TBS安東弘樹アナウンサー クルマ好き有名人紹介 第2回
アルバイトで貯めた資金で、免許を取得した安東アナ。免許を手にした際の感動は、言葉に言い表わせないほど…というのは、前章でのそのクルマへの強い思い入れからもみなさまご想像がつくと思います。今回は、免許を取得されてからの学生生活をお届けいたしましょう。学生時代のアルバイトも、クルマ好きの安東アナならでは!です。どんどんクルマにハマって参りますよ。それでは、どうぞ!
―――――最初に購入されたクルマは、何ですか?
安東:「奨学金3つとバイト2つで頑張って購入したのは、ホンダのシティターボⅡの中古です(写真、向かって左から2番目が学生時代の安東さん)。
60万円でしたね。頭金10万円で48回ローンで購入しました。中古車屋さんと知り合いの友人がいて、“良いのを持って来てくれる”と言われたので、“マニュアルで速くて楽しいやつ”というオーダーをこちらから出し、手元にやって来ました。
当時で5年落ちだったかな。ホンダのチューニングメーカー無限のマフラー4本出しで同じく無限のホイールを装着していました。これも本当にうれしくて、オトナになったような感覚でしたね。まだ学生だったので、クルマを購入するという1つの「夢」を叶えたという感が強かったです。乗ってみたら速いし、格安でしたので納車の時は喜んでいましたが…」
―――――いましたが?
安東:「今思えば、マフラーも2本はダミーだったので正直やられちゃった感じなんです(笑)。状態があまり良くなかったんですよね。走れば速くて、ただただそれが嬉しくて、ろくにクルマを見ないで買ってしまいました。当時学生の自分にはまだクルマを見る目が無かったですね。振り返ってみると、クルマの下を見ていたら一発でわかったのに!と思います。購入して半年後くらいには、調子が悪くなりました。ですので、 “押しがけ”を何回かした記憶があります」
―――――押しがけ?
安東:「僕、押しがけを経験した最後の世代でしょうねえ(笑)。バッテリーがすぐダメになってしまって…。3速に繋いで、少し下っている所でよく弟に押してもらってエンジンをかけて、“弟ありがとう!”というような感じで走らせていましたね。しばらくして、バッテリーを交換しましたが。そういう意味でも、シティターボⅡは自分にとってクルマの先生の様な存在で、いろはを学ぶことができました。今は、プラグをブラッシングするなんて、そんな人いないですよね?当時は大事なクルマですからやっていました」
―――――初めての愛車で、お出かけになった所はどこでしょうか?
安東:「大学時代は体育会の弓道部に所属していたので、最初の遠出は合宿所のある新潟でした。あまり遠くないですね。自分が買い出し等のためにクルマを出します!と、手を上げていたのですが、実際行って見るとクルマの調子は決して良くなく、ちょっと怖かったですね」
―――――新潟ですか?充分遠いですが…
安東:「案の定、その新潟の帰りに4気筒のうちの1発が完全に死んで3気筒になりました。高速でも時速80キロが限界で、ハザードをつけながら家まで命からがら帰りましたね。プラグが原因なのか何なのか…、もしかすると前のオーナーがクルマのコンピューターとかいじっていたのかもしれませんね~。そこはちょっと不明なんですが…。そんな愛車でしたが、2年所有しました。そして、当時クルマを運転して納車するアルバイトも始めました」
―――――うわー、そのアルバイト、楽しそうですね~
安東:「はい。大学4年の時に、日産系の会社でアルバイトをしていたんです。ディーラーからの納車とか、日産の追浜(おっぱま)とか座間の工場からクルマを自走して運ぶ仕事でした。普通免許で、3台の積載なら運転できるので…。天国でしたよ。
1990年の事でしたが、当時R32のスカイラインGT-Rが出た年で、インフィニティQ45やらC33のローレルやらは本当に美しくてね。Y32のセドリックやグロリアがベルベットのシートで、質感が素晴らしかったですね。買い替えなどで、他メーカーのクルマも沢山運転させていただき、どんどん目も肥えてクルマの事を覚えていきました。トヨタ車は、当時からシートが電動、コラムも電動、装備はトヨタの方が上を感じていました。質感の日産、装備のトヨタというイメージです」
当時はバブル期で、あのシーマ全盛期でしたのでシーマを沢山運んだのですが、運び過ぎちゃいまして、最初はあれだけ緊張していたのに“またシーマかよ”なんて贅沢なことも言っていましたね(笑)。そして、やっぱりR32のスカイラインGT-Rを運転するのは一番楽しかったです、マニュアル車しかありませんでしたから。テンション上がりました!
アルバイトを始めた当初は、スカイラインGT-Rの運転は許されませんでしたが、経験を積んで慣れてからは、運転させてもらいました。あんまりエンジンをまわしちゃダメなんて言われましたし、事故ももちろん厳禁です。そんな緊張感を持ってしても楽しくて、横浜新道とか運転しましたが頬がゆるみっぱなしでした。当時は、ほとんどAT車にシフトしていた時代でしたが、それでもまだ今よりはマニュアル車も残っていたので、とても良い時代だったと思います。このアルバイトをやったことで、次のクルマへの買い替えの機会に恵まれました」
―――――新車ですか?
安東:「そうなんです、アルバイトの関係から日産車と縁ができ、当時ブームだったテラノというクルマを買うことになりました。いわゆる後にSUVと呼ばれるクルマの元祖かもしれません。そのクルマでよくスキーに行ってました!」
―――――「私をスキーに連れてって!」ですね?
安東:「まさに、そうですね。初めての新車だったので、値段もはっきり覚えています。全部で225万円でした。センターデフロックのできるテラノです。ザ・4駆。そのデザインからも街中もおしゃれに走ることのできる4駆でした。TD27Tというディーゼルエンジンを積んでいました。スキーに頻繁に行っていたので、1年で4万キロも走りました。土日は、仕事のことが多かったので、平日の休みごとにスキーに行っていました。結局、2年で6万キロ近く走りましたが、キレイに乗っていたクルマというのもあってか、売った時は170万の値が付きました!」
―――――クルマどっぷりな学生生活ですが、そろそろアナウンサーを考えて、就職活動の時期でしょうか?
安東:「学生時代は、体育会の弓道部の主将を務めていてしっかり活動をしていたので、就活をあまりしていませんでした。でも、社会に出たら親を養わなければなりませんでしたから、周囲にテレビ局は給料が良いと言われ、正直気にはなりました。更に、もともと第二次世界大戦時の大本営発表という政府広報放送によって、日本人が戦争を止められなかったという事実に衝撃を受けていたので、マスコミには興味を持っていました。人生設計を先に進め、金銭的に安心したかったという想いも強かったですね。そんな気持ちで就職活動にとりかかりました」
―――――就職されてからは?
安東:「やっぱりクルマを楽しむ生活は変わらず、給料の3分の1くらいをクルマに使っていた月もありますね。貯金以外は、ほとんどクルマでした。洋服は、スタイリストさんから購入、お酒も飲まないですし、たばこも吸わない、クルマの改造もしないのですが、何しろ走行距離が多いので、維持費などに費用がかかっていました」
―――――トヨタ車にご興味は?
安東:「もちろんありましたよ。特に僕は、クルマに値引きは要らないと考えていました。メーカーの血と汗と涙の結晶である大事なクルマの値段を値引くのは、クルマがかわいそうだと思ってしまいます。だから、初めて行ったトヨタのディーラーの営業の方が、最初に値下げを打ち出してくる事に驚きました。
クルマは、世の中で売られているあらゆる“物”の中で、一番正当な価格がついていると思っているんです。だから、自分からは値下げ交渉は一切しないのですが、きっと営業努力なんでしょうね。ジャパニーズホスピタリティというのでしょうか?値下げ頑張ります、買い物も手伝います!という顧客サービスの追求は、他メーカーのディーラーにはあまりないように思います。
そして、いろんなトヨタのクルマを見て、良いクルマもあり、失礼ですがコストダウン感をもろに感じるクルマもあるですが、初代ハリアーはとても良かったですよね。20代後半にハリアーに乗っていました。“はなまるマーケット”をやっていた頃ですね。静的性能、室内空間と心地良さは抜群でしたね。黒のハリアーでしたが、適度に高級感があり、押し出し感もなく丁度良かったです。“ちょうどイイ”んです何もかもが。AT車なのに、マニュアルモードもついていて、モニターも見やすいし、V6の3リッターでしたが、ノーマルタイヤでそのままスキーに行っちゃってました。周囲は、呆れていましたが、低μ路でクルマと格闘するのも楽しかったです(笑)。
ハリアーは僕の中で別格。乗る時に誇らしかったです。あの短い起毛のシートは、革以上の質感でしたね。長時間乗っても褪せないシート、あの表皮の素材は何だったんでしょう?復活して欲しいですね。自分の中で金字塔です、想い出深いクルマですね」
ありがとうございました!いかがでしたか? 安東アナ、同じクルマ好きとしてグイグイ身近に感じて来ませんか? 次回も引き続き、クルマに関する楽しいお話をお届けいたします!かなり変態…、お楽しみに!
次回は2015年4月14日(火)に公開。どうぞお楽しみに!
[ガズー編集部]
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