【世界の愛車紹介ドバイ編】UAEの砂漠を走り回るためにフルチューンしたランドクルーザー80

アラブ首長国連邦(UAE)の住人たちは、砂丘のなかや岩だらけの大地の上など、長きにわたって砂漠の地形のなかで自動車をドライブしてきた。いまでこそUAEは世界最高峰のクオリティの道路網が整ってきてはいるものの、長きにわたってUAEではオフロード車が絶大な人気を誇ってきた。過酷な道でクルマを走らせるにはピッタリなクルマだからだ。

昔の10代の若者は、運転免許を取得できる年齢に達する前に砂漠で初めて運転の仕方を覚えた。そのおかげで荒れた土地でも支障なくドライビングできるスキルを手に入れたのだという。

クルマのパーツショップを経営するハメド・ダーウィッシュさんもまた、父に連れられて行った砂漠でオフロードでのドライビングの楽しさを覚えた者のひとりだ。ひとたび運転を覚えると、助手席に収まっているよりも運転することへの情熱が高まっていったそうだ。
「最初のオフロード車は2002年に購入した、ショートホイールベースの日産パトロール」だというハメドさん。

今では週末のたびにオフロード車を駆って砂丘へと出かけ、仕事のストレスやプレッシャーから開放されるために運転を楽しんでいるという。砂漠でのドライビングを完全にマスターすると、次にハメドさんはオフロード車のカスタマイズに惹かれていった。よりパワフルかつ敏捷で、もっと運転が楽しい車を作り上げるために。

現在、ハメドさんは2台の日産・パトロールと2台のトヨタ・ランドクルーザーを所有している。なかでもターボチャージャーで800馬力にパワーアップされた80型ランドクルーザーが大のお気に入りだ。まさに砂丘を突破するためにはぴったりなマシンなのだ。

もともと搭載されていたディーゼルエンジンは、ヘビーチューニングされた直列6気筒4.5Lの1FZ-FEエンジンに換装されている。後付けのギャレット製ターボチャージャーは最大ブースト1.6kgf/cm2で800psを発生。さらにインタークーラー、1000cc大容量インジェクター、後付けのインテイクマニホールドを装着。フリーフローエキゾーストで排気抵抗を低減。さらにメタノールインジェクションも追加。これをMoTeCのM800 ECUで制御している。

さらに、Haltech製のデジタルインストルメントクラスター、Radflo製のオフロード用車高調整式サスペンション、スピードラインのホイールとデザート用タイヤ、カスタム済みのフロントバンパーや夜間運転用のフォグライトなど、まさにカスタムパーツ満載だ。
過激かつ大切に、トヨタ・ランドクルーザーを砂漠で乗りこなしているハメドさんの様子が目に浮かんでくるようだ。

Photo:Thishan Dissanayake
Text:Zlatko Mulabegovic
翻訳:小藤茜

[ガズー編集部]