ヤリスカップがついに始動! 練習走行会に60台の真新しいヤリス カップカーが集結

先日連載しました『ヤリスカップ、始まるよ!』はご覧いただきましたか? 21年間も続いた伝統のワンメイクレース「Netz Cup Vitz Race(ヴィッツレース)」の後を継ぎ、今年から始まる「Yaris Cup(ヤリスカップ)」の魅力が少しでも伝わっていればうれしいです。
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そんな新生ヤリスカップの幕開けとして、5月15日に開幕戦の地、富士スピードウェイで練習走行会が開催されました。
今日がシェイクダウンという方も多く、緊張やら、まだ相棒となるヤリス カップカーとのよそよそしさやらなんかもありましたが、参加者のみなさんはようやく集まれた仲間のみなさんと楽しそうな時間を過ごしていました。
そんな練習走行会の様子をお届けしましょう!

60台ものヤリス カップカーが富士に集結!

富士スピードウェイの30分の走行枠×2回を貸切るかたちで行われた練習走行会。60台ものヤリス カップカーが集まっただけあって、各ピットには3台から6台のヤリスが収まり、メンテンナンスが行われたり、参加者同士での楽し気な情報交換など、走行時間前後以外は、比較的ゆったりとした時間が流れています。
(※スタッフが多いわけではないので、密ではありません。)
今回の練習走行会は、参加料は無料(GRさん、太っ腹!)なうえに、しっかりとブリーフィングも行われ、実際にコースを走行した映像とロガーを使って佐藤久美さんによるレッスンなんかも行われていました。

さて、走行1回目の走行が始まり、まだまだ真っ白なヤリス カップカーばかりが走っている光景はある意味奇妙な感じもしましたが、走行後参加者の皆さんから口々に
「速くなった」
「パワーがある」
「剛性感が上がった」
「走りやすくなった」
などと高評価。

ただ、ヴィッツとは似て非なるクルマとのことで、多くの皆さんが
「ヴィッツでの走りでは飛び出しちゃう」
「ドライビングを一から考え直さなきゃ」
と、ちょっと戸惑い気味な感じも。でも、その分攻略しがいを感じているのか、やっぱり楽しそうでもあったのが印象的です。
走行の前後は、ドライバーの皆さんもさすがに緊張感がありますよね。
そしてドライバーの皆さんよりも、メンテンナンスを担当するディーラーさんやショップさんも大変そうで、ロガーデータの分析でパソコンの前に張り付いたり、クルマの前に集まっていろいろと頭を悩ませているようにも感じられました。
またパーツメーカーの方も同様で、特にブレーキパッドは選択自由とあって、ブレーキメーカーの方がチームやドライバーと積極的にコミュニケーションも取っていらっしゃいました。
2回の走行を終えて、トップタイムを記録したのは神谷裕幸選手で2分15秒430と唯一の2分15秒台。神谷選手といえば、ディーラーの社員ドライバーながら、ヴィッツレースのみならず、86&BRZレースの最高峰クラスでもチャンピオンを獲得した実力派ドライバーです。
2番手は昨年S耐のトレーシースポーツの取材の際にお話を聞いた大島和也選手の2分16秒145で、1分16秒台が10台、1分17秒台が10台、1分18秒台が10台、1分19秒台が6台と続くなど、ちょっとしたミスで大きく順位が入れ替わってしまいそうです。

佐藤久美さん「原点回帰でより参加しやすい入門レースに」

Yaris Cupのレースディレクターである佐藤久実さんにもお話を伺いました。

「21年続いたヴィッツレースからヤリスカップになり、TOYOTA GAZOO Racingとしては『原点回帰』をテーマにしています。ヴィッツレースが始まった当初の入門カテゴリーに立ち返り、車両の価格も押さえることで、なるべくエントラントの負担を減らそうと努力しています」
「ヴィッツレースが21年間続いたのも、エントラントに支えていただいて育ってきたレースですので、ヤリスカップもエントラントに育てていただいてどのように歴史を重ねていくことになるのか、本当に楽しみですよね」

ヤリスカップやヤリス カップカーについても伺いました。

「GR Garageなどのディーラーさんのチームもたくさん出ていて、社員ドライバーの方でもトップ争いをしている方もたくさんいるんですよ。ディーラーさんでクルマのメンテナンスからドライビングの指南、レース参戦手続きや当日のサポートなどもいろいろ相談できますし、さらには仲間ができてもっと楽しく参加できたりします。このように参加しやすい環境はヤリスカップの特長の一つですね」

「あとは、CVTのクルマはサーキットではレース用のトランスミッションコントロールコンピュータに交換することができるので、CVTも混走でいいバトルができるようになっていると思います。このこともヤリスカップならではです」

「クルマとしては、まだ私も今日本格的に乗ったばかりなのですが、剛性が上がってクルマがしっかりしたし、ハンドリングが大きく違うので、ヴィッツレースの走りは一度忘れることと、4本のタイヤをしっかりと使えるようなセッティングを見つける必要がありますよね」
佐藤久美さんは、走行レッスンも担当され、参加した方の前後で走り、走行後にはそのレビューを行います。こうした、まだレースに慣れていない方に向けたさまざまなサポートを用意しているのもいいですよね。


記念すべきヤリスカップの開幕戦は、6月5日(土)に東日本シリーズ、西日本シリーズが一堂に会して行われます。予想として80台~90台くらいのエントリーとなるとのことで、決勝レース、コンソレーションレースともに、大いに盛り上がりそうです。

参加ドライバーにもお話を伺ってきましたので、そちらの記事も近日公開いたします。お楽しみに~。

(GAZOO編集部 文、写真:山崎真)