【フェアレディMTG 愛車紹介 vol.6】Z32の伝道師が所有する最終型の300ZX

9月11日(日)、宮城県大崎市のオニコウベスキー場で「オール・ジャパン・フェアレディ・ミーティングin東北」が行われた。ミーティングに参加したフェアレディZオーナーをご紹介。

小村英樹さんの愛車は平成11年式のフェアレディZ・300ZX。ボディラインに沿うように埋め込まれたヘッドライトが印象的なZ32型だ。

Z32はトヨタ、ニッサンを中心とする国産メーカーが激しいパワーウォーズを繰り広げていた平成元年に登場。グラマラスなボディに進化を遂げた3.0リッターV6エンジンを搭載し、ターボ付きグレードは当時最強の280ps(NAは230ps)をマーク。今でも“Z32推し”のファンは多く、今回のミーティングでも数台のZ32を見かけることができた。

小村さんもそんなファンの1人。Z32のカッコ良さに魅せられ、平成19年にZ32専門のショップ「Zone」(ゼットワン)を設立。代表として忙しい毎日を送る一方、自ら愛車のステアリングを握り、全国各地で行われるイベントに参加。Z32オーナーや旧車ファンとのコミュニケーションを図っている。

「オーナーの1人として使命感を持ってやっています。Z32の味、魅力を伝える伝道師ですね」

愛車は遠方に住んでいる年配の方が所有していたが、諸事情により手放すことになり、小村さんに相談。黒の最終型に乗りたかった小村さんが買い取った。「もともとうちでリフレッシュしていたクルマなので、整備履歴もありますし。前のオーナーの想いを感じながら乗っています」と小村さん。

購入後、ストラットタワーバーや社外品のホイールを装着したが、それ以外はほぼノーマル。メンテナンスは純正部品を使った整備に徹しているが、純正部品の確保は小村さんの重要な日課。欠品になっているものを見つけたらすぐに注文を入れ、製造中止にならないようメーカーサイドに働きかけている。

「純正部品でメンテナンスできる状態は維持しないと。誰かがやらなければならないので私がやっています」

小村さんは査定でお客さんのところに行く時も必ず愛車で行っている。ゆえに走行距離は伸びる一方。購入時は約17万kmだったが、1年足らずで3万km走行。20万kmの大台はもうすぐそこだ。

「Z32の伝道師はいつも元気にZ32に乗っていないといけないのです。走行距離が伸びるのは全然問題ありません。そこまで乗れるの? というZ32オーナーや予備軍の人たちの見本になれるからです」

走行距離が一体どこまで伸びるのか、それは誰にも分からない。でも、ひとつだけはっきりしているのはZ32の灯は消えないということ。多くのZ32オーナーの笑顔と共に小村さんの愛車はこれからも走り続ける。

(フリーライター:ゴリ奥野)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road