クルマ通勤 …安東弘樹連載コラム
TBSを退社して1ヶ月半、これまでと大きく違うのが、何と言っても車で通勤?出来るようになった事です。しかも現場が各テレビ局の場合は、直接、局の駐車場に停められる為、計算通りの時間に到着出来る事が分かってきました。
千葉市の自宅から都心のテレビ局・ラジオ局までは基本1時間半で、何処でも何時に家を出ても着ける様です(一度、日中韓サミットの時に検問渋滞の為、2時間掛かった事がありましたが、これを予想して早めに家を出た為、遅刻になりませんでした)。
しかも朝の通勤時間帯以外でしたら、殆どの場合30分程前に現場に着く事が多く、これまでの1ヶ月半、お陰様で予想外に忙しく、35日程、仕事で都内に行きましたが遅刻は1回も有りません。それどころか、「毎日こんなに早く現場に着くタレントは殆どいませんよ」とマネージャーさんに突っ込まれています(笑)。
というのもマネージャーとしてはタレントより早く現場に着いていたいのに、ほぼ毎回、私の方が先に現場に着いているので、少し困ります、というニュアンスです。
クルマで都内を移動していると言うと、殆どの人が「時間が計算できなくて怖くないですか?」と訊いてくるのですが、私は社員時代からプライベートの時は必ずクルマで都内に行っており、その時から常に公共交通機関を使った他の人より早く待ち合わせ場所に到着していたので、ある程度は自信が有ったのですが、フリーランスになってから通勤のみならず現場と現場の移動も全て車ですが、殆どの場合、電車やタクシー組より早く現場に着いています。
多くの人が車の機動性を過小評価しているのではないでしょうか?恐らくタクシーが中々捕まらなかったり、道の整備も今より進んでいなかった為に凄まじい渋滞が頻発していたバブル時代から90年代の記憶が残っているのだと思われます。
最近は都市高速環状線の開通が相次いでいる上に一般道も少しずつ改善され、自動車離れも関係しているのか十数年前と比べて渋滞は確実に減っていると実感できます。少なくとも私は、これまでのところ自動車通勤で日々の仕事を順調にこなしている事を、まず報告させて頂きます。
続いて経済的な面ですが、今通勤に使っているディーゼルエンジン車は、通勤に使い始めたここ1ヶ月半の平均燃費が14km/リッター程。最近高騰している燃料価格ですが、私がいつも給油している地元のスタンドでの、ここまでの軽油の平均価格は105円/リッター程、これで計算してみます。
4月の1ヶ月間で考えると、1回往復100キロの走行で27日間稼働したので2,700キロ、1ヶ月の燃料費は2万円でした。私は遠距離通勤ですので往路だけ高速道路を760円分使っていますので、これに2万円が加わります。つまり1ヶ月で仕事の移動に掛かった費用は4万円でした。
皆さん、この金額をどのように感じますでしょうか?
ちなみに、もし都心に通勤されていて都内に住んでいる方でしたら、高速道路代は掛からない可能性もありますし、お乗りの車がハイブリッド車やコンパクトカーでしたら、ほぼ同じランニングコストだと思います。
自宅から通勤現場までの距離が私の半分の25キロだとすると、計算上は燃料代、すなわち車通勤に掛かる総費用は月に1万円程になります。
今の通勤費用と比べて如何でしょうか?勿論これは通勤している会社等に無料の駐車場が有る、という前提での計算です。現実問題として今、都心にある会社で社員用の駐車場が完備されているところは殆ど無いでしょう。
そこで、私の提案というか、妄想を書かせて頂きます。
少なくとも大きな会社には殆ど、地下に大きな駐車場が着いています。
多くは来客用や、会社によっては一般の方向けの有料駐車場になっていたりするので、その一部を自社の社員用に開放し、例えば部署別に交代で曜日ごとに車通勤を許可する、というのは如何でしょうか?
勿論、希望者に対してだけで良いと思います。私には信じられませんが車の運転がストレスになる方も最近は多くいらっしゃるので…。
以前私はこのコラムで、自動車会社の広報の方は車通勤するべきだと書きました。でも本当は、自動車会社以外の方にもたまには車通勤をして頂きたいと思っています。
通勤時間帯の壮絶な混雑を緩和できる程ではないにせよ、毎日すし詰め状態の電車に乗って通勤している方が、たまに車でゆったり通勤できる日が有ったら気分転換になるかもしれません。その分、道路が混雑するかもしれませんが、前述の通り、最近の道路事情は少し変わってきています。
これから人口減少が始まる上に道路が整備されていく事を考えたら、公共の交通機関と自家用車で通勤手段を分散させるのは、むしろ合理的かもしれません。
そして何より車に乗る時間が増えれば増える程、クルマに対しての愛着も増し、そして車に対する理解や運転のスキルも上がってきます。
日本の基幹産業である自動車に対する日本人の関心や興味、愛着が減ってきているのは、とにかく車に触れる機会がどんどん減っている事が理由の一つだと私は考えています。
そして週末に近所のショッピングモールへ買い物に出かける時にしか使わない方達の要望だけに応える様になってしまうメーカーが増えてしまったら、日本の自動車産業は衰退の一途を辿ってしまうでしょう。
これは動力源が電気モーターになろうが自動運転になろうが、変わらないと思います。
長距離を乗って心地良いかどうかはパワーユニットが何であれ、人間が運転しようが機械によって動こうが、ノウハウは同じですから。
多くの人が自動車経験値を増やす事で、目を肥やし、日本の自動車メーカーへの要求を高める事で、メーカーを鍛えられる様になれば良いなと願っています。
勿論、公共交通機関を利用する方が地球環境にとっては好ましいでしょう。
唯、考え方を変えれば、製造にも環境負荷が掛かる車を多くの人が所有しているにもかかわらず、都市部の殆どの人が平日はガレージの肥やしにしているのが、果たして良い事なのか、私には疑問です。
しかもこれから環境負荷が少ない車が増えてくる事も鑑みると、都市部に勤める何割かの方が週に1日か2日、車で通勤する社会はそんなに悪いものだと私には思えないのですが皆さんは如何でしょうか?
私、今後も自分が健康でいられる限り、公私共に自分で運転するクルマで移動したいと思っているので、実は可能であれば(収入次第です!)太陽光発電設備込みで電気自動車の購入も考えています。
EVの場合、MTは諦めなければならないでしょうが(笑)どれほどの環境負荷・経済的負荷が掛かるのか、検証していければと思います。
私が居る業界の慣習で、それぞれの仕事に対する対価が支払われるのに早くて3ヶ月は掛かるそうですので、私は少なくとも7月まで収入が有りません。
しかも4月・5月は、50歳で退社という珍しさも有って、各局各業界からそれなりの数の仕事を頂いていますが、その先は全く分からない状況ですので7月もどれ位の収入が得られるか全くの未知数です。それだけに特に経済的負荷はシビアに見ていこうと思っています(笑)。
そして近いうちに現在の所有車でのCO2排出量等を計算して、環境負荷についても報告させて頂こうと企んでいます。これらが少しでも皆様の参考になって、車通勤の是非だけにとどまらず、車との付き合い方を新たに考えて頂けたら、これに勝る幸福はありません。
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