ATのニュートラルって使っている?(クルマの運転操作、みんなはどうしている?)

AT車のシフトゲートに存在するニュートラル(N)。
「渋滞で停止するときはニュートラルに入れている」
「ニュートラルはいつも使っていない」
など使用に関しての意見は様々ですよね。

みなさんは、どうしていますか?

停車時間が長い渋滞。
ギアをニュートラルに入れる方も多いかと思います。中には渋滞中にシフトをパーキング(P)に入れる方もいますね。しかしパーキングは、ギアを入れる際にリバース(R)を通過するため、バックランプがついて後続車の方も驚いてしまいますし、万が一の場合を考えると危険です。

私はと言うと、通常走行時にはニュートラルは使用していません。もちろん、信号待ちや渋滞のときも使用していません。

ギアをニュートラルに入れるのは、車両が故障した際にけん引されるなどの緊急時です。
ニュートラルは、動力が伝わらない状態(エンジンとギアを切り離した状態)で、軽い外力が加わると車体が動くためけん引しやすいのです。

下り坂で、燃費を稼ごうとするあまりニュートラルに入れる人がいるそうですね。
駆動を切って惰性で走らせて、そのぶん燃費も良くなる、というイメージでしょうか。
しかしこの行為は、エンジンブレーキも効かず、とっさのときのシフトチェンジにも時間を要してしまいます。また、エンジン回転が低いままだとブレーキのブースター(倍力装置)の補助も弱くなるので、ブレーキのタッチも重くなります。
下り坂でのニュートラルは危険です。ドライブ(D)のまま走行しましょう。

通常走行時の役割が少なそうなニュートラルですが、実はリバースとドライブの間にあることで、変速の間違いを防ぐという重要な役割もあるのです。

ライター:畑澤 清志

【監修・解説者】

ドライビングエキスパート(トヨタの元テストドライバー)
滝本 良夫(たきもと・よしお)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、車両実験部でハイエース、ダイナ、コースターなどの商用車系開発の実験および商品監査に携わる。2014年に定年退社。

[ガズー編集部]