【スーパー耐久第5戦もてぎ】小林可夢偉らトヨタWECドライバーが水素エンジンカローラ&GRMNヤリスで走った! ルーキーレ―シングのドライバーとタイムアタックバトル

  • 32号車 ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptを見つめるホセ・マリア・ロペス、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー

2022年のスーパー耐久第5戦が行われているモビリティリゾートもてぎに、TOYOTA GAZOO RacingのFIA世界耐久選手権(WEC)のドライバーが集結し、ST-Qクラスに参戦している水素エンジンのGRカローラと今年の1月に東京オートサロンで発表されたGRMNヤリスをドライブした。

2022年9月9日~11日に富士スピードウェイで行われるWECの第5戦「富士6時間耐久レース」。そのレースに向けて来日しているTOYOTA GAZOO RacingのWECのドライバーが9月2日、スーパー耐久第5戦が行われるモビリティリゾートもてぎに来場しWEC富士6時間レースのピーアールを行った。

7号車を駆る小林可夢偉選手、マイク・コンウェイ選手、ホセ・マリア・ロペス選手、今年のル・マン24時間レースを制した8号車のセバスチャン・ブエミ選手、ブレンドン・ハートレー選手、平川亮選手、そして昨年現役ドライバーを引退し、TGR-E(TOYOTA GAZOO Racing Europe GmbH)副会長を務める中嶋一貴氏という、錚々たる顔ぶれだ。

ルーキーレーシングとWECのドライバーがタイムアタックバトル!

そして、今回来場したドライバーたちにはスペシャルなチャレンジも用意されていた。それはスーパー耐久に参戦しているルーキーレーシングのドライバーとタイムアタックバトルをするというから、大きな注目を浴びることとなった。

今回このような豪華な企画が行われた想いを、ルーキーレーシングのチーム代表でもあるモリゾウ選手はこう語っている。
「レースはカテゴリーごとにファンが分かれてしまっていますが、そのカテゴリーごとのドライバーが分かりやすく競争するコンテンツはあるようでありません。世界で活躍するドライバーが、同じクルマでスーパー耐久のドライバーと競争したらどのくらいなのっていうのは、おもしろくないですか?」

モリゾウ選手のタイムにWECドライバーが挑戦!

このタイムアタックバトルは2部構成で、まず行われたのはスーパー耐久に参戦している水素エンジンを搭載したGRカローラ、ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptを使った対決だ。
これはチームの代表でもあるモリゾウ選手のタイムをWECドライバーが超えられるのか!?という内容だ。

もちろんWECドライバーにとってモビリティリゾートのロードコースを走行するのは初めて! もてぎでのレース経験の豊富なジェントルマンドライバーのモリゾウ選手が勝つのか、WECを走る世界のトップドライバーが勝つのか、サーキットの現地はもちろん、生中継されたYouTubeの画面の向こうで見守っていたファンも意見が分かれたことだろう。

そのモリゾウ選手の基準となるタイムは『2分17秒365』。これはセッション中のタイムとのことで、他のマシンも走っている中で出したタイムだという。

まずチャレンジしたのがコンウェイ選手。セクター1は1秒以上の差があったが、セクター2は1秒を切り、なんとセクター3ではモリゾウ選手のタイムを上回ってきた。
最終的には2分20秒158となり、モリゾウ選手に軍配。

次に挑戦したのはブエミ選手。セクター2、セクター3でコンウェイ選手にも後れをとり、2分23秒300というタイムに。

結果的に、モリゾウ選手がWECドライバーに勝つこととなったが、そのモリゾウ選手の速さを、ルーキーレーシングのプロドライバーが、「僕たちがユーズドのタイヤでモリゾウ選手が新品のタイヤだったら敵わない。そのくらい本当に速いドライバーなんです」と太鼓判を押すのも納得だ。

次の対戦は、GRMNヤリスを使ったガチンコチーム対決だ。
7号車がロペス選手と小林可夢偉選手、8号車がハートレー選手と平川亮選手、そしてルーキーレ―シングを代表して佐々木雅弘選手と石浦宏明選手という3チームが2人の合計タイムで順位を争うこととなった。

まず一人目としてアタックしたロペス選手が2分15秒109、次にハートレー選手が2分17秒203というタイムに続き、佐々木雅弘選手が驚愕のタイムを叩き出す! 2分11秒608というタイムでWECドライバーを3秒以上上回ってきた!
もてぎのロードコースでの豊富な経験と、ハコ車出身でハコ車のマイスターとしてさまざまなタイムアタックイベントでも引っ張りだこな佐々木選手がその実力を見せつけることとなった。

そして、2人目のドライバーは日本人対決。小林選手、平川選手ともにもてぎのロードコースの経験は豊富で、僅差のタイムバトルとなるのではないかと期待がかかる。

まずタイムを記録したのは平川選手で2分14秒927とWECドライバーを上回ってくる。そして小林選手はセクター2では3人の中で最速タイムを記録するなど2分14秒175で平川選手を上回る。

だが、最後にタイムを記録した石浦選手は2分12秒898を叩き出し、1人目、2人目ともにルーキーレーシングが最速タイムを記録、合算タイムでもガチンコバトルを制することとなった。

WEC富士6時間レースは9月9日~11日に開催!

今回のタイムアタックバトルでは、より条件的に慣れているルーキーレーシングのドライバーに軍配が上がったわけだが、WECドライバーは悔しそうな表情も見せながらも、こうしたクルマを使った遊び、そしてチャレンジも心から楽しんできるようだった。

そんなWECドライバーは来週の富士でのレースが本番であり、高速のマシンでハイレベルなバトルが繰り広げられるFIA世界耐久選手権、ぜひ現地富士スピードウェイに観戦に行っていただき、TOYOTA GAZOO Racingのドライバーに大きな声援を送ってほしい。

  • ルーキーレーシングのピット内

(文、写真:GAZOO編集部 山崎)

 

MORIZO on the Road