熊倉重春氏が解説! 初代MR2(AW11)

GAZOOでは以前、モータージャーナリストの熊倉重春氏による、クルマの解説動画を配信していた。2010年ごろのことである。トヨタ博物館に所蔵されている、古いクルマの解説も多く、今見ても新鮮でおもしろいもの。そこで今回は、その中から「AW11」と型式名で呼ばれることも多い、初代MR2の動画(約5分)を紹介する。

トヨタ博物館に所蔵されるMR2は1984年式、スポイラーが黒いごく初期のモデルだ。熊倉氏は当時、カーグラフィック誌の長期テストで、ホワイトのMR2を担当していたという。

MR2が生まれた背景に、乗用車のFF化が進んだことを挙げる熊倉氏。エンジンを運転席後方に積むミッドシップレイアウトは、カローラのコンポーネントを、前後逆さまに搭載することで実現した。

ミッドシップレイアウトを採用するメリットは、重量物(エンジン)を車両の旋回中心(Z軸)に近づけることで、機敏な動きを得られること。レーシングカーのような雰囲気で走ることができる。

1984年デビューのクルマながら、「コックピットの概念は、今のクルマとほとんど変わらない」と熊倉氏。長期テストを担当していた当時を振り返り、「改めて感心するのは、荷物の積載性」と語る。

フロントの小さなトランクだけでなく、エンジン後方にも立派なトランクが設けられているのが特徴。熊倉氏は、このクルマに4日分の着替えや工具、スペアパーツなどを満載して、鈴鹿のレースに出かけたそうだ。

フロントシートの後方にも、荷物を置くことができる。普段乗りもできる実用性を備えているのが、ヒットの要因の一つだったのだろう。「さすがトヨタの商品企画だったと思う」と熊倉氏。

ここまでが、MR2の概要を紹介する部分。「後編」では、実際に熊倉氏がステアリングを握り、その走りを解説する。今や貴重な、初代MR2が動くシーンやエンジン音を視聴できるので、ぜひ後編も併せて見てみてほしい。

(木谷宗義/テヌール+ノオト)

[ガズー編集部]