渋滞している時に踏切、どうしている?(クルマの運転操作、みんなはどうしている?)
車道の渋滞と、列車の通勤ラッシュとが重なる朝夕の忙しい時間帯は、混むとわかっていてもイライラしがちです。ただでさえ事故の要素が潜んでいる踏切ですが、さらに危険度が上がる時間帯でもあります。そんなときこそ、安全確認の大事さを肝に銘じておきましょう。
「前が空いていると思って進んだら、少しギリギリでヒヤッとした」
という方もいらっしゃるのでは。
みなさんは、どうしていますか?
全国各地にある「開かずの踏切」。朝夕など列車の運行ピークの時間帯と、線路に交差する道路の渋滞が重なってカオスな光景が繰り広げられています。通勤列車がひっきりなしに通過するため下がったままの遮断機。そして膠着する渋滞という強いストレスが続いてしまうと、運転に対しての正常な判断ができにくくなってきます。続々と列車が往来するそんな踏切は、たとえ遮断機が開いたとしてもすぐに警報機が鳴ってしまうので心理的にもプレッシャーがかかります。一瞬だけ開いた遮断機にわれ先にと進入してしまい、その先に自車の停まるスペースがないことにあとで気づいて大変な状況を招くこともあります。前のクルマが進んだから大丈夫だろうと、つられて進入してしまうのも同様に危険です。
都市部のケースにはなりますが、線路が複々線になっているような踏切は渡りきるまでの距離が長く、先の見通しもよくないのでさらに注意が必要です。道路交通法 第三章の第五節『踏切の通過』に定められているとおり、踏切の直前または停止線の直前で一旦停止し安全確認をします。その際は踏切の先に自車が停止できるだけのスペースがあるかどうかの確認をするのがなにより大事です。私は後続車の迷惑にならない範囲で、踏切の手前から速度を落とし注意深く通過するようにしています。
そして安全を確認したうえで踏切内はできるだけすみやかに通過することを心がけていますが、歩行者や自転車が脇を通るような作りの踏切の場合は細心の注意をはらいながら徐行しています。雨の日などレールの上はとてもすべりやすくなっているため、体制をくずした歩行者がこちら側に倒れてくる可能性もあるからです。
教習所で教わった安全確認の方法で、踏切通過前にウインドウガラスをわずかに下げ警報音を確認するという方法がありましたが、最近のクルマは遮音性が上がっているのでこの方法もあながちオーバーアクションともいえません。踏切にさしかかったならオーディオのボリュームを少し絞り、外の音を気にするくらいの余裕ある運転をしたいものです。
ライター:畑澤 清志
【監修・解説者】
ドライビングエキスパート(トヨタの元テストドライバー)
滝本 良夫(たきもと・よしお)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、車両実験部でハイエース、ダイナ、コースターなどの商用車系開発の実験および商品監査に携わる。2014年に定年退社。
[ガズー編集部]
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