AT車、フットブレーキを使うタイミングどうしている?(クルマの運転操作、みんなはどうしている?)

AT車での雑なフットブレーキ操作は、後続のクルマに迷惑をかけることもあります。エンジンブレーキを使い適切なタイミングでフットブレーキを使うことで、よりスムーズなドライビングが可能になります。

「エンジンブレーキを多用しフットブレーキをあまり使わない」
「スピードを落としたい時は、すぐブレーキを使う」

という方もいらっしゃるのでは。
みなさんは、どうしていますか?

「状況に応じてフットブレーキとエンジンブレーキを使い分ける。下り坂でのフットブレーキの多用は避ける」

私は、フットブレーキとエンジンブレーキは、シチュエーションによって柔軟に使い分けています。フットブレーキは、操作すればもれなくブレーキランプが点灯し、他車へ向け減速中ということをアピールします。これは注意喚起には欠かせない機構ではありますが、時には交通の流れを妨げてしまうこともあるようです。一般道で断続的な渋滞に巻き込まれているような状況で、いい感じに進みはじめたところで前車が急ブレーキ。それにつられて自分も同じようにブレーキングすることがあります。実はこの行為、自分が気づかないうちに後ろに渋滞を伸ばしてしまっていることもあるようです。私は、先の状況を見て流れを確認しバックミラーで後方の車両に注意したうえで、なるべくエンジンブレーキだけで穏やかに減速し、急なブレーキングが原因で後方の車両が急減速することがないよう気を配っています。

また、エンジンブレーキの使い方に慣れていない初心者ドライバーなど、頻繁にフットブレーキを踏んでいる車両に遭遇することがあります。そんな場合、後方についてしまうと自分の走るリズムが乱れがちです。このまま追従して走るのが難しいな、と少しでも感じたなら車線変更をするなどしてその場から離れるようにしています。

下り坂の場合は、車両重量による慣性で思った以上に速度が出てしまうシチュエーションです。この場合、私は3段階に分けてブレーキングするようにしています。ちょっとした減速ならアクセルオフ、それでも狙った速度まで落ちないときはシフトダウンや「Bモード」や「Lモード」を使っての減速、それでも減速が足りないようならフットブレーキを使います。ただ、長く続く下り坂でフットブレーキを使い続けていると、過熱することによりブレーキ性能が落ちる現象が起こることも。

高速道路では、何か起こった際でもアクセルオフだけでも充分減速できるよう、車間をしっかりと確保しています。余裕のない車間だとフットブレーキに頼りがちになりますが、高速道路での強いフットブレーキは、天候などによっては自車の挙動が乱れコントロールが不能になる危険性もあります。もちろん、緊急時はこのかぎりではありません。

見通しのいい道路では、直近の信号だけでなく、ひとつ先(場合によってはその先も)の信号の変わるタイミングもチェックするようにしています。ひとつ先の信号で止まることが予想できるなら手前の信号では無理な加速をしないなど、「先読み運転」をすることで無駄なブレーキングを減らすことができます。

下り坂でのAT車のエンジンブレーキ、自然に使いこなすには
http://gazoo.com/ilovecars/driving/170525.html

クルマの運転の基本 ~上手なアクセルとブレーキ操作(オートマ編)~
http://gazoo.com/ilovecars/driving/161216.html

ライター:畑澤 清志

【監修・解説者】

ドライビングエキスパート(トヨタの元テストドライバー)
滝本 良夫(たきもと・よしお)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、車両実験部でハイエース、ダイナ、コースターなどの商用車系開発の実験および商品監査に携わる。2014年に定年退社。

[ガズー編集部]