とその時の状況を語ってくれた。
GR86になってスバル製のECUがデリバリーされることになったというが、現状書き換えができないという話もあるという。このことは今後GR86やBRZを使用するチームが独自のセッティングを進めるには重要な要素の一つでもあり、どのような展開となるのか興味深い。
車両の重量が今週に入ってから1,150kgと決まり、旧型の86が1,100kgだったために50kg増加することになったという。
「ドライバーからは、重量が増えたこととECUのチューニングができていないことで、400CCの排気量アップの効果が出せていないのではないかという話を聞いています。特にSUGOは上り坂やコーナーが多いため、旧型の86の方が軽かったり、ECUの調整もできているので向いているのかもしれません。その辺りも今後の課題ですね」
その他にも、ストレートスピードが遅かったり、ECUの学習方がわからない、ピットストップの時間短縮、ピットロードの50km/h制限の機能がないこと、など課題は多いという。
ただ、シャシーの剛性感などマシンの素性はいいため、足回りのセッティングやエンジンのチューニングなどを行っていけば、もっと成長していくクルマだろうと、その期待を語ってくれた。
まだいろいろ苦労していることはありつつも、目指すは勝利、そしてシリーズタイトルの獲得と言い切ってくれた川谷監督。
「今回のSUGO戦では、トムススピリットさんのGR86は前戦の結果を受けて20kgのウエイトハンデを積んでいます。1戦分多くのデータを持っているトムススピリットさんか、20kg軽い僕たちか、どうなるのか楽しみですね」
「デビューレースであろうとやるからには勝つ! 」。川谷監督は“静かなる闘志”を燃やしている。
(文:GAZOO編集部山崎 写真:折原弘之、GAZOO編集部)
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